フランスに揺られながら DANS LE HAMAC DE FRANCE

フランス的なものから呼び覚まされることを観察するブログ

J'OBSERVE DONC JE SUIS

バルテュスの世界に遊ぶ JOUER DANS L'UNIVERS DE BALTHUS

2006-07-23 23:20:49 | 出会い

数日前、何を思ったかバルテュスの世界を味わいたくなり、奥様の本を注文していた。彼の画集は何冊か持っているのだが、別の視点で見たいと思ったのかもしれない。

節子・クロソフスカ・ド・ローラ 「グランシャレ 夢の刻
バルテュスの優雅な生活

以前に彼女の 「見る美 聞く美 思う美」 を休日に電車の中で読んだことがある。馴れ初めのところ (50代と20歳の出会い) や息子を亡くすところの話が印象に残っている。それと美しい落ち着きに溢れた姿と心が充実していることを想像させる彼女の表情が気に入ったことも大きい。

どういうわけか、今回も電車の中での出会いとなった。全体の印象は前回と変わりはない。ただ、バルテュスの作品と生活の断面が美しい写真で残されていて、より具体的な想像が可能になっている。それにしても彼の世界は時間が凍りついたように見えたり、永遠の世界 (時間) が切り取られているように見えたりする。その静謐な印象が気に入っている。また彼の大きな生き方にも共振するものがある。

この本には最近触れたマルク・フュマロリさんが子供時代をすごしたモロッコのフェズ Fès のことも出てくる。

「フェズはユネスコで世界文化遺産に指定されている古都。」

「この街は容易にその本性を表示しない神秘的なところとされ、その本体に入り得るには、目に見えるようで見えない神聖の門を潜らなければならないと伝えられています。スフィ派教徒間では、この地を尊び、聖所と呼んで、何世紀もの間、政治と有智人の首都、文化と知性の交流と出会いの地点として栄えたのでした。」

「シルウェステル二世は若いときフェズに学び、アラビア数で数年を過ごしコーランを学びました。ユダヤ教徒の哲学者マイモニデスもこの地で数年を過ごしコーランを学びました。そしてこのことは、ユダヤ教と回教が共存でき得る証でもあります。」

フェズはいずれ訪れてみたい街のひとつになりつつある。

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シルウェステル二世 (フランス人初の教皇、在位999-1003年)
マイモニデス (30 mars 1135 - 13 décembre 1204)

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