大きなかぶ農園だより

北海道マオイの丘にある大きなかぶ農園からのお便り・・
※写真はsatosi  

ロウネン夫婦の関係は

2015-09-30 | 日本を考える
温泉の大広間で 背中の曲がったじいちゃんが 中入り後の大相撲中継を観ている。
後から上がってきた奥さんを見つけて 「こっちこっち」と手招きし、丁度運ばれて来た
生ビールを奥さんに「飲め飲め」とすすめている。  (やさしいんだな・・・・)
自分はあんかけ焼きそばをすすり、奥さんはもり蕎麦で生ビールをくぴくぴ飲みながら
二人は楽しそうに談笑している。 (仲いいんだな。。。。)
食べ終わってさあ帰るか、という時に奥さんが「水も飲みなさいよ」と一言発したその瞬間
「うるさい!!!!」とじいちゃんが怒鳴った。
そして、何事もなかったように二人は立ち去った。

「ねえ聞いて聞いて!」とT夫人。
夫が瓶のふた開けて塩から食べた後、ふちが汚れてるの見て「きたないね」って言ったらね
「俺の事汚いって言ったな!!!!」って怒鳴るのよ!!!!! 瓶のふちがきたないって言ったのよって言っても
ごめんねも言わないの。 いままでそんなことで大きな声を上げるような人じゃなかったのに。
そして、これから先、夫が他人の世話になるようなとき、こんな勘違いが相手に不愉快な思いをさせることが無いように
「ありがとう」と「ごめんなさい」がくちぐせになる習慣をつけさせるにはどうしたらいいか。。。と言った。

「年取ると男はだんだんそうなってくるんだ。」とその話を夫が妙に真面目に聴いているのでちょっとかわいそうになった。
女はこういうことを茶飲み話で暴露して解消する術を実践をもって体得しているが、男の日常には無いのかもしれず。
妻の 歯に衣着せぬ、ストレートで、芯をついた、低いトーンの一言を 毎日浴びている夫の心臓はいかばかりかと ふと思い

これからは もう少し、面倒がらず・順序立てて・かみ砕いてさらに練って、オブラートに包んで口に出してみるか。。。。

たなからぼたもち系人生

2015-09-30 | 食生活
土曜日、稲刈りの3分の1が終了。
「そういえば、稲刈自分でやるのは初めてだな」と夫が言った。
「え!?そうだっけ?」
最初は山崎さんが地区のコンバインで大方刈ってくれて、自分たちはせっせと手刈りを楽しんだ。
次の年も同様、次の次の年はいよいよ山崎さんが正式に引退宣言をしたため、この地区の
共有のコンバインは借りる権利がなくて(たぶん)、個人的に前田さんに頼んで刈ってもらった。
引退した山崎さんの他の土地をこれから誰が借りていくか、という時、夫が手を挙げた。
なので、面積が最初の3倍となり、これではとても手刈りは無理だ。
収穫時はほかの農家も大忙しだから、頼むのはほんとうに気が引ける。
稲の刈時も重要だから、どうしても自分専用の稲刈り機が必要ということか?
今後どんどん体力は下り、頭はボケ、機械も無しでイッタイゼンタイどうするつもりだ。。。まったく、いつもこうだ。。。。
どんなことになろうが知りませんよ。。。と他人事に構えていたら、今年の春 大きなコンバインがやってきた。
知り合いの農家の父さんが 「新しい稲刈り機買ったから、古いのあげるよ」 という夢のような話。
そして、その 古いと言ったって自分たちから見たらピカピカに輝く大きなコンバインに乗って夫が初めての稲刈り。
ほんとにまったく、夫の晩年の運勢は「棚からぼたもち系」と記されているのだが、
ご先祖様たちが積み重ねてきた徳を、ここで全部使ってしまうのか。。それとも彼らの遺志でもあるのか。。。。
どちらにしても、カミサマノイウトオリ。。。。生きてる限り全力で動け、と言われている気がする。

家族だった   2015・9・1

2015-09-15 | 食生活
朝、パチとめざめれば晴天。洗濯籠を抱えてハウスの隅にある洗濯機に運ぶ。
洗い水が川に直接排水されるので洗剤は使わず粗塩のみ。
昔は備長炭を塩と一緒に使っていたが今は塩だけ。すすぎ水も少なくて済む。
今はたぶん大方の家庭は全自動洗濯機だろうが、わが家は二層式派だ。
洗濯層の水の色で汚れ具合やすすぎ加減が目で見て調整できるのが安心できる。
洗濯機を回しながら、ハウスの野菜に水をやる。ハウスの周りの草を刈る。
洗濯をしていることを忘れないために、洗濯機の回る音の聞こえる範囲であれこれ行動する。
うっかり家の中に入り、茶碗をふく、お湯を沸かしてコーヒーを淹れる、やれやれと腰を下ろし
コーヒーを飲みながらふと天井に目をやると蜘蛛の巣。カップに蓋をして箒の先に濡れ雑巾を
結びつけイスに爪先立って蜘蛛の巣を払っていたら窓ガラスが汚れてきたのを見てしまう。
霧吹きでシュッシユして布で磨き始める。、、、、あれ?どこかで水の音が。。。。。そうだ、洗濯中だった。。。。

