神々の黄昏 ―Gotterdammerung―

日常の出来事や、ちょっとした物事の考察を書いていくブログ

トヨタのF1走行イベントへ行ってきた(後)

2008-10-04 | 日常の出来事
集合時間になったので、俺は指定された観覧エリアへ向かった。
イベントの開始まではまだ45分もあるが、主催者が45分前に集まれというのだから仕方ない。


お台場
会場はこんな感じで人がぎっしりだった。会場に入れずに、離れたところからフェンス越しに観てた人もけっこういた。


それにしてもいい天気になった。
きれいな青空が広がっていた。
それは良いことなのだが、観覧エリアに日陰がまったくないのだ。
45分間も直射日光の下で待たなくちゃならない…。
トヨタさん、それはないっしょ…と言いたい気分だ。

俺は一人で来てたし、あいにく暇つぶしになるようなグッズを持ち合わせてなかったので、仕方がない、体育座りで顔を伏せて寝てることにした。
(と言っても暑くて寝られなかったけど)

待つこと45分。
スピーカーからイベントの開始を告げるアナウンスが流された。
ここでサプライズが。
なんと進行役がフジテレビの塩原恒夫アナウンサー、解説が森脇基恭氏だった!
さすがフジテレビ、演出がこってるなぁ。
二人のやりとりを聞いてると、まるで今からここでF1お台場グランプリが始まるかのようでワクワクしてしまった。

最初にFTが走行した。
FTは、たしか解説で「1.6リッターで180馬力」とか言ってたな。
エンジン音は、改造したスポーツカーくらいの大きさの音だったので納得した。

次にF3が走った。
おっ、今度はなかなかいい音が出てる。
グォーーンとエンジン音を響かせ、目の前を軽快に駆けていくF3マシン。
マシンスペックはわからないが、F1未満であるにせよ、FTよりははるかに高出力のエンジンを積んでそうだ。

そして、いよいよF1の番になった。
先にマシンをドライブするのは小林可夢偉。
小林は、まずは慣らし運転とばかりに、アクセルをふかし気味にしながらゆっくりと走りすぎていった。
ふかし気味だから、ムダに馬鹿でかい爆音が鳴り響く。
すかさず森脇さんが「可夢偉うるさいよ!」とつっこみを入れていた(笑)

ちなみに、俺がいた観覧エリアは直線コースの端の辺りだったので、マシンが加速し始めるところと、減速したところしか観られない。
スピードに乗ったマシンが観られないと思うとちょっと残念。

しかし、向こうから駆けてきた小林のマシンがこっちに近づき、俺がいる辺りでシフトダウンする音が聞こえたときはうれしかった。
そのときのドッパーーン!!という破裂音は、これぞまさしくF1の音だと思った。
まるで耳元でクラッカーを鳴らされたかのような凄まじい破裂音。
鼓膜がビリビリきた。
周りの人もたまらず顔をゆがませていた。

小林は、こんどは本気の加速で楽しませてくれた。
俺がいる30メートルくらい後ろから加速を始める小林のマシン。
その加速の速さが凄い!
グオーーン、ブオーーン、ブフォーーンと、あっという間にシフトアップし、甲高いエキゾーストノートになっていく。

さすがに、俺のいる辺りを通過していくときのスピードはあまり速くなかったけど、それでも加速していくマシンの迫力に圧倒されてしまった。
なにかマシン全体からメラメラとオーラがみなぎっているかのようだった。
マンガチックな例えだけど、ほんとに異次元の加速としか言いようがないのだ。


小林可夢偉
こっちに近づいてきたと思ったら…


小林可夢偉
加速して、爆音とともにあっという間に走り過ぎていく小林のマシン!
速すぎてピントが合わなかった。


走行後にマシンを降りた小林は、森脇さんから「何速までシフトアップしたの?」と聞かれ、「6速まで上げました」と答えていた。

絶句した。
長さ200メートル足らずの直線コースで6速まで上げてしまうとは…。
おそらく最速220km/h程度は出ていたんじゃないだろうか、6速であれば。
恐ろしいまでの加速の速さだな…。

