フランスに揺られながら DANS LE HAMAC DE FRANCE

フランス的なものから呼び覚まされることを観察するブログ

J'OBSERVE DONC JE SUIS

権力なき秩序 L'ORDRE SANS LE POUVOIR

2007-06-09 13:53:13 | 哲学

一月ほど前に知った Pierre Proudhon (15 janvier 1809 - 19 janvier 1865) の以下の言葉が、今も鳴り響いている。

  « L'anarchie, c'est l'ordre sans le pouvoir. »

これまでの仕事の中で私が無意識のうちに取っていた方針のようなもの、あるいは一つの理想と見ていたのが、この « L'ordre sans le pouvoir » で言い表されていると感じたからだろうか。私の考え方の中に anarchisite の要素があるのだろうか。個人の自由を大切なものと考えている点では確かに共通するところはあるだろう。先日読んだ浅羽通明著アナーキズム ― 名著でたどる日本思想入門」 の中に、次のようなことが書かれてあった。

アナーキズムが至上の価値をおく 「自由な個人」 について、マックス・シュティルナー Max Stirner (Bayreuth, 25 octobre 1806 - Berlin, 26 juin 1856) が哲学的考察を加えている。彼はそれを、「移ろいゆく自我」「自我を解体する自我」「思考と行為の全体性が絶えざる若返りを続ける人間」 と捉えていたという。それは、サルトルの 「脱自」 (どこまでもたゆまず自己を刷新してゆくダイナミックな自我) と表現していたものに近い。また、ベルグソンの自我観もシュティルナーと近いという。以前にその言葉に反応したことのある埴谷雄高は、万人が芸術家であるような世の中をアナーキズムの理想と重ねていたようだ。


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(10 juin 2007)
Wiki にある Max Stirner の引用の中に、次の文を見つける。

"Pour Moi il n'y a rien au dessus de Moi"
(私の場合、私の上には何もない)

これを読んだ時、友人との食事のシーンを思い出していた。
2006-03-05 運命論者にして反逆者 FATALISTE ET ANARCHISTE

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