浄土寺 浄土堂(国宝)でございます。
この浄土寺の作り方『寺院建設 大仏様(天竺様)』は、日本で奈良の東大寺南大門と浄土寺浄土堂の二つしか存在せず、堂としてなら浄土堂しか存在しないことになる。
円柱から何本も突き出ている挿肘木、木鼻、天井を張らずに化粧屋根裏を高いところまで見せている雄大さなど、訪れた際は是非ご覧になって頂きたい。
写真は堂西側にある蔀戸。
ここから差し込む西陽が化粧屋根裏につかえんばかりの阿修羅三尊像を西方極楽浄土よりの来迎の姿として浮かび上がらせる。
寺の人が教えてくれた、『南無阿弥陀仏』と描かれたいる瓦。
薬師堂や開山堂などの鬼瓦なども目を向けてご覧になっていただきたい。
薬師堂は浄土堂と同形同大の建物になっているが、再建の再に天竺様の建て方をしているが、浄土堂ほどの純粋性がなく、和様や唐様の手法を混じているのが惜しまれるとのこと。
大和の東大寺に鎮守の手向山八幡宮があるように、浄土寺にも八幡宮『八幡神社拝殿・本殿』がある。
その他にも鐘楼(写真)や不動堂、収蔵、経蔵などがある。
不動堂の横から『八十八箇所うつし』という30分程のハイキングコースもある。
次回は回ってみようと思っている。
浄土堂内は撮影禁止のため、寺の人に伺うと4枚入った写真があるとのことで購入した。
写真はその内の一つです。
阿修羅如来像は5.3m(立像8.30m)、雲形の台座に立たれ朱色の屋根裏いっぱいまでの重量感がある。
夏の西陽が射し込み、浮かび上がるように見えた時を想像するだけで息を呑む。
その光景を一目見ようと、横浜から3度訪れたが全て天候が悪く、何度でもチャレンジしますという人もいると寺の人は言っていた。(少し切ない話だが...)
浄土寺を訪れた経緯などいろんな話をさせて頂いた。
阿修羅如来像の上げる手が反対であることや、横から御覧になってみなさいと教えていただいたり、一度出て写真を撮った後に帰ろうとする僕を追いかけて下さり『今、陽が差し込んでるからもう一回入る?』と再び案内してくれたり、とても親切にして頂いた。
阿修羅如来三尊像にも感動したが、人の優しさや温かさにも触れることができた。
兵庫県にこれほど素晴らしい場所があったのに訪れなかったことを悔いもしたが、水仙から始まった一連の人や興味という連鎖により、ここに辿り着けたことを幸せに思う。
夏の西陽に浮かび上がる阿修羅三尊像を見たとき、自分は何を思い、感じるのかが楽しみだ。
私が大切なものを失いそうになったとき、ここを訪れてしまうだろう。
極楽山 浄土寺
住所:小野市浄谷町2094
歓喜院 TEL: (0794)62-4318
宝持院 TEL: (0794)62-2651
拝観料:500円
拝観時間:4月~9月 9時~12時 13時~17時
10月~3月 9時~12時 13時~16時
備考:浄土堂に寺の方がおられない場合は案内に従い、寺の方に拝観する旨をお伝え下さい。
夏はタオルと飲み物は持ってきなさいねとお寺の方より。
その日限りなら、拝観時に頂くパンフレットを持っていれば何度でも開けて下さるそうです。
小野市には『ひまわりの丘公園』もありますので、併せて訪れても良いかもしれません。