「願興寺」悠久の1200年

最澄縁の願興寺ブログ。2015年には開基1200年祭を予定。本堂、24体の仏像が国指定の重要文化財。

願興寺(蟹薬師)祭礼迫る

2012-03-09 15:41:44 | 願興寺

いよいよ4月1日(日)に迫った願興寺祭礼(岐阜県重要文化財指定)。寺伝「大寺記」によれば、長徳4年に一条天皇の勅願を受けて七堂伽藍が完成した翌年の長保元年(999)2月に土地の人々によって行われたことを起源とされている。

この祭りの見どころの一つは、蠅追(はえおい)であるが、樒(しきみ)の枝で参詣者を叩いて回る。これによって悪疫が取り除かれるという。この蠅追は蒼白な女装の面で朱唇である。初めて見られる方には、不気味ともいえる形相であろうが、この面は一条天皇の皇女とされる行智尼の親作と伝えられている。余談ではあるが、年少の頃はこれを地元民は「はあおう」とこの土地特有の訛りある名で呼んでいた。

もう一つは、曳山内での笛大夫はじめ大拍子、小拍子及び鼓役者による奏楽である。この奏楽は「シイガク」といい禁裏(宮中)より伝わるところで優雅にて壮重、幽遠でまさに雅楽の粋といえる。

午後からが本祭りともいえ、午後2時から3時頃が最大の盛り上がりをみせる。当日は例年、霊宝殿も開放されており、秘仏である本尊以外は拝顔も可能である。例年、この祭りを待ちかねたように桜も満開になる。こうしたことにも1000年以上の霊気が感じられ、以前は4月1日に行われ、毎年晴れの日が続いていた。

今年もきっと晴れてくれると思う。この歴史ある祭礼は多くの方々に観て頂きたいと思う。写真は蠅追である。

願興寺祭礼の曳山の動画

願興寺公式サイト