こんばんは。今日は、検討中だった汎用ネットワークボード(DCP-NB001)についてのお知らせです。既に商品コンセプトは以前のエントリーでちょっと書きましたのでご存じの方も多いかと思いますが、このボードは2way用ネットワーク基板としてかなり汎用性の高い設計となっています。
具体的には、ウーファー、トゥイーター共に-6dB/oct.、-12dB/oct.、-18dB/oct.の3パターンで使用可能で、トゥイーター部にはアッテネーターがシリーズ、パラレル両方入っていますので、インピーダンスを合わせての使用が可能です。
またウーファー、トゥイーター共にクロス近辺の肩特性を調整できるようダンプ抵抗も入れられますので、クロス近辺の微調整も非常に楽になっています。スピーカーケーブル接続部も、直付け用のパターン以外にネジ式ターミナル(ハモニカ端子)も付けていますので太いケーブルをお使いの方にも対応しています。
出荷状態では写真のように5本のショートバー(φ1.2のOFC線使用)が挿入されており、ウーファー、トゥイーター共に-6dB/octの一番シンプルな設定となっていますが、このショートバーを必要に応じて取ることにより、上記のいろいろな回路設定が可能です。なおこのショートバーは、外すことを容易にするために出荷時には挿入されているだけなので、使用時は半田付けをする必要があります。回路図は、こんな感じになってます。(実際の基板ではレイアウト上の都合でR4とコンデンサーの位置が逆になっています。)
まぁ更に汎用性をあげるためには、他にもいろいろやりたいことがあったのですが、やればやるほど基板が大きくなり、コストもどんどん上がってしまうので、いろいろ考えた結果今回の仕様が一番使い勝手とコストのバランスが取れているだろうとの結論で商品化を決めました。正直、今回のものも図面で検討していた時はあまり感じなかったのですが、いざ出来上がったサンプルを見ると第一印象は「うわぁ、デカッ!」という感じで、これ以上のサイズ(240 x 120)ではちょっと使うシステム(BOX)に制限がかかり過ぎるかなぁとの印象を持ちました。上の写真で、コアキシャル用のネットワークとのサイズの違いがお分かりになるかと思います。
写真を見てお分かりのように、当然のことながらコイルはPARC Audioの純正コイルにジャストサイズになるようになっています。トゥイーター用のコイルについては、PARC純正で空芯タイプを商品化するかどうかちょっと悩みましたが、空芯タイプは既に各社からいろんなものが出ているので今回は見送りました。まぁ個人的にはトゥイーター用で珪素鋼板タイプを使うことも十分有りとも思っているのですが・・・。
コンデンサーについては、ウーファー部はPARC純正の電解コンデンサーを推奨していますが、実は今回ちょっとチョンボをしてPARCの電解の場合少し足を無理して大股開きして付ける感じになります。PARCの電解をお使いの方、ごめんなさい。でもちゃんと付きますので・・・。(^^;
トゥイーター部は、コアキシャル用ネットワークで採用していたPARC Audioオリジナルのフィルムコンデンサーに合わせています。このフィルムコンデンサーについては後日案内させていただきますが、近日中に発売予定です。フィルムコンデンサーは競合モデルが非常に多いので商売的には結構大変なのですが、電解タイプに続きPARC Audioのサウンドポリシーを実現したものなので期待していてくださいね。価格も割とお求めやすいクラスだと思います。
それと言い忘れていましたが、コンデンサー部は定数調整がやりやすいようにそれぞれ2個付けられるようにしています。芸が細かいでしょ。この辺も実際に使っていただくと、その便利さが実感していただけると思いますよ。
抵抗については、当面は市販のものを使っていただこうと思います。本来なら無誘導タイプでPARC Audioオリジナルのものを出したいのですが、コストを含め現状いいものが見つかっていないので、またいいものがあれば商品化を検討したいと思います。
