日々是好日

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日記帳

ソラリス

2017年10月15日 | 

SF小説で古典とも言われるソラリスを読んだ。
著者はポーランド生まれの作家スタニスワフ・レム。
1961年の作品。

SFを読み慣れてないせいなのか、とても難解だった。
宇宙にある一つの星は、海が支配する。
海が意思を持ってるのか、それとも意思という人類の考え方が、むしろ人類の特殊なものなのか。
読み進めてるうちに、理解不能になってしまう。
哲学書を読んでる気分だった。

ソラリスで主人公は、死んでるはずの妻に出会う。
海が作り出した幻影なのか、自分が作り出した幻影なのか?
しつこいぐらいに、ソラリス学が述べられている。
わけわからんけど、読んだ。

ソラリスは地球とは違った進化をし、その進化の仕方も地球とは全く違ったもの。
もし、未来に未知との遭遇があるとしたら、違った進化の型を持つ未知を、地球人が理解することは不可能だ。

だから僕は全くこの小説を理解することができなかったが、面白くは読めた。
未知との遭遇だ。

映画にもなってるようなので、ツタヤで借りて見た。
米国版ソラリス
小説とはずいぶん違った内容で、男と女の愛の物語みたくなっていた。
死んだはずの妻と、ソラリスで再会。
肝心の小説の核心部分がそっくり抜け落ちていた。

著者は、その映画に対して、小説とは全く別のものだと、かなり批判の目を向けてたようだけど、なるほどね。
これを映画にするのって難しい。




影踏み鬼

2017年10月14日 | 

葉室麟 文春文庫
影踏み鬼を読んだ。

最近、本屋さんで、葉室麟の小説をよく見かける。
とても、読みやすく一気に。

主人公は新撰組の篠原泰之進。
新撰組も、攘夷と幕府守護一筋ではなかったんだなあってあらためて知った。
伊東甲子太郎、近藤、土方、斎藤一など新撰組のメンバーの狂気や仲間割れ、龍馬の暗殺なども絡めて物語が進められていた。

明治になっても生き残っていた篠原泰之進と斎藤一が出会うシーン。
これは創作なのかな?

解説で著者の作家としての原点は司馬遼太郎だとインタビューで本人が答えていた。
司馬の新撰組血風録の中に書かれていた篠原奏之進が1番心に残る生き方だと思って書いたそうだ。

大学生の頃によく読んだ司馬遼太郎や藤沢周平。
故人になって、時代小説や歴史小説からいっとき離れていたけれど、葉室麟を読んで、また読みたい気が復活しそうだ。




渚にて

2017年10月05日 | 

かなり古い本で、1957年に英国作家ネビル・シュートによって書かれた小説。

核戦争によって、北半球が汚染され壊滅し、放射能は次第に南半球へ迫ってくる。
米国の潜水艦も、帰港する場所もなくなり、メルボルンに退避しながら、北半球の情勢を探っていくも、希望的な事は何もないことが判明する。

迫りくる放射能、人類最後の日が迫ってくる。

オーストラリアで生きる人達の最後の人生の過ごし方が小説になっていた。
明日にも、汚染で命の終末を迎えるかもしれない。
それでも、花壇が来年に花で咲き乱れるように、手入れをする人達。
妻や子供を苦しめないようにするには………

あなたならどう過ごすかと問われていた気がした。

1957年に比べて、核戦争の危険が増えたのか減ったのかわからない。
核攻撃だけでなく、原発施設への攻撃によって、放射能の拡がりの危険性は増えたのかもしれない。

こんな小説のような話が現実に起こらないこと願うが、なんだか危ない今の世界だ。