まだ内壁を取り除いていないので、どの程度の補強をするか不明だが、窓などの開口部は窓枠の両側の支柱だけでなく横枠にも補強を入れ、斜めのブレースも入れ、ととにかくガチガチに補強する。 免震構造? そんなものよく分からないし、第一、個人住宅のようなちっちゃな物ではガチガチが一番だと思っている。 何故なら、免震壁だとか免震基礎に改造しても、断層や流砂現象などで基礎が傾いたらどうするのだ。 大手住宅建設会社は、基礎は別途ですよ、と云うに決まっている。 私達の住んでいる下町の0メートル地帯は、堆積土などの強度の低い地盤の上に乗っているだけなのだ。 私の家は建設時に特別に、2階建てなのに10m程杭を打ち込んでいる。 これは、それまでの家が地盤沈下で建て替えが必要になった経験に基づいている。 それでも地質調査結果を見ると、本当は30m以上杭を打たないと本当にガッチリした地盤には到達していないのだ。 だから絶対に変形しない基礎の上に家を建てない限り、免震構造の意味はないと私は考え、それならばと少しでも費用をガチガチに回すようにしている。 内壁を取り除いて、色の違う補強材を入れてじっとながめていると、素人にでも家の方から、おい、ここも補強してくれよ、と語りかけてくるような気がするのだ。 そして補強を入れ、左右、上下のバランスを見ていると、ここにもお願いね、と語ってくるのだ。 そう、古い家には女神達が住み着いていて、家を大事にしてやると彼女らもそれに答えてくれるのだ。 きっと我が家の女神は先日、薬師寺でお会いした吉祥天女のようにグラマーだろうから、お目に掛かるのを楽しみにしているのだ。 以後は解体が始まって、お会いしてからのお楽しみ。