パエ-リャ

木製カトラリ-

縦糸の張り方 - part 2

2015-01-17 16:55:13 | Weblog
まず、以下の動画を見て欲しい。




この動画は私を文字通り驚愕させた。正直、この織り機のアイデアと縦糸の張り方は三つの点で革命的だ。ただ、総合的にみると問題はある。それは、このままでは織り機の縦方向の長さ以上の織が出来ない点だ。でも、優れた点を最初に見て見よう。

1. 縦糸の選択的上下のために穴を使わないので縦糸の設定が簡単で短時間で済む
2. 縦糸の奥と手前側で一本ごとに縦糸を結ぶ必要がない
3. 上記の2に関連して、それぞれの縦糸の張力が自動的に(理論的には)同一になる

問題点は:

1. 織れる布の長さが限られている


優れた点の第一は本当に革命的だ。間違いなく特許が取得されているだろう。人類は恐らく直近の1000年以上は穴と溝を使った縦糸の上下の仕組みから踏み出す事が出来なかっただろう。最大の理由は穴と溝のアイデア自体が、それ以前の奴隷による手作業に変更を考えるには勿体ないほど直感的に優れているし、変更する差し迫った理由も見つからなかったためだと思う。

穴と溝の問題は縦糸の数が穴と溝の合計した数だけ別々に必要で、糸通しを使って一本一本通さなければならないのに、この織り機では1本の長い縦糸を使うだけだからだ。本当に革命的だと思う。

2番目の利点も特筆ものだ。伝統的な織り機では縦糸の4本ずつをひとまとめにして糸巻き側、布巻側の両方で結ばなければならない。結ぶ数だけでも相当なものだ。然も、隣通しの縦糸の張力を同一にするのは非常に難しい。この織り機では一本の同一の縦糸を要所要所に引っ掛けるだけで済んでしまう。これも本当に革命的だ。

3番目の利点も、理論的には本当に革命的だ。織りにあたって文字通り死活的に重要なのは縦糸の張力を全ての部分で一定にする事だが、この織り機の場合、糸の折り返しの部分での抵抗がゼロであれば、理論的には縦糸の全ての部分で張力が自動的に一定になるからだ。実際には、折り返しの部分での抵抗は折り返しの数だけわずかでも積算されるので、一番左側と、一番右側の糸ではかなりの差が出るように思われる。

ただ、これも折り返しの部分をテフロンで加工すれば問題はなくなる。現状では単一の糸を使う事が逆に災いして、個別の張力の調整が出来ない。

次に、問題点を考えてみよう。この織り機には巻き取り用のロ-ラ-が付いていないので織れる布の長さは織り機の奥行寸法以上を越えられない。つまりランチョンマット程度の布しか織れない。マフラ-等を織れないのだ。

それを解決しようとして奥と手前にロ-ラ-を導入すると、上記の革命的な利点の全てが同時に消え去ってしまう。とても残念な点だ。

この稿は既に長いので、これで終了するが、私の織り機も上記の問題点を全て解決する別の革命的なものなので画像を多用して別途アップする。

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