サン・テグジュペリ (Antoine de Saint-Exupéry; 29 juin 1900, Lyon - 31 juillet 1944 disparu en vol) の目でフランス、スペインの空を飛ぶという衛星放送の番組に行き当たった。その顔立ちのはっきりした景色を見ているうちに、心の奥に焼きついている風景が浮かび上がってきた。すべて北アメリカの大陸を車で移動している間に溜まっていたものだ。移動が長くなると、いつも自分がどこにいるのかわからなくなる。その風景の中に完全に溶け込んでしまうかのようだ。今思い返せば、アメリカにいたこともこの地球と一体になっていたような不思議な感覚が襲う。
この番組の素晴らしい映像をただただ見て楽しむ。見ているうちに、いずれこの目でこれらの土地を見て歩きたいという衝動が芽生えてくるのを感じる。この地球を見ているとなぜか切ない思いが込み上げる。この押し寄せる揺らぎは何んなのだろうか。
« On ne voit bien qu'avec le coeur. L'essentiel est invisible pour les yeux. »
「本当のことは目に見えない、心で見なければ見えないのだよ」
と、「星の王子さま」 の中で言っているという。彼の作品は何一つ読んだことはない。しかし、やっと彼の境地を少し分かりかけているかのようである。
以前から興味があった北アフリカのマグレブ Maghreb が見える。その中に入って匂いを嗅ぎ、空気を感じ、土地の人と触れてみたいという願望を確認した。そこは彼が 「星の王子さま」 の着想を得たところだということを知る。
« On n'est jamais content là où on est. »
「自分のいるところには決して満足しない。」
« C'est l'esprit qui mène le monde et non l'intelligence. »
「世界を動かすのは知性ではなく心だ。」
« Ce qui importe, ce n'est pas d'arriver, mais d'aller vers. »
「重要なことは目的地に着くことではなく、そこに向かうことだ。」
« Dans la vie il n'y a pas de solutions ; il y a des forces en marche : il faut les créer et les solutions suivent. »
「人生に答はない。あるのは前に進む力だけだ。その力を生み出すのだ。そうすれば答は後からついてくる。」
以前ジャック・ブレルの言葉を軽い気持ちで引用した時に、大人になることと責任について厳しいコメントをもらったことを思い出しました。
http://paulailleurs.blogspot.com/2006/05/tre-vieux-sans-tre-adulte.html