フランスに揺られながら DANS LE HAMAC DE FRANCE

フランス的なものから呼び覚まされることを観察するブログ

J'OBSERVE DONC JE SUIS

角田光代

2005-06-01 21:02:16 | 日本の作家

先日のお昼の遊歩の時、角田光代の最新本 「いつも旅のなか」が目に入った。

角田は直木賞作家とのことだが、知ったきっかけは少し前にどこかのテレビ番組で、わたしたちは本当は何も持っていない旅人なのだ、持っていると思って生きているだけなのだ、というようなことを話しているのを聞いた時だ。社会の枠組みをはずしたところで人生を見ようとしている、彼女の旅人の感覚に共振したようだ。タイトルは、よく旅に出る、という意味なのだろうが、彼女の考えを酌めば、人生を旅のようなものとして生きている、とも受け取れる。以前にも目に付いてはいたのだが、買うところまで行かなかった。しかし、サイン本が2冊だけ残っていますという言葉につられて買ってしまった。

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と、今朝書いておいて、お昼に読み始めた。全部読んでいないが、なかなか感じるものが出てこない。呼び覚まされるものがないのだ。本人は旅というよりは旅行をしている。日本の現実を常に頭において。本気で旅の空に出て、その自分から出てくるものなどが語られているのかと思ったが、やや落胆といったところ。語られているのかもしれないが、入ってこなかった。

人生を旅のようなものとして生きている、というようなお話かと期待したが、よく旅に出るという旅行エッセイであった。ネットで調べると「肩の凝らない文学的雑誌」に創刊号から書いていたもののようなので、そうならざるをえなかったのか。あるいは彼女の語る話題がわかる読者ではなかったというだけの話なのかもしれない。

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