小川原湖自然楽校だより

~親子自然体験、環境教育、森のようちえん、防災教育~

グリーンランドスタイルカヤック 目指せ!一回転への道(5)GUTS編

2016-10-09 | グリーンランドスタイルカヤ
※『目指せ!一回転への道』は、グリーンランドスタイルカヤックの魅力とグリーンランドスタイルロール(回転技)へのチャレンジ
 の様子をお伝えするレポートです。このレポートを読んで、グリーンランドスタイルカヤックに興味をもつ人が増えたら嬉しいです
 これまでの記事はこちら→(1)小川湖スキンカヤックデビュー(2)~QJ笹川流れ合宿編~(2)~サイドスカーリング練習編~
(3)バランスブレイス&QJメンバー合同練習(4)冒険キャンプで初披露&スタンダードロール初挑戦(QJ東北ブロック練習会)



こんにちは。朝晩の冷え込みが強くなってきましたね。
楽校では寒い寒いと言いながら、小川原湖でのスキンカヤックを楽しんでいる、まりもです。
今回の(5)では、先月参加した『GUTS2016 in 館山』(主催:QajaqJPN,)の様子をお伝えします

笹川流れ合宿から3ヶ月。再びQajaqJPN,のメンバーが全国各地から集結しました!
GUTS(Greenland-paddle Users' Trial Stages )は、Gロールの講習会に加えて競技会も行なわれる、一年に一度の大イベントです。なんと、カナダからGロールのエキスパートであるJames Manke氏が来日し、「レッグ・ドライブ」(全てのGロールに通じるという腿と膝を使った動き)を中心に指導してくださいました。
レクチャーは海だけでなく室内でも行なわれ、講習の合間や交流会の合間でもわからないことを質問すると丁寧に答えてくださり、Gロールをみんなに伝えたいというJamesさんの熱い思いが伝わってきました。
※Gロール=グリーンランドスタイルロールの略。Gロールの技の数々については、こちらをご参照下さい→QajaqJPN,HP『Skills』

QajaqJPN,
グリーンランドスタイルカヤックの伝統的なスタイルを学び、広めようとする団体で、Qaannat Kattuffiat
(グリーンランドのカヤッカーたちによる、狩猟文化の維持を目的とした組織。グリーンランドスタイル
カヤックの総本山。)の公認クラブとして活動する世界で3番目のクラブ。
QajaqJPN,の詳細はこちら → http://www.qajaq.jp/QJ_Website/index.html


 
グリーンランドスタイルのカヤッカーが集結!     ロールのエキスパートJames Manke氏

 
Jamesさんのレクチャーはもちろん全て英語ですが、身振り手振りでも意図することが伝わってくるほど要点がわかりやすく、実際にカヤックでやってみても効果を実感できる素晴らしいレクチャーでした。(レクチャーの際は、英語を話せるメンバーが通訳しました。)

  
講習の合間にもパドルを使った柔軟のトレーニングを伝授! 夕食後に行なわれたレクチャー。足の動きを再確認。



二日目も朝からレッグ・ドライブのレクチャー。
前日に覚えた動きを繰り返し練習して、体にしみ込ませました。

 

 
陸上でのレクチャーの後は、海に漕ぎ出し、Jamesさんが各自のレベルに応じて個人指導してくださり、QJメンバー同士でも互いにサポートし合いながら練習に打ち込みました。 

午後は風が強まったため海での講習をやむなく中止し、室内で「ロープジムナスティックス」というロープを使った
トレーニングをしました。これは、本場グリーンランドでのチャンピオンシップでも競技として行なわれています。

 

夜はJamesさんがグリーンランドのチャンピオンシップに出場した時の様子を、写真や映像で紹介してくださいました。幼い子どもたちがカヤックに乗っていたり、ロープジムナスティックスをやりこなしている姿を見て、グリーンランドの人々にとって、カヤックは彼らがこの地で生きてきた歴史そのものであり、世代を越えてその歴史や文化が継承されていることを感じました。



あっという間に最終日。いよいよ競技会です。
競技会では出場するコースによって競技種目や得点配分が決められていて、完成度によって得点がつき、合計点を競います。※Gロールの技については、こちらをご参照下さい→QajaqJPN,HP『Skills』

 

 
コースは「エントリーコース」「レギュラーコース」「エキスパートコース」の三つ。
写真は「エキスパートコース」に出場した方々。さすがだなぁ~と見とれてしまいました。
※ブロックは狩猟で捕らえた獲物の設定。獲物を持ちながらでも非常時にはセルフレスキューできなければなりません!!



