室生犀星 『蜜のあわれ』講談社文芸文庫(1993年)、小学館(2007年)、小学館・昭和文学全集(2007年)、国書刊行会・日本幻想文学集成(1995年) など
金魚と少女の間を自在に往還するコケティッシュな「あたい」と、老作家「おじさま」の奇妙な交流。そして、そこにひそやかに訪れる「ゆうれい」の女性の影。室生犀星が晩年に発表したこの小説は、男女の情の切なさ、性欲や愛情のかなしさを、シュールな設 . . . 本文を読む
山田詠美 『学問』新潮社 2009年 / 新潮文庫 2012年
「私ねえ、欲望の愛弟子なの」。4人の少年少女たちの、生と性の輝き。そして、いつもそこにある、かすかな死の影。山田詠美の新たなる代表作。
東京から引っ越してきた仁美、リーダー格の心太、食いしん坊な無量、眠るのが生き甲斐の千穂。四人は、友情とも恋愛ともつかない、特別な絆で結ばれていた。やがて思春期を迎える彼らの、生と性の輝き。そして、 . . . 本文を読む