沖縄のごみ問題を考える

一般廃棄物の適正な処理に対する国の施策と県の施策と市町村の施策を比較しながら「沖縄のごみ問題」を考えるブログです。

改めて中北清掃組合が「溶融炉を休止」している問題を考える(その1)

2017-03-05 09:44:00 | ごみ処理計画

ゲストの皆様へ  

このブログは、当分の間、下の資料にある問題を解決するために管理をして行く予定です。 なお、この問題を県が放置していた場合は、県に対する県内の市町村、そして県民の信頼を著しく損なうおそれがあると考えています。   

原寸大の資料(画像をクリック)

 

地方自治法の規定(第2条第16項)により、地方公共団体(一部事務組合を含む)は、法令に違反して事務を処理してはならないことになっています。

しかし、このブログの管理者は、中城村北中城村清掃事務組合(以下「中北清掃組合」という)が「溶融炉を休止」している行為は、法令に違反する行為になると考えています。

そこで、今日は、改めて中北清掃組合が「溶融炉を休止」している問題について、3回に分けて徹底的に検証してみることにします。

なお、今日の記事は、市町村(一部事務組合を含む)がごみ処理施設を「所有」しているという前提で書きます。

まず、下の画像をご覧下さい。

これは、地方自治法の規定に基づく「ごみ処理施設」の定義を整理した資料です。

原寸大の資料(画像をクリック)

【補足説明】ごみ処理施設は一般廃棄物の処理を行うための施設ですが、地方公共団体が施設を所有している場合は、地方自治法の規定が適用されるので、このような定義になります。

(注1)市町村が所有しているごみ処理施設の所有の最大の目的は「住民の福祉の増進を図る」ことにあります。

(注2)市町村が所有しているごみ処理施設は、長期的な視点に立って市町村が自らの責任において処理方式の検討や機種の選定等を行っています。そして、議会もごみ処理施設の整備を承認しています。したがって、市町村長は「運転経費が高い」といった理由でごみ処理施設の運用を休止することはできないことになります。また、議会も「運転経費が高い」といった理由で市町村長に対してごみ施設の運用の休止を求めることはできないことになります。

(注3)ごみ処理施設の整備に当っては、住民も市町村長や議会から説明を受けて、整備に協力しているので、「運転経費が高い」といった理由で市町村長や議会に対して運用の休止を求めることはできないことになります。

下の画像は、廃棄物処理法の規定に基づく「ごみ処理施設」と「溶融炉」の定義を整理した資料です。

なお、この資料は、中北清掃組合と同様に、最終処分場を所有していない市町村が国の財政的援助を受けて「ごみ処理施設」(「溶融炉」を含む)を整備している場合を想定して作成しています。

原寸大の資料(画像をクリック)

【補足説明】廃棄物処理法の基本方針が告示された平成13年度以降に、最終処分場の整備を行わない前提で国の財政的援助を受けて整備している「ごみ処理施設」と「溶融炉」の廃棄物処理法の規定に基づく定義は、このような定義になります。

(注1)中北清掃組合は最終処分場を所有していません。また、最終処分場の整備を行わないごみ処理計画を策定しています。したがって、同組合が所有している溶融炉は、最終処分ゼロを達成して継続することを目的として所有していることになります。

(注2)沖縄県においては、浦添市が中北清掃組合と同じ目的で溶融炉を所有していますが、同市は溶融炉を整備したときから最終処分ゼロを達成して継続しています。

(注3)溶融炉には、焼却灰に含まれているダイオキシン類を分解するという重要な目的がありますが、焼却炉のみでもダイオキシン対策を行うことができる場合は、その目的は消滅していることになります。ただし、中北清掃組合の場合は、焼却炉のみでダイオキシン対策を行うことができる場合であっても、溶融炉の運用を休止することはできません。なぜなら、同組合は最終処分場を所有していないからです。そして、最終処分場の整備を放棄しているからです。

下の画像は、補助金適正化法の規定に基づく「ごみ処理施設」と「溶融炉」の定義を整理した資料です。

原寸大の資料(画像をクリック)

【補足説明】平成13年度以降、国(防衛省を含む)は、廃棄物処理法の基本方針に適合するごみ処理計画を策定している市町村に対して財政的援助を与えているので、①最終処分場を所有していない市町村が、②最終処分場の整備を行わない前提で、③国の財政的援助を受けて「ごみ処理施設」(「溶融炉」を含む)を所有している場合の補助金適正化法の規定に基づく定義は、このような定義になります。

