日曜日、あの日からちょうど一年という節目の日でしたが、なんとか無事に通過しました。
「通過した」などと書くとおかしい気もしますが、個人的には早く過ぎ去って欲しくもあり、来て欲しくない日でもあったから。
そして震災後に起こった様々な出来事のひとまずの区切りの日だと感じていたから。
でも、まだこれは長い道のりの中での単なる「一里塚」でしかなく、この先にもいろんな事がありそうです。
先週末(特に10日の土曜日)は、今まで経験をしたことが無いような空気が流れていましたね。
愛島の仮設住宅にお邪魔しても、閖上に住んでいた親戚に会っても、参列した幾つかの一周忌の場でも、なんだか複雑な空気感でした。
「例えがおかしいかもしれないが、なんだか昔の大晦日みたいだよ」ってとある方が言っていましたが、なんとなく判る気がします。
私は少し気が抜けたのかここ数日は体調がすこぶる悪くて、肉体的な疲れもですが、それ以上に今になって精神的に辛くなってきてます。
もしかしたら、ようやくこの震災を現実のものとして受け止めはじめたのかもしれません。
閖上の復興に関わる様々な話が飛び交ってわけが判らない状況です。
少し疲れているせいか、もう不毛な話は聞きたくも話したくもないのですが、一応こんな案です。
日本経済新聞:津波は対抗せずやり過ごせ 名取市・閖上の箱舟構想
この時期にこんな馬鹿げた話をしているなんて、呆れて言葉もないです。
特に、「スカイビレッジ」なんて話は一体どこから出た話なんですか??
確かに、昨年の早い段階に「閖上ルネッサンス」なる計画が出ており「スカイビレッジ」にちょっと近いイメージ図を見た事はありましたが、その後この手の案は消えたものと思って安心していたのですが。
もしかしたら、3/11前後にマスコミが多数震災関連の報道をするのを見越して、狙ったように出てきたのかもしれません。
(だとしたらなおのこと許せない。特にテレビ東京でのこの一件の報道はショックでした。)
結局、この案は建築家やデザイナーの自己満足であり、こんなのは閖上の人間は望んでいません。
実際、かなりの方々が激怒しております。
「こんなことが本当に計画されるなら、徹底的に戦う」って。
どうしても作りたいなら、立案した方々の住む街や自分の故郷、そしてゼネコンなどのある首都圏で思う存分何個でも作ったらいいのに。
閖上を実験の場にされたくないし、好き勝手にはさせない!
「天空の城ラピュタ」なんて言っているが、私には「バベルの塔」にしか見えない。
街をデザインするのが仕事なのは判りますが、住民不在でこんなものを作る方はデザインする資格もないのでは?
(追記:これは[ペーパーアーキテクト]なんですかね?ジョン・ヘイダックなどのような思想とか意図などはこのイメージ図からは一切感じられないな)
私の尊敬する人物に、アメリカの建築家でフランク・ロイド・ライトという方がいますが、彼の設計した建築物は、住む人の個性や生活を尊重し自然との調和を基にした素晴らしいものを残しています。
きっとこの「スカイビレッジ」なる構想を「建築家」「デザイナー」を名乗る団体が計画しているって知ったら、嘆くんだろうな。
(フランク・ロイド・ライトの有名な言葉から)
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我々自身の建築というのは、
我々自身の好みで、我々のものである何かを指すのではなく、
我々がその事についての知識を持っている何かである。
良い建物を構成する要素が何であるかを知った時に、
そして良い建物を構成する要素が何であるかを知った時に、
そして、良い建物は決して景観を破壊するものでなく、
かえって景色を建物が建つ以前よりも美しくするものであるという事を
知った時に、始めて我々はそれを手にするのである。
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あなたが本当にそうだと信じることは、 常に起こります。
そして、信念がそれを起こさせるのです。
医者は自分のミスを闇に葬ることができるが、
建築家は依頼者に、
ツタ科の植物を植えるように勧めることしかできない。
敷地に特徴となる自然があるのであれば、
住宅が敷地から成長しているかのようにし、
環境と呼応するように形づくりなさい。
そのような自然がない場合は、
自然が機会を与えられた場合に
どうなるであろうかを想定して、
できるだけ静かに、本質的で、有機的にしなさい。
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本日は、全く別のこと(このブログのタイトルの意味について)を書こうとしていたのですが、それは日を改めて書きますね。
The Times They Are A-Changin' - Bob Dylan
追伸:
なんだかここ数日はまたもや大きめの余震が増えてきました。
みなさん、お気をつけてお過ごしください。