私が住んでいる市は、昔炭鉱で栄えた街でした。
今はもう、現役で採掘している炭鉱はありません。
全て閉山しました。
穴も埋められ、建造物も解体され、その痕跡すら認められないところがほとんどですが、
3箇所ほど、写真のような鉄塔が残っているところがあります。
鉄塔は『櫓(やぐら)』と言います。
この下に地下数百メートルまで下りるための垂直の穴があって、
鉱員さんたちはエレベーターで降りるのです。
櫓は、エレベータを吊るして動かすためのものです。
一番上に滑車があって、隣接しているレンガの建物の中に、ワイヤーを巻く機械が入ってます。
櫓は、炭鉱のシンボルのようなものなのですね。
ところでこの場所、時々映画の撮影で使われます。
最近では『K-20』とか。
ご覧の通り、閉山以来手入れもされずに放置してあるので、いい感じで廃墟感が漂ってますでしょ
ところが、『世界遺産』に登録しよう! なんて動きがあって、
去年国内の暫定リスト入りを果たしてしまったものだから、
ここにきて改修工事が行われることになっちゃって……。
確かに、壊れたところもそのままで、見学するのに危険を伴うってのはいただけないけど。
でも、改修後は、さびた櫓もきれいに塗られて、壊れた扉も修復されて、
廃墟感はきれいさっぱりなくなっちゃうんだろうな。
ちょっと残念