私が出場したクラスは「エントリーコース」で、種目はサイドスカーリングとスタンダードロールです。
サイドスカーリング※(2)の左右はなんとかクリアし、続いて最近出来るようになったスタンダードロール※(4)へ。
まだ成功率は100%とはいかず、今回はパスするという選択肢もありましたが、ここまで来たのだから挑戦してみよう!と大きく深呼吸してエイッと回ってみるものの、あえなく失敗
自分の力を出し切れなかった悔しさと、逃げずに挑戦したことへの「がんばった」という二つの気持ちが湧いてきて、次は力を出し切れるように練習をがんばろうという気持ちになりました。

何事も行動することやチャレンジすることが大事。
やらなければ何も変わらないけれど、やってみれば何かが変わるし、失敗しても一歩前進する。


普段、子どもたちに言っているこの言葉の意味を、久しぶりに実感したような気がします
学生の頃は、勉強にしろスポーツにしろ、身近なところにライバルがいたり、試験や試合があったりして、何かに挑戦する機会が多くあり、自分の力を信じて伸ばそうと、新しいことにも果敢に挑戦していました。
しかし、歳を重ねていくにつれ、得意/不得意、向き/不向きなど、自分のことをわかったような気になり、自分自身の可能性を決め付けて、新しいことに挑戦することも少なくなってきたように思います。
何かに挑戦するということは、今までの生活スタイルやエネルギーの使い方を変えることになり、変化を伴います。その変化を受け入れ、新たなことに立ち向かうパワーが弱くなっていたのかもしれません。

物事を「出来る範囲でやる」ことが多くなっていた私ですが、グリーンランドスタイルカヤックに出会って、全く経験のなかったGロールに惹かれ、久しぶりに新たな自分の可能性に挑戦しています。自分も挑戦しているからこそ、何かに挑戦している人の気持ちに寄り添い、応援することができるぞと思うとともに、“いい大人”が夢中になって挑戦している姿は、子どもたちに(大人たちにも)何かしらのメッセージを伝えられるのではないかと思います

  
↑ 競技会でTryしたサイドスカーリング
自分で言うのもなんですが・・・スキンカヤックを漕いでいる時、いい顔しているんです(笑)


QajaqJPN,の皆さんは、とても“いい顔”をされています。老若男女、年齢や性別に関わらず、活き活きとしたお顔です。互いの技術を認め合い、切磋琢磨し合いながら、グリーンランドスタイルカヤックの文化を継承しています。
大人になってから夢中になれるものがあること、価値観を共有し、人と人が繋がり合える世界があることは、とても素敵なことだと思います。そんな皆さんと過ごせた三日間は、私にとって大きな実りある時間でした。

 
(左)競技会の表彰式にて。Kさん(右)は最年長賞と第三位(男子の部)のダブル受賞です。
(右)優勝トロフィー。左は男性、右は女性に贈られます。

 

はるばるカナダからお越しになり、熱心に指導をしてくださったJamesさん、ホストとして真心こもる受け入れをしてくださった東日本ブロック(千葉地域)のメンバーをはじめ、お世話になった皆さん、遠方から応援してくださっていた皆さん、本当にありがとうございました

ぜひ皆さんに、小川原湖の素晴らしい自然環境の中でグリーンランドスタイルカヤックを楽しんでいただきたいです。そして、地元の子どもたちにグリーンランドの文化に触れる機会を作り、青森~東北の人たちにグリーンランドスタイルカヤックの魅力を伝えていきたいです。
小川原湖でのGUTS開催の際は、全力で歓迎いたします!ぜひ、小川原湖にもいらしてくださいね



まりも



 小川原湖自然楽校 
  Tel:0176-50-8611 Fax:0176-50-8612 メール:s-canoe@viola.ocn.ne.jp 
 HP → http://ogawarako.yu-yake.com/
 Face book → https://www.facebook.com/Ogawarako.Nature.School/#





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