さあご飯だ。という時にパチッと必ずテレビをつける夫。ずっと昔からの習慣だ。
他人の家のことなら一言も二言も正論唱えるが、自分のことならこうだもん、、、と、昔はぷんぷんしたりもしたが
今はぷんぷんするエネルギーもなく、自分も ついているテレビの画面に癒されていたりする。
しかし数日前何かの本に「食事をするときにその食べものときちんと向き合うと向き合わないとではその働きが大きくちがう」
というのを読み。やっぱりそうだよね。と今更ながら反省し、しかし、66のお爺さんに今更それを強要して楽しみを奪うのはどうか、、、
言い出せずにいたら、やっぱり食卓にごはんが並んだとたんに、パソコンから離れてすかさずテレビをピッと付けた。
ちょうどニュースで聴きたくない言葉が食卓にフリカケの様に降り注ぐから画面から目と耳を遮断させるのが一仕事。
思わずここぞとばかりに「あのさ、やっぱりこうだってさ」と読んだ本のことを投げかけたら案の定 ムッとしてバチッと消した。
「うまいものはうまいと思いながら食っている!」 しってるよ、だから、いいじゃない、とーちゃんの好きなようにしてていいんだよ。
それから、黙々と目の前の熱々に焼けたキュウリ餃子と親戚から届いた北海シマエビのたっぷり乗った焼きそばを食べた。
5分もしないうちにその沈黙に耐えきれず、夫がリモコンをピッと押すと いつも面白く観ている時代劇「一路」がはじまった。
不穏な沈黙が一瞬で融け、口も目も耳も心までホットして食卓にいつもの活気が戻った。
  会話の無い老夫婦のこと他人事の様に笑っていたけど、自分たちのことだった。。。。
犬もネズミもクモもハエも そしてテレビも 実はわが家の家族だったのだ。。。。

ミステリィエイジ

2015-09-14 | 日記
「旅行に持って行こうと思っているお気に入りの手提げ袋がいくら探しても無いの」友達が電話で嘆いた。
「よけいな買い物するなってことじゃないの♪」と わたし。
「羽田空港で見つけたすごく使いやすいエコバッグだから、もう一つ買えってことかな♪」 友達。
さんざん探し疲れ、結局その電話を切った直前パッと思い出し、台所の棚で発見された。 

期間限定セールの徳用オリーブオイルを買い、確かに車の中に置いたのに、家に着くと無い。
自分の足取りをたどって何度も何度もあちこちウロウロするがどこにもない。
「店に電話してみろ」と夫。 しかし、車に持ち込んだという確信がある。どこかにあるはずだ。
探し疲れ、一旦忘れ、結局一週間後に倉庫の中でかごの一番下で寝ているところを無事保護。

「ひわさん、さっき買った塩と もらった野菜の袋が家に着いたら見当たらなくて、、その辺に置いて無いかな?」と H氏
心当たりの場所をあちこち探すが無い。
「もしかしたら自分の車のボンネットに置いたまま走って 落としたかな?」というので周辺を車で一周してみるが落ちてもない。
 しばらくして 「あった!あった!車の座席の下に転がり込んでた!!よく見たつもりだったのになあ。。」とH氏。 

去年のこと、いつもの場所に下げてあるベージュ色のリュックサックがどこにも無い。スイスに背負っていこうと思っているのに。
たしかいつもここに掛けてあったのに。。。と家じゅうを一週間も探すが出てこず、結局黒のリュックサックに荷造りする。
 娘の家で荷物を開き 「あれ? 確かに入れたはずの米粉1kが無い。」
そういえば成田空港で荷物検査しなかった。。。良い人そうに見える人パスなんだね♪と思うが
「いえいえ、ちゃんとどこかでチェックしてますってば」と婿さん。
「なんだ、そしたらそこで没収されたのかな?米粉1k。  白い粉怪しいし」 わたし。
「怪しい白い粉1kも所持してたら没収だけではすみませんってば」 と言われて ああ、そりゃそうだ。
じゃ一体米粉はどこに行った? さんざん思いめぐらした結果 はたと気づいた。
家を出る直前に「母さん長靴持ってきて」と言われ、長靴をリュックに詰めたら米粉は無理 となったのだった。。。たぶん。
そして、 3ケ月後家に戻り何の気なしに二階に置いてある茶箱を空けるとベージュのリュックサックが澄ましていた。
あれだけ、家中を探したつもりだったのに、茶箱だけ見えていない。
そこにしまい込んだ時のこと、ぼんやりだがなんとなく思い出した。  ますますミステリィエイジに突入だ。