縺れる記憶

 

わたしが眠っているうちに

一体　何が起きているの

 

傾く舟が波頭をかきわけながら

雲を吹き寄せ

風を巻き起こし

地を揺らし　

鉄を錆びさせ　

草を腐らせ　

光りを粉々に散らしている　月のたわみ。

 

邪気のない深い森の中で

器用に生きたいウミガラスは願う

 

あなたは私を良く知っているが

私はあなたを　全く知らない　

 

気まぐれに鳴らす電子音が繋ぎ止めた

朽ちてゆく黄昏時の朱い宙

 

解けぬ輪廻の日々の痕跡

もつれたままの亜麻色の髪

 

旱魃のサバンナの為に泣いているキリンが

今日は私の為に泣いている