プルサーマルと佐賀県の100年を考える会

玄海原発で進むプルサーマル計画。計画実施でおこりうる100年間の事態を明らかにし、計画中止を目指す会。

6)■わたしたちにできること

2007年03月05日 | プルサーマルのこと
■わたしたちにできること


もっと色んな情報を、そして意志を示そう
 古川康・佐賀県知事は、2006年3月26日の「プルサーマル計画」の事前了解に先立ち、2月7日にプルサーマルは安全だと言う見解を発表しました。
 それ以後、1万を越える県民たちによる反対署名が寄せられ、同年3月19日に佐賀県庁はプルサーマル計画の中止を求める市民の人間の鎖によって取り囲まれました。しかしながら、知事は直接この問題で県民と話し合いをしようとはしませんでした。そのため、事前了解が発表された日には、県庁にたくさんの県民が抗議に集まりました。
 更に、県民は「プルサーマル・大事なことは住民投票で決めよう佐賀県民の会」を立ち上げ、4万9609名の署名を添えてプルサーマル県民投票条例設定の直接請求をしました。しかし、佐賀県議会は、県民の意思を直接聞く必要はないとして、2007年2月2日賛成少数としてこれを否決しました。


プルサーマル受け入れは見直しを
 私たちはこの結果に納得できません。プルサーマル計画に対して私たちが感じている不安や疑問に何ら答えていないからです。このまま2010年にプルサーマル計画が実施されてしまうのを唯々諾々と受け入れるわけにはいきません。
 重大な事故があれば、ウランだけを燃料としてるこれまでと違って、多数の死傷者を出し、佐賀県全体が居住不可能になる可能性があり、また、仮に事故がなくても、次の世代に放射能汚染の恐怖と財政負担と言う大きな負の遺産を押し付けることになります。こうしたことがもっと広く知られれば、必ずプルサーマル計画は見直されると信じています。


つくろう。私たちの佐賀県
 私たち「プルサーマルと佐賀県の100年を考える会」は、県民投票を求めた多くの県民の思いをしっかりと受け止め、諦めずに、佐賀県の100年を見据えてプルサーマル計画をもっともっと議論し、待ったをかけるべき様々な活動を、あるいはそれに替わる提案を行ってまいります。わたしたちは今、スタートラインに立ちました。100年後の佐賀をつくのは私たち県民です。これから、着実な一歩を踏み出しましょう。

5)■本当に必要なの?

2007年03月05日 | プルサーマルのこと
■本当に必要なの?


プルサーマル発電は必要ですか?

 日本は資源の乏しい国です。石油は限られた資源なので、火力発電ではなくプルサーマルにしなくてはならない、と言うのが国・電力会社の言い分です。
 ウランも限られた資源ですが、プルサーマルを行っても採掘寿命の85年が10年ていど延びるだけです。プルサーマルはリサイクルと言われていますが、使用済みウラン燃料から再利用されるのは全体の1%のプルトニウムだけです。しかも、その工程(再処理)には莫大なお金がかかり、放射能汚染を生じます。
 リサイクルしてMOX燃料を作るより、新たなウラン燃料を購入すれば経済的で汚染も少なくて済みます。


本当に必要なのは、自然エネルギーへの転換です。
 税金を使うべき所は自然エネルギー関連予算です。現在、日本では「不安定な風力発電は安定供給を乱す」として、電力会社が風力発電に買い取り制限枠を設けているため、風力発電は伸び悩んでいます。
 太陽光発電はどうでしょう。日本で作られた太陽光パネルが全て国内に設置されていれば、年間23億KWhの電力を発電できた筈です。しかし日本では、電力会社が太陽光で作られた電気を安く買い叩くため、太陽光パネルの2/3は海外へ輸出されています。
 あと、100年も継続できない原子力よりも持続可能な自然エネルギーの開発・普及が何よりも大切なことだと思います。

4)■他の国では?

2007年03月05日 | プルサーマルのこと
■他の国では?


