Paraiso Bookshelf

友だちに、こんな本がよかったよとお知らせできるようにブログを始めましたが、途中で普通の日常報告&旅メモと化しています。

これはすごい。

2011年02月06日 | 本棚(エッセイ・実用)
『ひとりでは生きられないのも芸のうち』
内田樹
文春文庫
★★★★

最近の私にとっての目からウロコ本、といえば内田先生。
この本、まだ途中なんだけど、なんだかすげぇー!(感心して少しバカになっている)

少し、残しておきたいので、引用をメモっておきます。

寝屋川の小学校の事件(保護者が学校の管理責任を非難した)、
南海電鉄にヘリコプターが墜落した事件(責任をとれ、と南海電鉄につめよる乗客)、
社会保険庁の年金不祥事(年金不振を煽るメディア)に関連して。↓↓
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 これらのふるまいには共通するものがあります。おわかりになりますか。
 それは「公的なもの」は盤石であるから、いくら批判してもかまわないし、むしろ無慈悲な批判にさらされることで「公的なもの」はますます強固で効率的なものに改善されるであろうという楽観です。
 私は正直言って、この「楽観」の根拠がわからないのです。
 どうして、そんなに気楽に構えていられるのか、もしかすると、この方々は「公的なもの」を支えてくれる専門家がどこかにいて、その人に宛てて改善要求をしているつもりでいるのかも知れません。
 申し上げておきますけれど、そんな人、どこにもいませんよ。

(中略)

 制度を崩壊させた当の原因であるこの「無根拠な楽観」を、ひたすら批判の言葉を言い募ることで再生産していることにこの「楽観的な人々」は気づいているのでしょうか。

(中略)

 冷静になって考えるとおわかりいただけると思いますが、私たちの社会のさまざまなシステムを機能不全に陥らせているのは、この「ちゃんと仕事をしてくれる人がどこかにいるはずだ」という無根拠な楽観です。
 「誰かがちゃんとシステムを管理してくれているはずだ(だから、私はやらなくてもいい)という当事者意識の欠如がこの「楽観」をもたらし、それがシステムの構造的な破綻を呼び寄せています。
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引用してたら止まらなくなってきた。

 最近、漠然と考えることがある。
 会社がつぶれても、私は失業保険とかもらわずに、しばらくは貯金がなくなってもいいから、すぐに働こう。
 ちゃんと働ける人は、がんばって稼いで、消費して、社会保険を使わず、税金払いっぱなしでも、がんばっていこうよ、って思ったりする。
 そうやってがんばっても、お役人のエラい人(おーい)は、税金を無駄遣いするかもしれないし、
 働けるのに、社会保障を無駄遣いする人もいるかもしれない。
 でも、どうしてもそれが必要な人がいるんだから、それでもいいんじゃないか。
 そう思って稼ぐ人がいくらかいないとがいないと、社会や会社や家庭って、生きていけないんじゃないかなあ。
 稼ぐだけじゃなくて、ボランティアや社会貢献で、何かを返していく人もいるだろう。

 で、この本では、そういう人が「オーバーアチーバー」で、5人に一人がオーバーアチーブすれば、システムは維持されるはずだ、ってことが書いてある。

 うーん、続きもしっかり読もう。



2 コメント

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Unknown (「兄」)
2011-02-23 21:36:49
本棚を読んで、やっとこの本を手に取ることができました。

いまニヤニヤしながらページを繰っています(笑)
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Unknown (YUKO)
2011-02-25 16:46:15
確かにニヤニヤされる内容かもしれない。。。オーバーアチーブする人になりたいんですね、私、きっと。「兄」さんはしてますか?
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