作家 小林真一のブログ パパゲーノの華麗な生活

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【 熊野丸の話の続き 】

2011-02-12 13:31:00 | 04 時事ニュース


大村湾に一か月以上漂っていたとの体験談を
簡単に信用してくれる人は今までいなかった。
昨年新京の桜木小学校の存在をインターネット
で知って入会し、図らずも熊野丸の話になった。

だが「長い事放置された」との話題は出たが、
それが47日に及んだことは、昨日初対面の
Uさんから初めて確認された。

ボク等は軍隊式の編成で地域ごとに小隊・中隊・
大隊を組まされ、熊野丸には三個大隊が乗船
したのだと思う。
Uさんは「わしゃ伝令をやらされ、四階もある船内
を毎日何度か走りまわっていた」と言われた。
ボクはUさんの顔を改めて見たが、思い出すことが
無かったが、実はボクもその伝令の一人で、暑い
時節の甲板から船内にぎっしり詰め込まれた中を
伝令と叫びながら、駆け回っていた。
父が大隊長だったからだ。

Uさんは英語塾に通った話もした。ボクは鯨井先生
ですかと訊ねた。
Uさんがビックリして「何で知ってる」と聞く。
ボクも二週間ぐらいで終わったが鯨井省三と
言われた先生のご家庭に小学生の身で参加した
のであった。これだけの共通項があれば、Uさんの
ことをもっと思い出せても当然なのに、六十六年も
昔のことを小学生の頭では覚えきれなかったのだ
ろうか。

だいたい熊野丸という航空母艦で引揚げたという
事で、多くの人は疑いの目を向ける。帝国海軍の
空母はすべて海底に沈んだ筈。それが常識で
ある。
海軍の空母ならその通りだが、実は陸軍にも
空母が四隻有ったのである。揚陸という敵地に
上陸する時に先ず空軍が飛び立ち、辺りを掃討
する。それが揚陸だ。
陸軍と海軍との仲が悪かった証明にもなる。

六月に南新京駅で、大勢の満人に見送られ、
新京市に別れの手を振ったボク等は、その後
何度か列車を止められ、その地で下ろされる事
を強いられた。
持ち帰る荷物は自分でもてるだけ。リュックを背負
いそのリュックに括りつけた蒲団が重量を増して、
ボク等を苦しめた。張作霖という軍閥の兵舎が
あった北大英にも数日滞在したし、錦州でも下ろ
された。
錦州ではテントで寝た。雨が何日か降り続き、
引揚者をいじめる。

結局コロ島で熊野丸に乗船するまで約一ヵ月掛かった。
五島列島が見えた時に、船内からバンザイの声が
上がった。それが三日目だったと思う。
佐世保の沖で、検疫に暇どり47日も漂う運命を
誰も予想していなかったとと思う。

改めて船内で斃れた人々の想いを哀しく思い出
す。上陸がやっと決まった日は、朝からどしゃぶり
だった。
決行か見送りか。伝令のボクはハラハラしながら、
本部の決定を待っていた。
「決行です。上陸します」船内を告げて廻る、それ
が伝令の最後の仕事だった。

佐世保の元海軍航空隊の兵舎へ登る坂道が赤土
でぬかるんで大勢が転んだ。そのまま息絶えた人
も出た。ボクの学友のお母さんもその中に入る。

アメリカ兵の姿を初めて見た。頭からDDTの白い粉
を全身に振り掛けられた。



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【 「許し難い」民主党幹部 】

2011-02-12 13:28:00 | 04 時事ニュース


日本が日ごとに国益を失って行く。
アカン総理が「許し難き暴挙」と言ったから、
これはチャンスとロシアが千島に軍事基地の
本格化を宣言した。敗戦のどさくさに紛れて
ロスケのやったことは暴挙であり、許し難い
ことではあったが、鳩山一郎首相以来営々と
進めてきた北方領土返還の道がアカン総理
の思い付き暴言で、相手を逆切れさせる結果
を招いたのである。
アカン総理は常に語彙に乏しく、その時の気分
と思い付きで発言する。

これから北海道の漁師は苦労を強いられる。
ロシア海軍が、ここぞとばかりに日本の領海に
入り込み手当たり次第に拿捕の憂き目に遭う
ことになる。アカン総理の一言が招く災難である。

今度は官房副長官の藤井老が「許し難い」と
言った。民主党の政策がばら撒きだと本当の事を
指摘されて、簡単に怒った発言である。
ばら撒き以外に民主党がやったことに何がある。

国益に直接関わる、日本語の謝った用法には、
ほとほと迷惑する。




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