99円には乗せたものの、100円の壁が堅固である。
これで良いのだと思う。そう簡単に100円の大台に乗れば、
あとは次の壁を目指して、突っ走ることになりそうだ。
日銀の新たな金融緩和政策は、まだスタートしたばかり。
ジョージ・ソロスのチャートを引っ張り出すまでもなく、
相場は一気に持ち上げるよりも、根がために時間を掛けた方が
下値が確りと固まる。
昨日メガバンクの一行がやってきたが、安倍政策を精査すれば、
115円までは間違いなく、円の対ドル相場は行くから、そう簡単
には売らないと宣言しておいた。
日中間のトゲみたいな状況になっている、尖閣列島周辺の海。
台湾との間に、漁業協定を結び、台湾漁船の操業を認める
ことにしたと発表。
北京は当然、また文句を言うだろうが、領有権と漁業を行う
ことの認可は別次元のこと。
安倍内閣ならでは、台湾を日本側に引き寄せる案は出てこない。
アメリカとの間で、当然この案件は話合われているものと思う。
今朝の日経朝刊一面の見出し記事である。
調査対象は大手企業104社だけの、社長・頭取クラス。
およそ二割が社債の発行を望んでいるとある。
日本に存在する会社の数は、40万とも50万とも。
その全部といって良いのが、社債発行なんて「夢物語」の面々。
こんな調査が、朝刊一面を飾ることだろうか。
円安傾向を受けても、金融機関は、本当に資金を求める中小
零細企業への貸し出しは考えない。
利回りのみを考えて、日本国債から外債に、或は欧州銀行が持つ
米国債券の肩代わりに動く。
生保だけで余裕資金は300兆円。その資金が外国の債券に向う。
国内の会社の圧倒多数を占める、中小・零細企業には、何時資金
の流れが来るのだろう。
日経夕刊の五面に「十字路」とうコラムがある。
昨夜のコラムは、M商事の執行役員が書いていた。
商社マンの視点からの記事で、当を得た分析と同感を
覚えたから、ここに紹介し、あわせて解説を試みる。
そもそもBRICsとは何ぞや。およそ十年前にゴールドマン・
サックススが、言い出した当時の新興国の頭文字を並べた
もので、当初は4ヶ国、すなわち伯露印中の経済成長を予測
しての命名であった。
そこへ南アを加えての、五ヶ国を指すが、国家主席に選出された
ばかりの習近平が、モスコーを訪ねた後に南アのダーバンに足を
伸ばし、五カ国の首脳が集って、「連携の儀式」を行った。
実際には五ヶ国の、お家の事情がみな異なり、それぞれの成長
にも陰りが見えてきて、経済同盟を締結するには無理がある。
中国の経済成長には、明らかな停滞があり、しかも統計の数字
自体が信用できない。
ロシアも天然資源に恵まれて好調であったが、ここにきて米国の
シェールガスの登場により、基盤が脆弱化している。
インドの成長率も減速し、今年は2%に届かない。
そもそも五ヶ国を束ねる、何物かが無い。共通の神が存在しない。
BRICsは、単なる五ヶ国の連携無き呼称に過ぎないのではないか。
経済成長が見込めるのは、むしろASEAN10ヶ国である。
東南アジアの地域連合でもあり、「海洋強国」を看板に、南太平洋に
君臨しようとする中国のへの、合従連衡の色彩もある。
すでに日本の輸出先として、ASEANは中国を抜いた。
ただ日本のGDPに占める輸出の比率は、落ちてきている。
何も悪い事ではない。日本には輸出に頼る必要が薄れる程に、内需
拡大が見込まれるのである。大いに喜ぶべきことである。
TPPで輸出拡大をと狙っているのはアメリカの方で、日本の経済成長
は内需の拡大で充分まかなえる。それも十年、二十年の長期にわたる。