(注1)市町村に対する国の財政的援助は、市町村が国に援助を求める形で行われています。したがって、市町村は廃棄物処理法の基本方針に即してごみ処理施設の運用を行うことを国に約束していることになります。

(注2)市町村のごみ処理事業は「自治事務」になるので、国の財政的援助を受けていない場合は、市町村の自主的な判断に基づいて行うことができます。しかし、国の財政的援助を受けている場合は、環境大臣が定めている廃棄物処理法の基本方針に即して行わなければならないことになります。

(注3)中北清掃組合は、国の財政的援助を受けたときから廃棄物処理法の基本方針に適合しないごみ処理事業(必要となる最終処分場の整備を行わずに資源化が困難な廃棄物の民間委託処分)を行ってきたので、最初から国との約束を守っていないことになります。

下の画像は、補助金適正化法の規定に基づいて、同法の処分制限期間を経過した設備を休止する場合の補助事業者(市町村)の事務処理を整理した資料です。

なお、この資料は、建物の処分制限期間は経過していないという前提で作成しています。

原寸大の資料(画像をクリック)

【補足説明】設備の休止が一時的なものであれば、休止をしても建物の目的外使用を行うことにはなりません。しかし、中北清掃組合は平成26年度から平成35年度までの10年間は溶融炉を休止するごみ処理計画を策定しているので、少なくとも10年間は溶融炉を運用するために所有している建物部分(財産)を補助金の交付の目的と異なる目的で使用することになります。なお、設備の休止に伴う建物の目的外使用については、同組合が焼却炉の運用も休止して、溶融炉と焼却炉を建物内に放置している場合を考えれば、その意味を容易に理解していただくことができると思います。

(注1)中北清掃組合が所有している「ごみ処理施設」は、経過年数が10年を超えていますが、補助金適正化法の規定に基づく「包括承認事項」に関する要件を満たしていないので、溶融炉(設備)の運用を休止する場合は、同法の規定に基づいて建物の目的外使用に関する財産処分の承認手続を行う必要があります。しかし、同組合はその手続を行っていません。

(注2)補助金適正化法の規定に基づく「包括承認事項」については、少子高齢化や過疎化等により遊休化している建物の有効活用を図る目的で平成20年度に創設された比較的新しい「特例措置」なので、経過年数が10年を超えているだけで無条件で適用されると考えている地方公務員や国家公務員がたくさん存在しています。

(注3)中北清掃組合は防衛省の財政的援助を受けていますが、もしかすると、防衛省の職員は「包括承認事項」を十分に理解していない状況で、同組合に対して技術的援助を与えている可能性があります。また、沖縄県や中北清掃組合の職員も「包括承認事項」を十分に理解していない可能性あります。

下の画像は、地方財政法の規定に基づく「ごみ処理施設」(「溶融炉」を含む)の定義を整理した資料です。

原寸大の資料(画像をクリック)

【補足説明】地方財政法の規定は、市町村が国の財政的援助を受けている場合も受けていない場合も適用されます。そして、市町村が所有している「ごみ処理施設」については、例外なく同法の規定が適用されます。また、市町村が国の財政的援助を受けて所有している「溶融炉」の地方財政法の規定に基づく定義は、このような定義になります。

(注1)中北清掃組合が所有している「溶融炉」の所有の目的は、上の資料にある3つの目的になります。

(注2)このブログの管理者は、中北清掃組合と同組合に対して技術的援助を与えている沖縄県は、同組合が所有している「溶融炉」の所有の目的を十分に理解していないと考えています。なぜなら、同組合は溶融炉を整備したときから最終処分ゼロを達成した年度が一度もないからです。そして、県は実態調査等によってそのことを知っていながら、同組合に対して最終処分ゼロの達成を放棄してもよいという技術的援助を与えているからです。

(注3)中北清掃組合に対して財政的援助を与えているのは環境省ではなく防衛省ですが、同省も中北清掃組合に対して最終処分ゼロの達成と継続を求めていません。したがって、同省は環境大臣が定めている廃棄物処理法の基本方針を十分に理解していない可能性があると考えています。

