心理学の本(仮題)

【職場に】心理学書編集研究会(略称:心編研)による臨床心理学・精神医学関連書籍のブックレヴュー【内緒♪】

【まだまだ】地域援助をしつこく……【広がる】

2007-02-07 11:41:25 | 臨床心理学
ヤッシーが都知事選に出る出ないという話がありますが,いいね,頑張ってホスィものであります。もう都知事の候補者はとりあえず,芥川賞受賞者以外はNGってことにしたら,どうですかね,このさい。

でもまあ,最近では「ヤッシー」といえば,ナンクリ,ペログリの田中康夫先生ではなく,発達障害,児童精神科医の田中康雄先生というのが,定説になっております。いつから? うん,いま,思いついた。

田中康雄先生といえば,

ADHDの明日に向かって―認めあい・支えあい・赦しあうネットワークをめざしてADHDの明日に向かって―認めあい・支えあい・赦しあうネットワークをめざして
田中 康雄

星和書店 2001-10
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なんですが,「ネットワーク」「コミュニティ」というのも一つのポイントになっているわけであります。思えば,悪名高き自立支援法や,悪名は高くないけど,発達障害者支援法などがありますが,これ,そもそもは「自立」のためでありまして,その核となっているのが「地域による支援」「コミュニティによる支援」がうたわれているわけでありますね。
当然,その中核を担うのは,児童・生徒にとっては「学校」であります。なんで,コミュニティ心理学が学校問題を扱う傾向があるのも,当然といえば当然なんですね。たぶん。
で,ようやく言えるわけです,これ,「コミュニティを考える」一連のエントリであることを!(汗
関連記事であります。
http://blog.goo.ne.jp/psy-pub/e/d032e97b4f521fed890b6dabfb2f811f
http://blog.goo.ne.jp/psy-pub/e/15a84ed798d71e2bf2a022bc108439b5

でもって,われらが田中先生,こんな本を紹介されていたりします。

家庭と地域でできる自閉症とアスペルガー症候群の子どもへの視覚的支援家庭と地域でできる自閉症とアスペルガー症候群の子どもへの視覚的支援
ジェニファー・L. サブナー ブレンダ・スミス マイルズ Jennifer L. Savner

明石書店 2006-10
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こんな本とかもね。

軽度発達障害のある子のライフサイクルに合わせた理解と対応―「仮に」理解して、「実際に」支援するために軽度発達障害のある子のライフサイクルに合わせた理解と対応―「仮に」理解して、「実際に」支援するために
田中 康雄

学習研究社 2006-03
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で,思うわけですが,やっぱ,医者はすごい!というあられもない事実であります。
早い話,政策立案の側にもドクターはおられたりするわけです。田中先生は違いますが,たとえば,地方行政のなかの保健課とか,そういうところに,医者が政治的かつ行政的な権限を持っていたりします。ソーシャルワーカーも,公務員でいたりしますね。

地域でささえる障害者の相談支援―事例をとおしてみるソーシャルワーク実践のプロセス地域でささえる障害者の相談支援―事例をとおしてみるソーシャルワーク実践のプロセス
山崎 順子 六波羅 詩朗

中央法規出版 2006-10
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それがないと,やっぱ,地域援助なんか,なかなか難しい。心理職も頑張らねば! などと他人事のように応援しまふ。とはいえ,コミュニティ支援では,学校単位ではやっておられる。しかし,学校では何とかなっても,学校卒業の後になれば,援助の手は届かなくなるような肝し。公立だったらまだしも,私立だったら,地域とのつながりも薄くなりそうであります。ナカナカ難しい現実。とはいえ,中心になって活躍するよりも,縁の下の力持ち的に動いておられるのかもしれません。どっちにしろ,その人の実力でありましょうか。

地域支援の実践例に,こんな本があります。

三鷹市の子ども家庭支援ネットワーク―地域における子育て支援の取り組み三鷹市の子ども家庭支援ネットワーク―地域における子育て支援の取り組み
地域子ども家庭支援研究会 松田 博雄 熊井 利広

ミネルヴァ書房 2003-12
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これは心理職も入ってやっておられるようですね。それにしても,三鷹,すごいね。うちのあたりはどうなってんだろう。

それから,こんな本も。

臨床心理地域援助研究セミナー臨床心理地域援助研究セミナー
野島 一彦

至文堂 2006-10
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ま,入門編ですね。なかなか多彩な内容です。地域援助には夢があるね。

下の本は,介護サービスのものですが,障害者自立支援も同じような動きになるかもしれません。

誰でもできる小規模デイサービスの始め方―集客力の高い地域密着型介護サービスの進め方誰でもできる小規模デイサービスの始め方―集客力の高い地域密着型介護サービスの進め方
田中 元

ぱる出版 2006-02
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世界を狭く,自分の目の届くところだけにする。それも一考かもしれません。


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3 コメント

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事故レス三四郎 (psy-pub)
2007-02-07 12:51:10
orzorzor

明石書店さんの「家庭と地域でできる自閉症とアスペルガー症候群の子どもへの視覚的支援」ですが,田中先生じゃなくて,門眞一郎先生でした……
orz
勘違いです。すいません。
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難しいとこですが (ぽちこ)
2007-02-15 07:52:14
>やっぱ,医者はすごい!

うぬぬ,難しいところです。
もちろん田中先生は臨床家として尊敬出来る方とお見受けしますが,それはお医者だからではない気がします。

でも「医者」という職業にはできることがいっぱいある。

ただ,地域やコミュニティを意識されている医師は己が職業の持つ権威性を意識せざるを得ないことが多く,でも確かにこれって医師だからこそできるのよね,ということも多々あって,何ともアンビバレントな状況なのではないでしょうか。
その辺の困惑感は青木先生の「僕のこころを病名で呼ばないで」という本に書かれているようないないような。
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実際問題として (psy-pub)
2007-02-15 19:36:33
ぽちこ様

どんも。コメント,ありがとうございます。

医師という職業に法的に相当な権限が与えられていることは事実ですね。「拘束」とかもできるわけですし。

ただ,それとは別に,行政の中枢に医師免許を持つ方がいて,診察や治療だけでない仕事をされている,というところが,今回のネタのポイントであったりします。

でもって,そういう権限があるからこそ,「地域支援」という発想が生まれるのではないかと,逆に思うのであります。

タマゴが先か,ニワトリが先か,というような話ですが。。

まとまりのない話ですまんです。
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