フランスに揺られながら DANS LE HAMAC DE FRANCE

フランス的なものから呼び覚まされることを観察するブログ

J'OBSERVE DONC JE SUIS

高齢 - Activite (I)

2005-03-31 19:20:46 | 年齢とヴィヴァシテ

50 歳を過ぎた頃からだろうか、高年齢でアクティブな人に目がいくようになってきた。自分もそうありたいということだろう。90 歳になるというジャン・ピエール・ヴェルナン (JEAN-PIERRE VERNANT) の記事を最近読もうと思ったのも、彼がどういう人生を歩んできたのかに興味が湧いたためだった。同業者の中にも、90 歳、100 歳まで現役の人がいた。そこまでとはいわないが、あと10-15 年は仕事をしたいものである。

以前に生け花作家中川幸夫のドキュメンタリーを見たことがある。彼が 38 歳で奥さん 49歳 (子供3人を嫁ぎ先に置いて出たという) の時、一緒になったらしい。現在 86 歳?。昭和 59 年奥さんを 77 歳で亡くす。6 年前からアルツハイマーの症状。彼の写真集を撮った写真家が今でも面倒を見ている。早坂曉の [華日記―昭和生け花戦国史」に彼の話も出ている。最初は流派に属していたらしいが、6 年くらいで飛び出し、それ以来一人。孤独に中で花に耳を傾けながら創作を続けてきたと言う。それ以前にも彼を紹介する番組を見たが、心の持ち方として自分にも取り入れたいところがある。

彼岸花は生けてはいけない花だそうだが、彼は頻繁に生けている。燃えるような赤。鶏頭の花、かっこ悪い、田舎くさい、若さがない、そういうものは駄目だという。86 歳にして、年齢を感じさせない。むしろ、「年齢を重ねるに従って、益々自在になってきている」と早坂暁は言う。奥さんが置いてきた次女(72 歳)が彼の展覧会を見に来ていた。「何とか生きてきたということを示すようなささやかな仕事ができたように思います。実を言えばこれからという人生かもしれない。どうでしょうか?」

翻って自分を見れば、これから先何もなければ 86 歳まであと4半世紀以上ある。新しい人間に生まれ変われる長さである。中川が言うように、これからが面白いのかもしれない。

« Ce qui m'importe, c'est l'éternelle vivacité, et non pas la vie éternelle » (Friedrich Wilhelm Nietzsche, 1844-1900)
(「重要なのは、永遠の生ではなく、永遠の活力である」 - フリードリッヒ・ヴィルヘルム・ニーチェ)

ただ、永遠のヴィヴァシテを活かすためには、それなりの仕掛けが必要になりそうだ。

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