小林の後はグロックが同じように走った。
グロックもサービス精神たっぷりに、急加速、急減速を楽しませてくれた。


ティモ・グロック
減速するグロックのマシン
シャッターを切るのがわずかに遅かった。ピントも合ってない。俺のコンパクトデジカメでは速い被写体を撮るのが難しい…。

走行後に感想を聞かれたグロックは、「コースがバンピーで、先週のシンガポールに似た路面状態だったよ。でも問題なく走れたよ」と答え場内の笑いを誘っていた。


ティモ・グロック
走り終えた後のグロックと小林を、人の頭越しに撮影。人が多すぎて前のほうに近づけなかった。


いやー、めちゃめちゃ楽しいイベントだった!
来る前は、「狭い敷地でやるイベントだし、たいしてスピード出してくれないだろうから、あまり迫力ないかもなぁ」と思っていたが、いやいやまったく見当違いだった。
これほどまでF1の迫力を体感できるとは予想外だった。
森脇さんも言ってたけど、目の前のわずか数メートル先をマシンが駆け抜けていくからこそ、F1の凄さをダイレクトに味わえるんだろうな。
サーキットで観戦するのとは違った魅力があったと思う。

来週の日本グランプリが楽しみになってきた!

トヨタのF1走行イベントへ行ってきた(前)

2008-10-04 | 日常の出来事
きょうは、トヨタのイベント「DREAM DRIVE DREAM LIVE」を観にお台場へ行ってきた。
お目当てはもちろんF1の走行イベントだ。
ティモ・グロックと小林可夢偉がTF107に乗って駆け抜ける。

会場へ到着し、入場パスをもらった俺は、まずはパドックウォークを楽しんだ。
F1走行イベントのスタートまでは時間があるからだ。


スープラ
カストロールトムススープラ
JGTC(全日本GT選手権)の1997年チャンピオンカー


TS010
カシオトヨタTS010
ルマン24時間レースの1992年準優勝車


セリカ
カストロールセリカGT-FOUR
WRCの1993・1994年総合優勝車
あのJ.カンクネンがドライブしていたのはこのクルマだったんだなぁ。懐かしい思いがした。


F3
フォーミュラトヨタ(手前)、F3(奥)
FT→F3とカテゴリーが上がるにつれ、デザインがF1へ近づいていくのがわかりおもしろい。


TF107
TF107
2007年型のマシン。リアウイングの形状などが今年のTF108とは異なっている。カラーリングはこっちのTF107のほうがかっこいいと思う、俺的には。カウルを外した状態のマシンはなかなか見られないのでラッキーだった。

このマシンがこれから爆走してくれるのか。
楽しみになってきた。

(後編へ続く)

驚いた店内アナウンス

2008-10-01 | 日常の出来事
きのうコープへ買い物に行ったら、こんな店内アナウンスが流れた。

「きょうも景気の悪いなかコープへご来店いただき、誠にありがとうございます」

俺はハッとした。
ずいぶんあからさまな物言いするなぁと驚いた。
――そりゃー今は景気悪くなってきてるけど、俺たちは必要なモノがあるからここに来てるんだぜ。買い物してるときくらい不景気を思い出させないでくれよ――

しかし、その一瞬の後に我に返った。
どうやら俺の聞き間違いだったらしい。

「きょうも景気の悪いなか…」じゃなく、「きょうも天気の悪いなか…」が正解だったようだ(笑)

いかんいかん、マスコミの不景気報道を毎日見てたら、いつの間にかおかしな連想ぐせが付いてしまってたみたいだ。
気をつけなくては。

『ひなちゃんの日常』に異議あり!

