パリに来て3週間が経過した。最初の1-2週間は興奮状態で、相当に歩いている。3週目は少し疲れも出てきたのか、今までであれば歩いていたところもメトロを利用するようになってきた。レジダンスの前のいつも買い物をする店の親爺も私の顔を見るとニコニコして話しかけるようになっている。ブログを読み直してみたが、結構いろいろなことをしてきたようだ。とにかく1ヶ月である。日本に帰ってから少しは深めてみたいと思えるものの種を蒔いておくくらいしかできないだろう。残りの1週間もできるだけいろいろなものに触れておきたい。
先週、同じ職場で働いているBが日本語の文字について質問を浴びせてきた。見え方の違うのがあるがどう違うのか(カタカナ、ひらかな、漢字)、また日本語は文字に意味が込められていると聞いていたがどうなのかと。そこで、われわれのセクションにいる人の prénom を漢字に直してみた。漢字の選択に私の先入観もあるのかもしれないが、出来上がった名前はその人の特徴(一部なのだろうが)をよく表しているのに気付き驚いた。彼らもそう思ったらしく、メールで回した途端に大きな反応があった。午前中は別のセクションで働き、午後にわれわれのセクションに来ている秘書のSはすぐにメールを送ってくれた。
MERCI beaucoup, c'est vraiment super !!
Sは以前から午前中働いている隣のビルに一度来ないかと誘ってくれていた。今日行ってみて、彼女が誘ってくれていた意味がわかったような気がした。私が来ているところは、すべてフランス人で比較的少人数、広い仕事場を各人がゆったり使っている。今日行ったところは、chef が在仏20年近いアメリカ人女性で、働いている人もイギリス人、イタリア人、ドイツ人、中国人、それからブラジルで生まれパリ在住30年という日系の女性など多彩。人も多く、横を向けば隣の人の肘が当たるという狭さであった。フランスでもこれだけの違いがありますよ、というところを私に見せたかったのではないだろうか。ただSはどちらかというと、このごった煮の状態が気に入っているようだったが。彼らとも一度に食事に行かないかと、ありがたいことまで言ってくれた。
フランスでは、アメリカほどではないが、責任者に外国人を積極的に採用するようになっているようである。現に私のいるところの各セクションを束ねているのはアメリカ人(奥さんはフランス人とのことだが)で、他にもセクションのトップにポルトガル人、イタリア人、アメリカ人など多彩である。この方式の方がうまく行っているので、追随するところが増えているとのことであった。日本にもこういう cosmopolite な環境があれば、難しいこともあるだろうが働いてみたい気もする。ただ、ヨーロッパの中の国でさえ文化が違い大変とのこと、日本に来た場合の彼らの負担を考えると実現には相当の時間がかかりそうだ。