さて最後に肝心の価格ですが、標準定価がちょっと半端ではありますが2,330円(税込み)ということで、実売では何とか2,000円を切れるのではと思います。2wayに挑戦される方は、是非是非一度お試しください。なお初回品は輸送の都合で30個となりますが、近いうちに店頭にも並ぶのではと思います。
ちなみに販売店の方にサンプルをお見せした時の反応は、これは結構売れるのではとの好印象でした。今まで電解やコイルではあまり前評判が良くなかったので、なんかうれしくなっちゃいましたね。この子たちがこれからどのような活躍をしてくれるのか本当に楽しみです。では今日はこの辺で。
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実は貴社のPPコーンを使って2wayのシステムを製作予定です。まだ本格的な視聴をしていませんので、変更の可能性がありますが。
今回は機会に恵まれたので大型機器を使用して、エンクロージャーをフルアルミで製作予定です。ただ、どんな響きになるか全く予想がつかないので、一種の賭けになりそうですw
ちなみにサイズ的な問題でV=10L、φ=4.5cm L=15cmほどのポートを使用予定です。ツイーターは現在かなり迷っています。一応、WFの特性を利用して、10kHzからリボンを使う予定です。
長文失礼いたしました。
2wayやりたくなってきた...。
18dbはまだ使ったことないです。
>これは地味ながら便利ですね。
はい私もそう思います。(笑)
自分がいざネットワークをいじろうとすると、意外に使えるものが市販品になく、困ったことから商品化を考えました。使っていただければ、たぶんその便利さはお分かりいただけると思います。
>一応、WFの特性を利用して、10kHzからリボンを使う予定です。
あくまで私見ではありますが、せっかくPPコーンを使われるのであれば、トゥイーターにキャラクターの強いリボンを選ばれるのはちょっともったいないような印象を受けます。市販のリボンは、いかにもトゥイーターが鳴ってるぞ的なものが多いですから・・・。PARCを使えとは言いませんが、ソフトドーム系のもう少しキャラクターの素直な方が相性がよろしいかと思います。もうじき、PARCからも新しい仲間が増えますが・・・。おっと、この話はまた次回に。
>2wayやりたくなってきた...。
是非是非お試しを・・・。
>テストするだけなら、半田付けはいらないのでしょうか?
半田付けが基本となります。定数固定前の素調整で半田をやりたくない場合は、パターンにミノムシクリップ付のケーブルを付けて調整を行うという方法もありますね。
>>トゥイーターにキャラクターの強いリボンを選ばれるのはちょっともったいないような印象を受けます。
やはりリボンは個性が強いですか。リボンの空気感自体は好きなので、ウルトラハイにして間にソフトドームをかませて3wayに…は資金的に無理か(苦笑
もう少し悩んでみます。
>>もうじき、PARCからも新しい仲間が増えますが・・・。
これは気になりますね。
楽しみにしております。
>やはりリボンは個性が強いですか。
市販のリボンでウルトラハイとしての使用を前提に設計されているモデルはないように思います。GSU-UH1は例外中の例外です。もともと通常のトゥイーター用として設計されているモデルでは低い周波数を再生できるよう振動系も厚いものを使う必要があり、いくらクロスを高くしてもやはり素性は隠せないと思います。ウルトラハイという概念がもう少しメジャーになれば、そのようなモデルも増えてくると思いますが、現状では商売的に難しいでしょうね。プロの評論家でさえチンチン鳴ってる方が個性があって良いなどと言われる方もいますので・・・。
またまた新しいお子様の門出、おめでとうございます。それにしても、よくこのお値段でがんばりましたねぇ。ひょっとしてこれなら、二段重ねで3wayなんて使い方も出てくるのでは……とするとシステム屋さんも使いやすいのかな、などと素人考えながら思っています。
それにしても、6dB、12dB、18dBとは豪華ですね。ユニット側から見たときに時定数をもつ素子が入るのをどうしたものか、考えあぐねていたのですが、この汎用ボードでとりあえずどうぞ、という感じになりそうです。むろん、18dBとなると素子代も馬鹿にならなくなりますからなかなかたいへんですが。