マンションでも戸建てでも、コンクリートが使われます。コンクリートの弟分でモルタルというのがあります。コンクリートは、セメント、水、砂そして砂利を混ぜたもので、モルタルは、セメント、水、砂です。砂利が入っていれば、コンクリートと呼ばれます。通常、コンクリートは鉄筋と組み合わせて使われます。組み合わせて使う理由は、コンクリートは圧縮には強いけど、引っ張られた場合には極めて弱いからです。コンクリートの圧縮強度は300kg/cm2以上なのですが、引っ張られた場合には、その1/10程しか耐えられません。一方、鉄筋は引っ張られた場合、4000kg/cm2以上の強度を持っています。
建物は、ピアノなどの上からと地震時などのように横からの荷重を受けます。そうすると、押されたり、引っ張られたりします。押された場合はコンクリートが、引っ張られた場合は鉄筋が抵抗します。これがコンクリートと鉄筋を組み合わせて使う理由です。鉄筋は非常に強い材料なのですが大きな欠点もあります。それは錆びてしまうことです。錆びては困るので、アルカリ性であるコンクリートで被覆します。
コンクリートは水で練って使われます。セメントの硬化に必要な水の量はセメントの重量の20%程(これを水セメント比と呼びます)です。でも、これでは粘土のように硬くて、鉄筋の間に流し込めないので、水セメントは50~60%になります。そうすると硬化に必要のない水分は蒸発しますので、コンクリートの容積は減少します。この容積の減少分が一部ひび割れとなって現れてきます。従い、コンクリートにひび割れは起きてしまうものなのですが、問題は、ひび割れにによって中に水が入り、鉄筋を錆びさせることです。
コンクリートのひび割れは宿命的なものなのですが、そのひび割れが建物の致命的なものとなってはなりません。構造的に影響を及ぼすひび割れ幅は0.4mm以上と言われています。目に見えて、シャープペンシルの鉛筆の先は0.5mmですから、先が入るようであれば問題となります。ただ、0.4mm以下でも、はっきりと見えて、気になるようであれば、売主に言って補修してもらうべきです。
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