Pangea on the Land

創造と共に
リアルな生き方の記録

なりわい

2016-04-26 22:12:05 | GARDEN
冷蔵庫の中で冬を体験させておいた種を発芽させる為にはある程度の温度が必要だ。
だから、いままで室内で苗を育てていたが、うまくいかないことが多かったように思う。
それは室内でも温度が低くて発芽しないということもあるが、発芽しても光を求めて背丈を
のばすだけだ。
去年も悩まされたことだったが、先日この悩みを解決してくれそうなアイテムを見つけた。
それは苗床に被せるカバーだ。



これがあれば屋外で太陽光が片寄ることもなければ十分な温度も確保できるだろう。

そして、前回、ブルーベリー用に広げた畑に勤務先で手に入れたブルーベリー9本、ハスカップ2本、ジュンベリー3本、
もらってきた黒船ツツジ20本、拾ってきたモミジ5本を植えた。
ハスカップ、ジュンベリーはともかく、ブルーベリーはツツジ科で、酸性の土壌を好み、乾燥を嫌う。
畑といっても石がゴロゴロでてくるような場所なので、土壌改良も考え鹿沼土とピートモス(酸性、保水性)を
掘った穴の中に入れてから植える。
土への直射日光も避けたいので、薪割りで出るチェーンソーの木くずを根元にひいた。



ところで、この前の畑の準備と今回の作業の際、僕には相方がいた。
その相方は僕の彼女である。
土をクワで掘るたびにミミズやクモ、ダンゴムシのようだけれどダンゴにならない「ワラジムシ」などを
見つけては「ミミズ~!クモ~!ワラジムシ~」などと言っている彼女。
それが2度目でも3度目でも、まるで初めて見たかのような新鮮なリアクションだ。

僕は彼女に畑で何の作業をするかは伝えるが、作業の仕方はほとんど教えない。
せっかくの休日に頑張らせたくもなければ、疲れさせたくもないし、細かいことも言わない。
僕は先生になるつもりもないし、彼女は部下でもない。
ただ、畑を共有したいだけだ。
そもそも、彼女は外仕事の未経験者なわけだし。

そんな相方の彼女を観察するのは面白い。
僕が何も言わないのに作業を始めて15分もしないうちにクワの使い方を工夫したり、
スコップの使い方も上達した。
薪用の木のタマ切りもチェーンソーの燃料が何かも知らなかった彼女が、足を使って木を
固定させて、スピードは遅いけれどちゃんとやっていた。
「仕事以外なんもできない」と言っていた「彼女」がである。

食べ物。
薪。
まったく地味だ。
けれど、大げさかも知れないが、少しの道具と自分の身体を動かすことで「生きる」ことを可能にすることは
ひとりの生身の人間としての「能力」だと僕は思う。
趣味や仕事とも違う。
これこそ「生業」ではないのか。
むしろこれ以上に人として「普通」なことはないのではとさえ思う。
だからこそ、僕は彼女と共有したかったのだ。

近所の畑仲間の「トマトのじいさん」は彼女がいたせいか、やたらと近くに寄ってくるし、
もうひとりの畑仲間のバアさんからは「兄ちゃん、彼女が一緒だとがんばるね~!」などと言われ、
「いつも、もっとガンガンやってるわ!」と言いそうにもなるが、楽しい時間だった。

そろそろ苗を畑に植えたいので、苗床カバー効果で野菜がスクスクと育ってくれることを
願うばかりである。
きっとまた、ミミズとクモとワラジムシがたくさん。

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