今回は私の大好きなミニマル・オブ・ミニマル、
ライヒの「
ピアノフェーズ」(又は「
マリンバフェーズ」)をご紹介します。
超有名なため「解説なんて要るか!」「何を今さら」って人もいるでしょうが、やっぱり一度はやっときたいのでお付き合い下さい♪
この曲と同じくライヒの「
木片のための音楽」は、ミニマル音楽の基本中の基本と言っていいでしょう。
単純なメロディを繰り返しながら少しずつ変化を加えるだけで、全く違った音響が聞こえてくる。さすがです♪
そして、こんな単純なパターンで美しい曲をやられちゃったら他の人はもう「やられた」とのたうち回るしかないです。
この手の現代音楽は「やったもん勝ち」(笑)
この曲は2人の奏者がピアノ2台かマリンバ2台で演奏します。演奏する楽器で曲名が変わりますが、内容は変わりません。
2台の楽器は向かい合って演奏します。こんな感じ。
そして、第1奏者がまず最初の主題を演奏します。こんな感じです。
midiファイル
midiファイルのリンクをクリックすれば、たいがいの人はメディアプレーヤーが起動して聞くことが出来ます。
midiファイルはボリュームが小さいかもしれませんのでご注意下さい。が、最初からデカくするのも危険です(どっちだっつーの
)
第1奏者はこの主題をひたすらくり返します。
上の譜面ではこの主題を1つおきに色分けしてあります。
これを見ると分かりますが、この主題は「E(ミ)-H(シ)-D(レ)」という白鍵のグループと「Fis(ファ#)-Cis(ド#)」という黒鍵のグループの2つが組み合わさっていることが分かります。
マリンバでやる時は右手で黒玉、左手で赤玉を演奏することになります(逆でもいいですが、おそらくこの方がやりやすいです)。
第2奏者はしばらくすると同じ主題を演奏しながら加わります。そして
ここからがピアノフェーズの醍醐味!
第2奏者は少~し速度を速めて第1奏者の演奏からズレを生じさせます。
こんな感じ。左スピーカーが第1奏者、右が第2奏者です(以降同様)。
パターン1前半(midiファイル)
2つ目のmidiファイルが終わった時点でちょうど第2奏者と第1奏者のズレが音符半分になります。2人が互い違いに演奏している状態ですね。
ここの状態が大好きなんです♪音のズレにより微妙に反響しているような状態になります。
気持ちいい~~っ♪(笑)
ここからさらに進むと、2人のズレは音符1つ分になります。こんな感じです。
パターン1後半(midiファイル)
これを第2奏者がひとまわりしてまた第1奏者の音符と重なるまで続けます。
こうやって2人の演奏の「
位相(フェーズ)」が少しずつ回転していくので、「
ピアノフェーズ」という曲名が付けられています。
また、2つの音をこうやって極端に左右に分けると、音の重なり方によって聞こえてくる位置(
位相)も変わりますよね。
個人的な好みとしては、2人のタイミングがズレている期間が長ければ長いほど気持ちよくなります(笑)
あとはある程度のテンポが必要ですね。あまりテンポが遅いとトリップできません(笑)
そして、意識してテンポを数えるのではなく響きに身を任せてなぁ~~んも考えずに聞くのがポイントですね
それがライヒのミニマル音楽の基本です!
では上の演奏の続きを最短コースでお聞き下さい。
人によっては「音に酔う(気分が悪くなる)」ことがあるかも?
パターン1残り連続(midiファイル)
こうやってひと回りすると、次は主題が変わります。今度は4拍子です。
midiファイル
2つの音のグループの組み合わせは変わりませんが、黒玉グループは音を出す順番がちょっと変わります。
これも1周したら次は2拍子。これが最後のパターンです。
midiファイル
最後だけ音の組み合わせが変わります。これは特に2グループには分かれないので色分けはしてません。
これも同じように1周したら曲は終わります。
パターンが変わるごとに変化の周期も短くなるので、だんだんアッチェレランドしているような効果もあります。
ほぉら
分かりやすかったでしょ?(そう? (゜_゜;)
興味出てきちゃったでしょ??(そ、そう? (゜_゜;;)
実際は上のサンプルよりもっと長い時間をかけて変化していくので、もっと長い時間気持ちよ~くなることが出来ますよ♪
そんな訳で、気になった方はこちらをどうぞ。
かなりハイテンポで気が狂いそうな(苦笑)ピアノ・フェーズです。
| ライヒ:振り子の音楽
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マリンバフェーズが聴きたい方はこちらを。
実は音響的にはマリンバの方が不思議な空間を作り出すので好きなのですが、これはちょっとテンポが遅めなので…。
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ライヒ:2台のマリンバのための「ピアノ・フェーズ」
加古隆:ホロスコープ
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というわけで、ピアノフェーズの気持ちよさが少しでも伝わったでしょうか?
自己満足に終わってたりして(苦笑)。まぁいいや(ぇ
次は「
木片のための音楽」もやろうかなぁ。
でもあれ、クラベスに音程付けなきゃなんないから面倒だね。期待せずにお待ち下さい(笑)