杜の里から

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こんなところにマイナスイオン(疑問編)

2010年01月11日 | マイナスイオン
去年の12月29日のエントリーでも触れましたが、色々調べてみると、最近プラズマクラスターイオン機能のエアコン搭載の車種が結構増えているようですね。
ただ、その宣伝を見てみるとどうにも分からない所が多々あります。
前回紹介したパンフレットの文言を見てみますと、
車内に浮遊するカビ菌の活動を抑制する「クリーンモード」、マイナスイオンの比率を高めイオンバランスを整える「イオンモード」。2つのモードを自動的に制御します。
などと書かれていますね(クリックで拡大)。↓

    

この「クリーンモード」というのが多分プラズマクラスターだと思われるのですが、さてそうなりますと「イオンモード」って一体何でしょう?
説明には「2つのモード」とはっきり書かれていますから、これはプラズマクラスターとは別なものだと考えられる訳です。
トヨタの付属品の空気清浄機のページを見てみますと、そこでも「除菌イオンモード」と「マイナスイオンモード」、2つの別なモードとして紹介されています。
プラズマクラスターイオンについては、シャープのHPなどでその機構は紹介されていますが、この「マイナスイオン」については何の説明もありません。
今では他のクルマメーカーもプラズマクラスターを搭載していますが、例えば日産の宣伝を見てみますと、そこでも同じ様に、
プラスとマイナスのイオンを室内に放出し浮遊するカビ菌や飛び交うウイルスなどの作用を抑制。クリーンモードで積極的に室内を除菌後、イオンコントロールモードで室内のイオンバランスを自然に近い状態に整えます。
とあり、この説明を読むと多分トヨタも日産も同一部品メーカーからの供給ではないかと想像できます。
過去のニュースを調べてみると、そこで「ゼクセル・ヴァレオ・クライメート・コントロール」という会社の名が登場します。この会社は現在では「株式会社ヴァレオサーマルシステムズ」と社名変更をしておりました。
会社の空気清浄機のページにはその機構が載っており、「コロナ放電」により集塵された後、出てくるのは「きれいな空気」としか表記されていません。
そう考えますと、この「イオンコントロールモード」というものはまた別なシステムのようにも思われます。
そうすると一体、

 ・「イオンコントロールモード」って何?

という疑問が生まれてくる訳です。
そしてそれに付随してくる一番の心配事は、

・オゾンが発生しているのか、否か?

という事です。
かつて国民生活センターから、「オゾン発生器に関する安全性」という報告がなされました。
それによりますと、室内安全基準として「最高 0.1 ppm 平均 0.05 ppm」という値が示されています。
これはあくまで室内におけるものですが、ではそれよりも遥かに狭い車内の場合はどうなのでしょう?
おまけにドライバーは常に緊張とストレスを与えられているのですから、そのような被験者に対し、1m以下の短い距離から1~2時間(場合によっては4~5時間)連続で、顔面に直接放射された場合はどうなるかという様な試験は行われているのでしょうか?
国民生活センターの報告の中で、オゾンが人に与える影響については以下の様に紹介されています。

  ヒトは0.01~0.02 ppm 程度でオゾンの臭気を感じ、
  0.1 ppm 程度から鼻、のどの刺激、
  0.2~0.5 ppm で視力の低下
  0.4~0.5 ppm で上部気道の刺激、
  0.6~0.8 ppm で胸痛、せき、
  1~2 ppm で疲労感、頭痛、頭重、呼吸機能の変化、
  5~10 ppm で呼吸困難、脈拍増加、
  50 ppm 以上で生命の危険が起こる。

これが運転中のドライバーに起こった場合、それは健康という事だけに関わらず、直接安全面に影響を与える問題となります。
だからこそ、オゾンが発生しているかどうかは尚更考慮されねばならないはずなのですが、しかしその資料はどこを探しても見つかりません。

また、シャープのHPの中でも気になる事が述べられています。
それは(あくまでシャープの空気清浄機についてですが)、プラズマクラスター発生ユニットは定期交換が必要なものであるという事なのです(→こちらのQ.5)。
それではこの車載用のものについては、

 ・後々ユニット交換などが必要となってくるのか、またその時の値段は?

そして更に気になる事は、

 ・ユニット交換しないまま使い続けたらどうなるのか?

という疑問です。
先程のシャープのFAQでは、
Q プラズマクラスターイオン発生ユニットの交換時期が過ぎるとどうなりますか?

A ユニット交換ランプが早い点滅をして、本体の運転が停止します
総運転時間は、約17,500時間(1日24時間運転した場合、約2年間)で交換ランプが点滅します。
約19,000時間(約2年2カ月)経過すると、交換ランプが早い点滅をし、運転が停止します。

※使用環境や使用場所(食用油などの油成分が浮遊している場所、ホコリや湿気の多い場所、スプレーや化学薬品を使う場所など)により、交換時期が早くなる場合があります
となっています。
では車の場合はどうなのでしょうか。

 ・機能が停止してしまうのか?
 ・それともそのまま動き続けるのか?
 ・自動制御はどう働くのか?
 ・その時「プラズマクラスター」のイオンはどうなるのか?
 ・その時「イオンモード」のイオンはどうなるのか?


そしてこの時また、

 ・オゾンは発生するのか?

という初めの質問に戻る訳です。
実際に車の取り扱いマニュアルを見てみても、プラズマクラスターについて書かれた所は以下の部分だけです(赤囲み部分、クリックで拡大)。↓

  

 たったこれだけ!

そこで実際はどうなのか、早速シャープに問い合わせてみた所「自動車メーカーにお問い合わせ下さい」との返答でしたので、今度は車屋の営業さんに直接前掲の質問をぶつけてみました。
そうしたら、

 「ええ~っとぉ~、そのぉ~…」

という事で、残念ながら詳細はまた後日とあいなりました。


巷には美辞麗句に彩られた様々な宣伝が溢れています。
しかしメーカーは、ただそのような文言だけを並べ立てるばかりでなく、消費者に直結する安全に関する情報などはもっと積極的に公開すべきでしょう。
今回の不安が単なる稀有に終わるならばそれはそれで良かったという事になりますが、何より重要なのは、何が危険で何が安全かという事をメーカー自身がより自覚すべきで、メーカーが他メーカーの美辞麗句に踊らされてはいけないのではないかと思うのです。
オーナーの不安にきちんと答えられるよう、メーカーはより一層情報の収集には努力すべきなのです。




 (え~え~、買ってしまいましたともさ!(^^;))


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