作家 小林真一のブログ パパゲーノの華麗な生活

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【 ワンカップ大関を車内で飲むオジサン 】

2011-08-17 18:26:04 | 02 華麗な生活

少々古いハナシを書く。ボクの会社がまだ大阪にあり、
ボクがJRで通勤
していた頃のことだが、今はもう消え
てなくなった旧式の車両がJRの「快速}として
使われて
いた時代のこと。
同じオジサンと何度か同じ車両に乗りあわせたが、
このオジサンは必ずワンカップ大関を手にして
乗ってくる。
旧式車両は
座席が二人掛けで向かい合う形だから、
正面で向き合うと膝が当たるほど
狭い。
その中にワンカップ大関を持って乗り込んで来るから、
当初ボクは
姫路か播州赤穂ぐらいの遠隔地に行く人
だと思っていた。

電車が大阪駅を発車すると、オジサンは待ちかねた
ようにワンカップ大関の
フタを剥がしにかかる。
カップを持つ手が震えている、上手にフタを剥がして
くれないと、中の酒がこぼれてボクの膝にかかり
かねない。流石に手馴れて
いて一度も酒を
こぼされた事はなかった。

驚いたのはオジサンが最初の
停車駅である芦屋で
降りたことだ。大阪を出て十五分ぐらい。そんな短時間
なら、もう少し辛抱して家に帰ってから、ゆっくりと
飲めば良いものをと
思った。
たった十五分が、オジサンには我慢出来なかったの
だろうか。

このハナシを思い出したのは、今日の日経夕刊に、
灘の銘酒8社がブランド
復活を狙って、この10月から
統一の「灘」のラベルを貼ると決めたとあった
からで、
大関だってあんな近距離で慌てて飲まれたら、
如何にも安物の酒
にしか見えなくなっていた。
田舎のあまり有名でない酒が幅を利かせる
昨今だが、
天下に響き渡った「灘の生一本」ブランドが復活する
のは
好ましいこと。

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