下の画像は、地方財政法の規定に基づく「設備の休止」に対する定義と、「溶融炉の休止が可能な場合」を整理した資料です。

なお、この資料は、溶融炉を休止した場合であっても焼却灰のダイオキシン対策が可能な場合を前提にして作成しています。

原寸大の資料(画像をクリック)

【補足説明】設備に対する補助金適正化法の処分制限期間が経過している場合であっても、中北清掃組合が「溶融炉」を所有している目的が全て消滅している訳ではありません。しかし、上の資料にある②又は③に該当する場合は、溶融炉を休止しても住民の福祉の増進を図ることができます。そして、廃棄物処理法の基本方針に適合していることになります。したがって、②又は③に該当する場合は、「溶融炉」を所有している目的は消滅していることになります。

(注1)中北清掃組合は、地域ごとに必要となる最終処分場の整備を放棄して、しかも、平成26年度から平成35年度までの10年間は、焼却灰とその他の資源化が困難な廃棄物の民間委託処分を継続するごみ処理計画を策定しているので、同組合は地方自治法の規定に基づいて住民の福祉の増進を図る目的も放棄していることになります。

(注2)国は、市町村が地方自治法の規定に基づいて住民の福祉の増進を図ることができるように、廃棄物処理法の基本方針を定めています。そして、基本方針に適合するごみ処理計画を策定している市町村に対して財政的援助を与えています。したがって、国の財政的援助を受けている市町村は補助事業者として誠実に廃棄物処理法の基本方針に適合する補助事業(ごみ処理事業)を行わなければならないことになります。

下の画像は、中北清掃組合が溶融炉を「再稼動」する場合と、長寿命化を行わずに「廃止」する場合の事務処理を整理した資料です。

原寸大の資料(画像をクリック)

【補足説明】国(防衛省)から見た場合、国は中北清掃組合が住民の福祉の増進を図るために、廃棄物処理法の基本方針に適合するごみ処理事業を行うことを前提として財政的援助を与えていることになります。したがって、溶融炉を「再稼動」する場合は最終処分ゼロを達成して継続することと長寿命化を行うことが条件になります。そして、長寿命化を行わずに「廃止」する場合も最終処分ゼロを達成して継続することが条件になります。

(注1)中北清掃組合のほぼ1年前に国(環境省)の財政的援助を受けて溶融炉を整備している浦添市は、溶融炉を整備したときから最終処分ゼロを達成して継続しています。そして、平成24年度(供用開始から11年目)に長寿命化を実施して運用を継続しています。

(注2)浦添市は平成28年3月に現市長がごみ処理計画の見直しを行っていますが、①溶融炉の運用を継続しながら、②廃棄物の適正な処理を推進するために、③最終処分ゼロの継続を推進する計画を策定しています。

(注3)中城村と北中城村は平成26年3月に現村長がごみ処理計画の改正を行っていますが、①溶融炉の運用を休止して、②焼却灰と資源化が困難な廃棄物の民間委託処分を継続する計画を策定しています。したがって、浦添市の市長と2村の村長は全く異なる考え方をしていることになります。

下の画像は、廃棄物処理法の基本方針と補助金適正化法の関係を整理した資料です。

原寸大の資料(画像をクリック)

【補足説明】このように、国は廃棄物処理法の基本方針に即して廃棄物の適正な処理を推進することを目的として、市町村に対して財政的援助を与えています。したがって、中北清掃組合の「溶融炉の休止」が法令に違反していない場合は、同組合は廃棄物処理法の基本方針に適合する適正なごみ処理事業を行っていることになります。

(注1)中北清掃組と同様に、最終処分場を所有していない浦添市は、廃棄物の適正な処理を推進するために、溶融炉の長寿命化を実施して運用を継続しています。そして、最終処分ゼロを達成して継続しています。

(注2)最終処分場を所有していない中北清掃組合が、国の財政的援助を受けて所有している溶融炉の長寿命化を行わずに、運用を休止して焼却灰の民間委託処分を行っている場合であっても、適正なごみ処理を行っていると国や沖縄県が判断している場合は、浦添市は不適正なごみ処理を行っていることになってしまいます。

(注3)複数の市町村が広域組合を設立して広域処理を行う場合は、廃棄物処理法第6条第3項の規定に基づいて、それぞれの市町村が策定しているごみ処理計画の調和を確保しなければならないことになっています。したがって、中北清掃組合の「溶融炉の休止」が法令に違反していない場合は、浦添市がごみ処理計画の見直しを行わなければならないことになります。

