会社から帰宅するまでの20分。
僕は道端にある草を見つめヨモギを探す。
いま、僕はヨモギブームの中にいる。
いわゆる「マイブーム」というやつだ。
草や木。
世界は緑で溢れているというのに染物で緑が出る植物は非常に少ない。
どこか「緑」にたいして憧れのようなものが僕にはあるのだ。
ヨモギから薄い緑が出るということは読んだ本から知っていたが、どんなものなのか
試してみたくなったのだ。
濃染処理した丁シャツを煮出した染料に入れアルミの媒染液に浸すと思った以上の緑が出たが、
なんとも幼稚な緑だ。
ものは試しだと、今度は鉄媒染液で試してみると黒味の強いモスグリーン。
緑とは呼べないにしても、好みの色が出た。
僕の「ヨモギブーム」が到来した瞬間である。
そもそも、ヨモギで染めようと考えた理由があった。
「親友」という言葉をあまり好かないので友人と呼ぶが、その友人に子供が産まれたので、出産祝いに
丁シャツを贈ろうと考えたのだ。
そして、どうせ贈るなら、やったことのないヨモギで楽しみながらやりたいというのが僕の性格だ。
まあ、最初はどれがヨモギかもわからなかったのだが…。
その友人とは学生時代から14年ほどの付き合いだ。
僕が編集長を務めたフリーペーパーに協力してもらったり、随分と甘えさせてもらった。
北海道に移住する前に東京であったっきり、2年ほど会っていないが、そいつに子供ができるとあれば、
ボルテージが上がるのは、ごく普通のことだ。
片っ端から共通の友人に、「あいつに何か贈れ!」という恐ろしい電話もした。
ミュージシャン、政治家、宗教家、活動家、テロリスト。
移住する前まで、奇人・変人とばかり付き合ってきた僕には相変わらず友達が少ないままだ。
一歩引いてまで、人と向き合うことをしたくない自分の性格を恨みたくもなる。
北海道に移住してからもうすぐ2年。
時々、学生時代にバカをやり続けた昔の仲間に会いたくなる。
なんなら、「あいつらは元気にしているのか」と、同じ年齢の仲間を心配するほどだ。
移住することで、自分から地元を離れることを選択したけれど、結局、いま僕のやっていることは
あいつらに忘れられたくないと頑張っているだけだ。
僕は道端にある草を見つめヨモギを探す。
いま、僕はヨモギブームの中にいる。
いわゆる「マイブーム」というやつだ。
草や木。
世界は緑で溢れているというのに染物で緑が出る植物は非常に少ない。
どこか「緑」にたいして憧れのようなものが僕にはあるのだ。
ヨモギから薄い緑が出るということは読んだ本から知っていたが、どんなものなのか
試してみたくなったのだ。
濃染処理した丁シャツを煮出した染料に入れアルミの媒染液に浸すと思った以上の緑が出たが、
なんとも幼稚な緑だ。
ものは試しだと、今度は鉄媒染液で試してみると黒味の強いモスグリーン。
緑とは呼べないにしても、好みの色が出た。
僕の「ヨモギブーム」が到来した瞬間である。
そもそも、ヨモギで染めようと考えた理由があった。
「親友」という言葉をあまり好かないので友人と呼ぶが、その友人に子供が産まれたので、出産祝いに
丁シャツを贈ろうと考えたのだ。
そして、どうせ贈るなら、やったことのないヨモギで楽しみながらやりたいというのが僕の性格だ。
まあ、最初はどれがヨモギかもわからなかったのだが…。
その友人とは学生時代から14年ほどの付き合いだ。
僕が編集長を務めたフリーペーパーに協力してもらったり、随分と甘えさせてもらった。
北海道に移住する前に東京であったっきり、2年ほど会っていないが、そいつに子供ができるとあれば、
ボルテージが上がるのは、ごく普通のことだ。
片っ端から共通の友人に、「あいつに何か贈れ!」という恐ろしい電話もした。
ミュージシャン、政治家、宗教家、活動家、テロリスト。
移住する前まで、奇人・変人とばかり付き合ってきた僕には相変わらず友達が少ないままだ。
一歩引いてまで、人と向き合うことをしたくない自分の性格を恨みたくもなる。
北海道に移住してからもうすぐ2年。
時々、学生時代にバカをやり続けた昔の仲間に会いたくなる。
なんなら、「あいつらは元気にしているのか」と、同じ年齢の仲間を心配するほどだ。
移住することで、自分から地元を離れることを選択したけれど、結局、いま僕のやっていることは
あいつらに忘れられたくないと頑張っているだけだ。