PACEの風(パーチェの風)

ギタリスト・民族楽器奏者の丸山祐一郎氏の旅日記を紹介します。

虹の旅完結にあたり…

2008-10-17 18:14:58 | シベリア鉄道の旅
本当にありがとうございました! やっとシベリア鉄道の旅も書き終わり、虹を見たブロッケンから始まった30年の虹の旅が無事完結した事、心から感謝します。これもひとえに、みなさんが温かく見守ってくれたおかげだとつくづく思っています。本当にどうもありがとう! 一口に一年3ヶ月と言っても、旅のドラマはまるで映画のよう…毎回語り尽くせない物語があり、この旅のblogは、気がつけば原稿用紙300枚を越え、その事実にびっくり!しかもこの小さな携帯電話で、全部書き綴った事は、ギネスの記録に載っても不思議ではない事?のように思います。この作業により視力の低下はもちろん、去年の秋には座骨神経痛にもなり、体もボロボロの中、「ほんとによくやった!」と自分に金メダルです。何故こんなにも、体を痛めてまでも夢中になったのか?それは旅の中、何気なく出会う心のふれあい、これに尽きると思います。旅の中の小さなふれあい、これは本当は何物にもかえがたい人生の宝物のように思うのです…新潟中越沖地震の被災地での小さなふれあい、スキースクールの中、一人の生徒を思いやる皆の気持ち、ブナの森でギターを弾くと、本当に気持ちよさそうに歌ってくれる小鳥達、シベリア鉄道の中で6才のジョルジュがプレゼントしてくれた一枚の絵、それら全てが本当は人生の大切な宝物なのです…そしてそれこそが虹なのですね。この虹の旅がいつか本という形になり、多くの人達がそれを手にした時、本当に平和な世の中は訪れているのでしょうか?   . . . 本文を読む

虹の旅最終章 フィーマの指圧

2008-10-06 08:39:28 | シベリア鉄道の旅
そして事件は起きるのである。迎えにきたスベトラーナ(モスクワとは違う)の車に乗ってきた牧野が怒っている。「えっ、何?」事の真相はこうだ…ホテルに泊まる皆と別れる時、声が上がった。疲れているので最後の夜ぐらいは、皆それぞれフリーの時間にしよう…演奏会に参加するのも自由…僕としては、モスクワまで、さんざんみんなを引っ張り回し、旅の自由を奪っていた事もあり…わかった。それもありかな?ぐらいの気持ちでオッケーの二つ返事。  問題はそこに牧野がいなかった事。すでにスベトラーナの家に向かっていた牧野には連絡もつかず牧野だけが知らなかった。牧野としては最後の夜は、ナターシャがせっかくセッティングしてくれたパーティーをみんなで参加したいという想いが強かったのだと思う。牧野の想いもすごくよくわかった…けれど、あの場のみんなの顔を見たら何も言えなかった…もしかしたらフリーと言う言葉の誘惑に負けたのかも知れない?これが団体行動の難しいところか?牧野ごめんね…こんな気持ちで果たして音を出せるのだろうか?僕達は車の中で重々しい空気に包まれたままライブの会場へと向かった。 「えーっ!パーティーとはこういう事か?」ウラジオストックから車で一時間ぐらい走った、ある立派なお屋敷。広い庭園の中には噴水があり、散歩ができるようになっている。 . . . 本文を読む

ドルダーとの再会

2008-10-01 08:18:48 | シベリア鉄道の旅
雲海に太陽が沈む…小さな窓から見える大きな夕日、少しずつゆっくりと沈んでいく。ここはモスクワからウラジオストックへと向かう飛行機の中、エンジン音がさっきからずーっと響き、満員の乗客ほとんどが窓を内側から閉め眠っている… モスクワからウラジオストックまで8時間の空の旅。僕はシベリア鉄道一週間の旅を思い出していた…本当に楽しかったなぁ…毎日いろんなドラマが生まれ、暖かいふれあいがあった。目を閉じると素敵な笑顔が次々と思い浮かぶ。くるくるレインボーを作りギターを弾き、虹が出たと言って大騒ぎし、ラドガミラーを高らかに歌った。笑顔が弾け飛んだ一週間…かたや対象的な飛行機の中、大好きなギターは座席の下に寝かせ、足の踏み台…せっかくの夕日も騒ぐ事も出来ず、静かに見てるだけ…時折スチュワーデスが運んでくる食べ物を食べ、ただひたすら寝るだけの8時間…同じ区間への移動なのに、この天国と地獄とも言える程の違いは何だろう?どんどんスピード化する世の中、科学はいったいどこに向かって走っているのか?科学の発達は、素晴らしい事なんだけれど、時には人間の暖かい心を置き去りにする。 . . . 本文を読む

ギリヤーク尼ヶ崎最後の公演

2008-10-01 08:04:05 | お知らせ
みなさん元気ですか?飯山は地区の秋祭りも過ぎ、いっきに冬になったように寒くなりました。風邪ひいてませんか?   Marioのお知らせです。 大道芸のギリヤーク尼ヶ崎さんご存知ですか?大道芸一筋に何十年と世界を回ってきた、知る人ぞ知るパフォーマンスの神様。 彼の最後の公演が10月13日体育の日にあります。場所は東京新宿三井ビルの下広場、時間は2時スタートです。  . . . 本文を読む

赤の広場に雨が降った…

2008-10-01 07:56:29 | シベリア鉄道の旅
昨日は本当に長い一日だった。モスクワで父さんの絵を前にしてのビリンバウ、やっとこれで僕にとって、三つ目の旅の目的を果たす事ができた。その夜は、コンサートの会場畳みの部屋で、エリアを決めみんなで雑魚寝。皆の素敵な?いびきの合唱につつまれ深い眠りについた…朝起きてみると全身の力が抜け脱力状態…まあ無理もないか?時差ぼけ、列車の疲れ、そして三つの目的達成のあんど感、旅の疲れはもうピークだ。今日のモスクワは曇り空、雨が降るかも知れない。 今日また飛行機に乗りウラジオストックに向かう…なんて強行軍の旅だろう?誰だ、この計画を練ったのは?せっかくのモスクワ、もっとゆっくりしたいよね? こんな急ぎの旅にしてみんなごめんね…僕は自分自身に言い聞かせた。そんな中、少しずつ眠い目を擦りながらみんなが起きて来た。    「ドーブラェウートラ!」朝のひと時、ここでちょっとした事件が…なんか女性達がとても元気なのだ。実は女性達は昨日の夜からある話題で持ち切りだった。昨夜のライブが始まる前、別室で整体?気功?僕ら男性にはわからないのだが、それを受けてからパワーが体に入ったとか、心に変化が起きたとか…みんな大騒ぎ。 . . . 本文を読む