押切孝雄の「社長の本棚・映画」

社長には想像力が必要です。社長の方、これから社長になる方、社長の器の方のための本と映画

書評:『阿Q正伝』魯迅作・竹内好訳

2011-05-04 11:00:20 | 書評: リフレッシュ本
弱体化した中国を愁う魯迅が、1921年に発表したのが『阿Q正伝』です。

欧米列強から攻め込まれていて清朝が没落しており、
辛亥革命からも10年が経っているという時代背景です。

しかし当の中国人は、「馬馬虎虎(マーマーフーフー)」(仕方のないことだ)といって、
それを甘んじて受け入れているとの魯迅の憤りが『阿Q正伝』に昇華しています。

現在の日本を見渡してみると、
「阿Q」は何も1920年代の中国ではなく、
現代の日本にも当てはまるのではないかと思えてしまうのは考えすぎでしょうか。

3.11の大震災のあとで、自然災害に対して私たちはいかに無力かを痛感しましたが、
「馬馬虎虎(マーマーフーフー)」(仕方のないことだ)と言って思考停止になるのではなく、
どのようにしたら、事態を打開していけるかを考えて行動したいものです。

私の場合は小さなことですが、自習の場を提供して、
その収益を全額義援金として寄付する活動をときどき開いています。

阿Q正伝・狂人日記 他十二篇(吶喊) (岩波文庫)
クリエーター情報なし
岩波書店



◆書評執筆者: 押切孝雄 MSc.
WEBブランディングのカティサーク
執筆した本:『グーグル・マーケティング!』(技術評論社)
『実践!グーグルマーケティング』(毎日新聞社)
『グーグル会議術』(技術評論社)
『YouTubeビジネス革命』(毎日新聞社)

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