ぴぴぽんの「世の中を斬ってみる」 - 中国韓国の国家犯罪を暴く

世の中や自分の身の回りで起こった出来事を、主観と偏見で切り刻む所です。
(犯罪国家中国・韓国がメイン)

とても怖い健康食品のお話 - アミグダリン編

2008-03-02 | その他
※注意※
当ブログのガイドラインを必ず初めにご覧ください。


アミグダリン(Amygdalin)化学式:C20H27NO11

という物質をご存知でしょうか。青酸配糖体(O-グリコシドの中でシアノヒドリンをアグリコンとするもの)の一種で、バラ科サクラ属の植物(梅、桃、枇杷、杏、アーモンドなど)の未熟な果実や仁、葉、樹皮などに含まれています。「青酸」という言葉が出てきたことから察しがつくと思いますが、胃中の酵素により加水分解されることで、人体にとって猛毒の青酸(シアン化水素、HCN)を発生させる、とてもとても恐ろしい物質なのです。

さてこのアミグダリン。猛毒物質を発生するため権威ある(要は信頼できる)研究機関からは、その危険性が叫ばれているわけですが、こともあろうに「癌(がん)を治す」「ビタミンB17で体に良い」「アミグダリンの欠乏症が癌」などと謳い、健康食品として販売している業者がいるというのだから驚きです。

アミグダリンは、βグルコシダーゼという動物の体内に普通に存在する酵素によって加水分解され、ベンズアルデヒドと青酸に分離します。どこぞのサイトでは「βグルコシダーゼはガン細胞の周辺だけに限り存在し、正常細胞にはほとんど含まれない」とかしていますが、信頼できる文献等は見つかりません。何にせよ、βグルコシダーゼは動物の体内に普通に存在する酵素だそうなので、癌細胞のみ攻撃するどころか、正常細胞まで攻撃し死に至らしめるものであると考えるのが正解であると思われます。(死亡例もあることから、ほぼ嘘だと思われるわけです)

検索サイトなどで「アミグダリン 癌」とか「ビタミンB17」とか入れると、健康食品として販売している業者のサイトがわんさか引っかかりますが、こういった通販サイトの謳い文句、果たして信頼できる情報なのでしょうか?


まず「癌の治療」効果について。

「アミグダリンから発生する青酸が、癌細胞だけを攻撃し死滅させる」といった謳い文句が多く見られます。が、そのメカニズムについて信頼できる情報源を挙げている通販サイトは全く見受けられません。

怪しい博士が出てくる典型的なパターンや、科学界で認められていない怪しい研究結果を掲載したり、どこぞの怪しいバイブル本からおいしい情報を抜き出しただけのものだったり、果ては正常な細胞を保護するなどと称するロータネーゼとかいう聞いたこともないような意味不明な物質が語られたりと、まあ色々とパターンがあるわけです。当然こんな情報は科学的根拠もクソもありませんので鵜呑みにしてはいけません。

アメリカ国立癌研究所によれば、
「アミグダリン(レートリル)はがんの治療、改善および安定化、関連症状の改善や延命に対しいずれも効果がなく、むしろ青酸中毒をおこす危険性があるという結論を出している。」
とのことで、わが国の国立健康・栄養研究所もこちらの見解を採用しています。そりゃそうだ。怪しいバイブル本の情報なんかよりよほど信頼できます。

癌に対する治療効果は皆無だそうですので、アミグダリンで癌を治そうなどとは思わないことです。治ったとしても、プラセボ効果の可能性が大なので、決して他人に薦めてはなりません。


次に、「アミグダリンはビタミンB17」という説について。

アミグダリンはビタミンの仲間ではありません。なぜなら「生体の代謝に必須な栄養素ではなく、また欠乏症も報告されていないためビタミンの定義には該当しないため」(国立健康・栄養研究所より)だからです。

