今週は二日間に亘って大学で講義をした。一日に三コマ (一コマ90分)。普段大きな声でこれだけの間お話をすることがないので、最後の方にはふらふらしてきた。修行が足りないですね、と言われる訳である。しかし、白いキャンバスのような若い人たちと話をしていると、こちらの頭の中が意外と先入観に凝り固まっていることに気付いたり、本当の理由はよくわかっていないことが多いことを再認識させられたりと、頭の中にそよ風が吹いたような清々しさを覚えた。
その帰りに、本屋に寄ると入り口に並べられていた足立則夫著 「遅咲きのひと」 に目が行き、読んでみることにした。年とともに透明に、鋭く、しかも円やかになっていくことは、嬉しいこと。「高齢と Activité」 というのは私のテーマの一つにもなっている。いろいろな人にあやかりたいという思いでもあったのか。一つ一つのエピソードが短いので、何かのついでに目を通すことができる。参考になるお話が出てくるだろうか。期待したい。