2008-09-21 | 日常の出来事
産経新聞に連載中のマンガ『ひなちゃんの日常』。
俺は産経を購入したとき、このマンガに必ずといっていいほど目を通す。

主人公のひなちゃんは3歳くらいだろうか?
以前、金太郎のような前掛けを身につけていたシーンがあったから、おそらくそのくらいの歳であろう。
ひなちゃん目線で描かれる日常の些細な出来事がおもしろいのだ。
思わず「ははっ」と笑ってしまう。

読んだことがある人ならわかると思うが、このひなちゃんはただの子供じゃない。
なぜならば、3歳児なのに敬語で話すのだ。
パパだろうがママだろうが友達だろうが、誰に対しても。どんなときでも。
なんというませたガキだろう!(笑)

まぁそんなの声高に指摘してもしょうがないのは、もちろんわかってる。
ひなちゃんが敬語で話すのはマンガの演出みたいなものだしね。

敬語で話す件はべつにどうでもいい。
ただ、ひなちゃんがしゃべる内容、これにはときどき異議を唱えたくなるときがある。
なんというか、妙に大人びたことを言うときがあるのだ。

きのうの掲載分なんかも、おばあちゃんが真っ赤に咲いた彼岸花を見て、花が咲いたころ亡くなったお母さんを思い出し感傷に浸っているのだが、そのおばあちゃんに向かってひなちゃんが、「ママがいなくなってつらかったでしょう。おばあちゃんはがんばりましたね」なんて語りかけるのだ。

3歳児が言うことか!?
俺はすごく違和感を覚えてしまった。

ひなちゃんくらいの歳の子供は本来なら思考力は発達段階にあるのだから、死を身近なものとして考えられず、「ママがいなくなったの? ママがいなくなってどうしたの?」と聞くくらいが関の山であろう。
「つらかったでしょう。がんばりましたね」と労うなんてどこの世界の3歳児なんだ、と思ってしまう。

こういう大人びた子供が登場するマンガといったら、他にも心当たりがないだろうか。
そう、『クレヨンしんちゃん』である。

『クレしん』の主人公のしんちゃんはませたことを言って大人をからかい、一方のひなちゃんはませたことを言って大人を癒す。
つまるところ、この2つのマンガの方向性は同じだと俺は思うのだ。
作者が引き出すオチが正反対なだけで。

ひなちゃんに話を戻すと、やっぱり子供は子供らしく振る舞ってほしいなぁと俺は思う。
大人の心情なんてちっともわからなくていいからさ。
無邪気な言葉でパパやママたちを困らせるひなちゃんのほうが俺は好きだなー。

魔笛

2008-09-19 | 日常の出来事
きのう、モーツァルトの《魔笛》をひさしぶりに聴いた。
ありふれた感想ではあるけど、やっぱりモーツァルトのオペラは楽しいと思った。

その旋律美にはあらためて驚嘆させられた。
聴いてると瞬時にトリップしてしまう音楽。
モーツァルトが死を目前にしていたからこそ、あのような、浮遊感のある神秘的な音楽が作れたのではないだろうか。
まさに"あの世の音楽"である。

もちろんモーツァルト自身は《魔笛》を作曲中、自分が今年かぎりの命だなんて夢にも想像していなかっただろう。
しかし、たとえモーツァルトが自らの死期が近いのを悟っていなかったとしても、《魔笛》の音楽に現世離れした異様な雰囲気が漂っていることはたしかだ。
理由は俺にもわからない。
表現芸術である音楽とは作曲家の魂の揺らぎが自然と表れるものなのかもしれない。

俺が《魔笛》を気軽に聴く気にはなれない理由は、その異様さにある。
《魔笛》を聴いてると、自分をどこかに連れ去られそうな気がしてしまうときがあるのだ。
逆に言えば、《フィガロ》にはそういう恐れがないから気軽に音楽に浸っていることができる。

俺はまだ、《魔笛》を飲み込めていないのだろう。
きっとそうだ。
俺が《魔笛》の得体の知れなさを解明できるのはいつのことか…。