そとっこ 副店長 blog

ちいさな冒険家たちのアウトドアショップ・そとっこ副店長が、お店のことや子育てのこと、南信州での暮らしを綴っています。

いままでとこれから

2011-04-28 | うれしいコト
あまりの出来事の前に、
自分の考えを述べることも
何だか気がすすまないまま、1ヶ月以上がたちました。

今日は震災当日亡くなられた方々にとって四十九日だそうですね。
あらためまして心よりご冥福をお祈りするとともに、
まだ多くの困難の中におられる方々を想い、
応援させていただきたいと思います。

自然と人間のつきあいのこと、
現地の方々同士の付き合いのこと、
当事者と非当事者の付き合いのこと、
家族のこと。

生きていく中で大切なことを
日々得る情報の端々から
感じ、学ぶ毎日です。

実はそとっこのこの事業もいま、過渡期に来ています。
緩やかにではありますが、
方向性を変えていくことも考えています。

まだまだ考えはよくまとまらないのですが
一つ自分の中ではっきりとしてきたのは、
アウトドアって、
軽々しいレジャーとして考えてはいけないということです。

これは富士山に登った時に感じたことですが、
富士山は、アウトドア体験のメッカとして、
楽しく盛り上がりながらチャレンジする場である一方で、
いや、それ以上に、
古くから神様に会いにいく、神聖な場所なのですよね。
日本人にとって山って畏れ多い神様なのですよね。


私は特別何かの宗教に傾倒している訳ではありませんが
山頂の祠を観た時の、あの神聖な気持ちを思い出すことが
いま、とても大事な気がしています。
何にでも神様が宿っているという日本のアニミズム、あれです。
日本人のアウトドア、日本独特の野外体験って、
本当はもともと全てきっと山や大地の神様や信仰と切り離せないもの。
古くから人々は野山を尊び、畏れ、
水を風を、生き物を敬い、慎重に慎重に付き合ってきたはずです。

経済発展や利便性を追い求めて来た戦後の日本の社会と
それに伴う電気の使い方や電力の作り出し方、
そして今回起こった大事故。
それはあまりにもあの富士山頂で感じた神聖な気持ちとかけ離れている気がするのです。
汚染物質の流れたその海で、
確かに人にはすぐには影響はないかもしれないけれど、
沿岸にいた生き物たちはどうしているでしょう。
その生き物たちに生かされている私たちがしてしまったことを
彼らはどう思っているでしょう。
汚染物質は海底に沈みます。と専門家の弁。
海底にも海底の生態系があるはずです。
それは巡り巡って人間の生活にもどこか繋がっているはずです。
沈んでしまえばそれでいいのだろうか。
そんな訳は絶対ない。

明らかに私たちは自然の捉え方や
それに伴う自分たちのライフスタイルを見直す時期にきていると思います。

そして見直すというのは全く新たな価値観を作り出すという訳ではなく、
古くからの人と自然の付き合い方に
学ぶべきところが沢山あるのではないかという気がしているのです。


単なるファッションとしてのアウトドア、教育手段としての野外体験ではなく、
自然を楽しむためにアウトドアにとび出そう、とかそんなことではなく、
大きく多様なこの生態系の繋がりの一端を担う人間が、どう振る舞うべきなのか、
私たちはもっともっと学び、子どもたちに伝える必要がある気がしています。

さあ、私は私たちは具体的に何をすべきなのでしょう。
もうしばらく、ない知恵を絞りに絞って考えたいと思います。