「科学に真剣に取り組んだ人は皆、科学を通じて、世界の法則性の中に人間的なものを遥かに越えた精神がはっきり表れているという確信で満たされるようになります。そのような精神と向かい合ったら、ささやかな力の私たちはへりくだらなければなりません。
このように科学の研究は、特殊な宗教的感情へと通じていますが、とはいえそれはもっと素朴な人々の信仰心とは本質的に異なっています。
人間が経験できる最も美しく深遠なものは神秘的な感情です。それは宗教同様、芸術や科学におけるあらゆる深みのある探求の基礎にもなっています。これを経験しなかった人は、私には死人とまではいわずとも、盲人のように思われます。」
(私語) 今読んでいる « Dieu et la Science (神と科学) » の冒頭には、ルイ・パスツールの次の言葉が引用されていた。
« Un peu de science éloigne de Dieu, mais beaucoup y ramène. »
(少しだけ科学をやっただけでは神から遠ざかる、しかし打ち込むと神に近づく。)
「存在するものとその法則性には、卓越した精神がはっきりと現れています。私の考えでは、この思いに満たされた状態が本当の宗教性なのです。不滅なものと私が見なすのは、あくまでスピノザの言う意味においてのみの存在であり、スピノザの言う意味で、存在の『属性』である思惟と延長であって、個々の事物ではありません。
ただ要するに言えるのは、私はスピノザとほとんど同じ意見であり、確信を持った決定論者として、一神教的な考え方にはなじめない、ということです。」
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アインシュタイン・ドキュメント「私は神のパズルを解きたい」(哲学書房、1992)から