にもかかわらず、なぜ「アミグダリンはビタミンB17で、欠乏症が癌」という説がまかり通っているかと言うと、過去にアミグダリンはビタミンB17とされていたことがあったからです。これに前述の癌に対する効用(当然根拠なし)を組み合わせて、それっぽく語っているに過ぎないわけです。

アミグダリンはビタミンではないのですから、アミグダリンをビタミンであると称して販売すると景品表示法違反で逮捕される可能性が高いと言えるでしょう。健康食品販売業者の上手い言葉には絶対に騙されてはいけません。


あと、やたらとアミグダリンの含有量の多さを謳う業者が多数見受けられます。例えば「ビワの種には葉の1000~2000倍のアミグダリンが含まれている」といった感じです(ちなみに60倍とする業者もいます)。

アミグダリンから発生する青酸は60mgが致死量です。その量に行き着く前に中毒症状が表れます。つまり、過度に摂取すると死ぬ恐れさえある猛毒なのです。にもかかわらず、なにゆえ含有量の高さを売り文句にするのか理解不能です。

アミグダリンの含有濃度は一体どれほどなのかの具体的数値はほとんどの業者が明らかにしていませんが、おそらく中毒症状が表れることはあっても致死量にまでは届かないレベルかとは思います。が、確実に致死量のある猛毒ですので、安易に含有量の多さを謳わないでいただきたいですね。客を殺してでも金が入ればそれでいいとでも思っているのでしょうか?恐怖ですね。


ついでに、アミグダリンの中毒症状を列挙しますと、
「悪心、嘔吐、頭痛、目まい、血中酸素の低下による皮膚の青白、肝障害、異常な低血圧、眼瞼下垂、神経障害による歩行困難、発熱、意識混濁、昏睡、死亡」
などがあるそうです。

アミグダリンを摂取して上記のような症状が出た場合、中毒しているということをしっかり理解しましょう。決して癌などの回復経過の一時的な症状の類とは思わないように。(まあ、死んだら中毒していると認識することもできませんし、後悔のしようもないですが)


とまあ、アミグダリンの毒性やインチキ情報について触れてきたわけですが、アミグダリンには全く医療的効果が無いのかと言われるとそういうわけでもなさそうです。国立健康・栄養研究所によれば、
「アンズやモモの仁は、生薬の材料(杏仁<キョウニン>、桃仁<トウニン>)でもあり、アミグダリンを薬効成分として経口で去痰・鎮咳などの用途に利用されている。また正常な皮膚に塗布すると局所麻酔(かゆみを止めるなど)の作用がある。」
とのことです。が、しかしそのような効能を目的とした場合であったとしても、個人で健康食品業者からアミグダリン製品を購入すべきではありません。前述のように、アミグダリンは猛毒を発生するため、場合によっては命の危険に関わるからです。国立健康・栄養研究所は「必ず医療従事者の監督の元に利用する必要がある」と警告していますので、医者の監督があってから初めて利用するようにしましょう。なお、重ねて書きますが、癌には全く効き目はありませんので、医療従事者の判断を仰いでも無駄です。


ということで、アミグダリンの恐ろしさが解っていただけたでしょうか?その毒性もかなり恐ろしいのですが、何よりも恐ろしいのは健康食品販売業者の謳い文句です。それっぽいこと(疑似科学的なこと)を書いて宣伝しているサイトもありますし、本当にガンで悩んでいる方にとっては、コロッと騙されてしまうことでしょうが、アミグダリンは猛毒であるということを肝に銘じておきましょう。

アミグダリンは癌に効かず、ビタミンでもない。

話題の食品成分の科学情報(アミグダリン) - 国立健康・栄養研究所
健康食品の安全性・有効性情報(アミグダリン) - 国立健康・栄養研究所




「ぴぴぽん」を応援してくださる方、よろしくです!

『アミグダリンは毒。気をつけませう』と思う方はこちらをクリック
人気blogランキング

最新の画像もっと見る