ヨーロッパでプルサーマル発電が行われているそうですね?
 電力会社が主張するように、ヨーロッパではプルサーマル発電が行われています。最も実績があるのはフランスとドイツです。
 しかしドイツでは2002年、新原子力法を定め、2005年よりプルサーマルの前提となる再処理工場への燃料搬出を中止しました。一方で2020年までに自然エネルギーを電力需要の20%に拡大すると言う目標を掲げ、自然エネルギーへの転換を進めています。2006年1月には既に目標を超え、25%に達すると言う報告を提出しました。
 フランスでもプルサーマル発電を行っていますが、玄海原子力発電所で計画されているものに比べ小さい規模のものです。MOX燃料のプルトニウムの濃度も、玄海原発で予定されているものの2文の1です。しかも、すべて90万KW級の原発に限られています。
 玄海原発の今回の計画で使われる3号機は、118万KWです。このように大きな規模での発電は、フランスでは許可されていません。MOX燃料のプルトニウムの濃度も非常に高く、それだけに危険も大きくなります。

3)玄海原発でのプルサーマル実施について

2007年03月05日 | プルサーマルのこと
■佐賀県の玄海原発でプルサーマル計画が実施されることについて

佐賀県だけの問題?
 もし玄海原発で事故が起きたとしたら。被害は佐賀県だけでは済みません。チェルノブイリの事故を思い出してください。玄海でチェルノブイリ級の事故が起こると、九州全域で居住不可能になります。
 また、MOX燃料は、玄界灘を海上輸送されますが、輸送時のテロや、事故の可能性もあります。
 使い終わったMOX燃料は運び出す先も決まっていません。放射能を帯びた使用済みMOX燃料が、どんどん玄海町に溜まり続けるのです。国は、「処理方法は2010年頃から考える」と言っていますが、これで国が安全を保障していると言えるのでしょうか。


これだけの予算をかける価値があると思いますか?
 大量の放射能で環境汚染を引き起こす“再処理”には、19兆円と言う莫大な費用がかかります。プルサーマルの燃料は、通常原発で使用するウラン燃料の約10倍のコストがかかります。
 更に、使用済みのMOX燃料については、処理方法も確立されていないために、処理費用も公開されていません。処理した後も、半永久的に管理しないといけないので、これらの費用が何兆円かかるか想像もつきません。 これらの全ての費用は、私たちが払う税金と電気代で賄われることになります。

  
よその県ではどうなの?
 福島県・新潟県・福井県は一旦プルサーマル計画の受け入れを事前了承しましたが、すべて住民・知事が反対の意思表明をして、白紙撤回または凍結をしています。

2)まずプルサーマル入門

2007年03月05日 | プルサーマルのこと
■まず「ぷるさーまる」入門


そもそもプルサーマル計画って?
 原子炉で使い終わったウラン燃料を再処理してプルトニウムを取り出し、ウランと混ぜて新しい燃料(MOX燃料)を作り、原子炉で燃やすことです。


国や電力会社は安全って言っているけど・・
 ウランだけの燃料のために設計された原子炉で、MOX(モックス)燃料を燃やすことは、大変に危険が伴います。今回、玄海原子力発電所で行われようとしている計画は、世界中で前例のない規模のものです。ある意味危険な実験とも言えることが行われようとしています。


でも、資源のリサイクルだからいいんじゃない?
 電力会社は、「ウラン燃料の95%はリサイクルできる」と言っていますが、理論的にはそうでも、実際には放射能が強く、コストが高いことから現実には1%のプルトニウムしか再利用できません。


それにクリーンエネルギーでしょう?
 再処理工場(青森県六ヶ所村で試験稼動中)でプルトニウムを取り出す時に、周辺の海や大気に大量の放射性物質を排出します。放射能が垂れ流しの状態をクリーンと言えるでしょうか?

1)私たちはこう考えます。

2007年03月05日 | プルサーマルのこと
「プルサーマル計画」、わたしたちはこう考えます。

 2006年3月26日、古川知事は、九州電力玄海原子力発電3号機での「プルサーマル計画」について、「県民の理解は得られた」「安全です」「環境のため、暮らしのため」として事前了解しました。
 でも、わたしたちは違う見解を持っています。