昨日今日とお昼の散策時に古本を一瞬で一冊ずつ手に入れる。いずれも箱入りで、200円也。
一つは、マリアンヌ・アルコフォラード、佐藤春夫訳 「ぽるとがるぶみ」 (人文書院) 昭和24年初版、昭和57年重版 (1700円)
ポルトガル尼僧から不実の恋人に宛てられた愛の書簡。スタンダールは恋愛に4つのタイプをあげたが、その一番目、情熱恋愛の代表例としたもの。最近、古い活字を見るとなぜか気持ちがよくなる。その帯には堀辰雄のコメントがある。
「あの葡萄牙尼の苦しげな手紙 ―― そんな昔の不幸な恋人たちの残していつた手紙・・・・・わたしは殆ど身から離さない位にしてまで読みふけつてゐるのです。」
中に四葉のクローバーの押し花が入っているのを見つける。嬉しくなる。
もう一つは、内田魯庵著 「文学者となる法」 明治27年 (30銭)
文学者になるためのアドバイスを聞こうという気など全くないのだが、ちょっと明治の人の声を聞いてみたいと思ったのだろう。意外にその守備範囲は広そうだ。こういう本は、閑を見て読み進むという読み方ではなく、固まった時間のある週末などにゆっくりとページを捲りたい部類に入るだろう。
こんなにお安く時間を飛び越えることができるのである。新しい本が霞んで見える。
「ぽるとがる文」(57年版)を自宅の改築時に家具とともに日通に預け、そのままどこかへ隠れてしまったんです。大事な記念のモンブランの万年筆もなくなりました。以来どこかでこの愛読書がないかと探してきたのですが、神保町?で。京都の古書店でも駄目だったんですが。いいなあ。
「マジソン郡の橋」のヒロインの”いやらしさ”を尼僧と比較して書いたこともあるんですよ。「ジェーン・エア」のヒロインに匹敵する女の「清らかな情念」を描く書と思っています。
娘が阪大ロースクールで、刑事実務を教えています。ポールさんをウオッチせよ
先ほども書いてる最中に画面が暗くなり、その上送信済みになりました。済みません。娘にはいかすフランス人見つけたらポールさんと思えと言います。仏文から4回生で法学部に変わった、親に似合わぬ変人です。
2日にPC業者が来てくれます。