下の画像(3つ)は、中北清掃組合の「溶融炉の休止」が法令に違反していない場合を想定して作成した資料です。

なお、中北清掃組合の「溶融炉の休止」が法令に違反していない場合、同組合が平成26年度に改正したごみ処理計画に従って実施しているごみ処理事業は、①環境大臣が定めている廃棄物処理法の基本方針、②政府が閣議決定している廃棄物処理施設整備計画、③沖縄県が策定している第四期沖縄県廃棄物処理計画に適合するごみ処理事業でなければならないことになります。

原寸大の資料(画像をクリック)

  

【補足説明】市町村の事務処理が法令に違反しているかどうかを判断するのは、最終的には裁判所になります。しかし、中北清掃組合や同組合に対して技術的援助を与えている国(防衛省を含む)、そして、沖縄県に対して技術的援助を与えている国が同組合における「溶融炉の休止」が法令に違反していないと判断している場合は、上の資料にあるような国や地方公共団体の施策を認めなければならないことになります。

(注1)中北清掃組合の「溶融炉の休止」が法令に違反していない場合は、浦添市が最終処分ゼロを達成して継続してきた努力が無駄な努力だったことになります。また、溶融炉の長寿命化を行わずに、中城村と北中城村との広域処理を推進することができたことになります。

(注2)中北清掃組合の「溶融炉の休止」が法令に違反していない場合は、サザンクリーンセンター協議会が推進している輪番制による最終処分場の整備計画が白紙撤回になる恐れがあると考えています。

(注3)国(各省各庁の長)が「包括承認事項」の要件を緩和した場合は、市町村が所有している補助対象財産の全てが、10年を経過した時点で他の目的に使用することができることになります。そして、使用を中止して閉鎖することもできることになります。

下の画像は、国が中北清掃組合の「溶融炉の休止」が法令に違反していないと判断した場合に、環境大臣が変更することになる廃棄物処理法の基本方針における重要事項を整理した資料です。

原寸大の資料(画像をクリック)

【補足説明】中北清掃組合の「溶融炉の休止」が法令に違反していない場合は、①最終処分場を所有していない市町村が、②最終処分場の整備を放棄して、③溶融炉を休止することができることになります。したがって、環境大臣は廃棄物処理法の基本方針の変更に当って、上の資料にあるように、最終処分場の整備に関する部分を削除しなければならないことになります。

(注1)廃棄物処理法の基本方針は、廃棄物の適正な処理を推進するために定められているので、環境大臣が最終処分場の整備に関する部分を削除した場合は、地域ごとに必要となる最終処分場の整備を行わない場合であっても、市町村は適正なごみ処理を行うことができることになります。

(注2)中北清掃組合の「溶融炉の休止」が法令に違反していない場合は、結果的に市町村は、最終処分場の整備を行わずに「焼却炉+民間委託処分」を行う場合であっても、国の財政的援助を受けて焼却炉の整備を行うことができることになります。

下の画像は、環境大臣が廃棄物処理法の基本方針から上の資料にある最終処分場の整備に関する部分を削除した場合の最大の問題を整理した資料です。

原寸大の資料(画像をクリック)

【補足説明】このように、中北清掃組合の「溶融炉の休止」が法令に違反していない場合は、市町村が行う最終処分場の整備に関する施策に対して、国民(住民)は協力をする根拠を失うことになります。

(注1)中北清掃組合の「溶融炉の休止」が法令に違反していない場合は、都道府県や民間が必要となる一般廃棄物の最終処分場を整備することになります。

(注2)沖縄県が中北清掃組合の「溶融炉の休止」が法令に違反していないと判断している場合は、サザンクリーンセンター協議会は輪番制による最終処分場の整備に関する施策を中止して、沖縄県に対して必要となる最終処分場の整備を求めることができることになります。

(注3)浦添市も中北清掃組合の「溶融炉の休止」が法令に違反していないと判断している場合は、ごみ処理計画の見直しを行うだけで最終処分ゼロの継続を中止することができることになります。また、中城村と北中城村と広域組合を設立して広域施設の整備を行う場合に、「焼却炉+民間委託処分」方式を採用することができることになります。

その2に続く


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。