杉浦 ひとみの瞳

弁護士杉浦ひとみの視点から、出会った人やできごとについて、感じたままに。

・「児童ポルノ禁止法」の危険性

2014-06-06 10:59:59 | 法律・法制度
法律には核心部分とその外延部分があると思っています(この言葉は例えですが)。

核心部分は文字通り、本当に必要な事象に対して法の適用があること、
外延部分はその法律がどこまで触手を伸ばし、不当な形で用いられるかです。
例えば、今国会で審議されている児童ポルノ禁止法。

その核心部分は、児童を性的な対象として、人間性を無視して扱うことになり、禁止されるということはその通りです。

しかしながら、その外延部分はというと、
わいせつな画像を所持していただけで罰されるというものです。
それは性的な好奇心を満たす目的がなければ罰っせられないとはいいますが、
持っていればそのような内心があったかどうかを捜査する必要性があり、
捜査の対象になります(逮捕・ガサ入れの可能性アリ、ということです)。

「持ってなければいいでしょう」と思いますが、
スマホにエッチな画像が送られて来て受信しただけで(これってよくありますよね!)
「所持」していることになります。逮捕されたり、捜索される可能性がある状態です。

このことでスマホやパソコンなどが捜索されるとなればそのプライバシーの侵害はおびただしいです。


<参照>
児童ポルノ禁止法の改正案では、子どものわいせつな写真や画像など、いわゆる児童ポルノの所持を禁じたうえで、みずからの性的好奇心を満たす目的で所持した場合は、1年以下の懲役または100万円以下の罰金を科すとしています。
一方で、すでに児童ポルノを所持している人もいることから、写真などを処分するための猶予期間として、法律の施行から1年間は罰則を適用しないとしています。

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