2003年12月1日に、関東、近畿、中京地方の一部で地上波デジタル放送がスタートしました。「映像の美しさ」とか「サウンドの美しさ」に無頓着な私にとっては、全く関係のない世界のこととして通り過ぎていました。
ところが、去年12月の夜、いつものようにテレビを見ながら裏番組を録画していた時のこと・・・。突然、“♪キューキュー”と鳴ったかと思うと、録画が停止されました。
(ビデオテープを巻き戻すのを忘れたかな?)と、取り出しボタンを押すと、“びよ~ん”と中のテープが伸びていました。
そんな姿を目にしながらも、悪いのはデッキではなく、テープの劣化だと決め付け、新しいものを投入・・・。そしてまたまた見るも無残な姿になって出てきました。
良く考えるとこのテレビデオ。学生時代に購入したものですから、約10年間。毎日良く働いてくれました。
と、いうわけでせっかくだから、「液晶テレビ+DVD」の時代の波に乗ってしまおうと近所のJoshinへ。
そこで目にした「2011年7月24日地上アナログ放送は終了します」という文字。
これがなかなか厄介なのです。
そういえば、「デジタル放送」が始まったとか、音がどうだ。映像がどうだ。という話は耳にしていました。このデジタル放送。単純に電波が変わるだけではありません。私たちが今見ている普通のテレビでは、5年後には受信できなくなります。
電化製品も安くなり、「テレビデオ」なら3万円も出せば購入できる時代が来たというのに、地上波デジタルに対応したテレビは、最低でも10万円はします。文句を言おうにも、「総務省が決めたことですから。」と言われてしまえば、返すことばもありません。
アナログ放送終了まで、後5年。とても微妙なこの時期に、買い換えるハメになった私。いろいろな説明を聞き、悩むこと約1時間。「デジタルチューナーを内蔵していないアクオス(13型)」と「デジタルチューナーを内蔵しているDVD HITACHI WOOO」を購入して帰りました。
今日は、これらを購入することにした経緯や店員さんから聞いた話しを交えながら、「地上波デジタル」についてまとめたいと思います。
◆地上波デジタルテレビ放送によって何が変わるのか?
①高画質な映像と高音質な音声のサービス
「走査線」(=走査の結果、描かれた画素一行分の軌跡のことをいいます。もう少し詳しく説明すると、テレビの画面は、小さく分割された画面の集まりで構成されています。この小さな画面を画素と言います。そして、テレビの映像は、この画素を左上から右下へと順々に光らせていくことで映し出されています。この左上から右下へと順々に光らせていくことを走査と言います。この画素が細かく、走査線が多いほど、高精細な映像を映し出すことができます。)の数が現在の525本から、1125本になります。画面の形もこれまでの縦横の比率が4対3から16対9になり、30%以上ワイドになります。サーカー中継では選手やボールの動きが一目でわかるようになり、見ごたえがありそうです。
音質はCD並みで、「5.1チャンネルサラウンド放送」という、臨場感たっぷりの放送を聴くことができます(但しスピーカーとアンプが必要)。
②データ放送
予め、お住まいの地域の郵便番号を登録しておくことで、地域情報や天気予報といった生活に密着した情報を、見たいときにいつでも入手できます。
また、当日から1週間先までの番組表を画面上に表示するEPG(Electronic Program Guide=電子番組ガイド)が利用できます。これにより、予約録画も簡単。放送時間の変更や、緊急特別番組など編成の変更にも対応できます。「野球中継の延長で録画しようとした番組が半分しか取れなかった」。ということはなくなります。
さらに、ドラマのあらすじや出演者の情報などもわかります。
③高度な双方向サービス
テレビに電話回線をつないで、テレビ放送事業者(放送局)等と双方向に情報のやりとりができるようになります。これを利用して家に居ながらにしてクイズ番組に参加できるほか、テレビショッピングを気軽に楽しむことができます。
そういえば、NHKは去年の紅白歌合戦でこの仕組みを利用した視聴者投票を企画していました。たまたま、録画予約をしようとデジタルに切り替えたところ、「視聴者投票に参加する?」という文字が画面左端に現れ・・・。問いかけに答えていくうちに電話回線をつないでいないことに気付き、あきらめましたが、アナログ人間の私は時代の流れを少し離れたところから、ただただ感心するばかりです。
③バリアフリーに字幕放送や解説放送がより充実します。音声が聞き取りにくいときに音声の速度を遅くしたり、点字操作が可能な受信機の開発により、目の不自由な方でも放送サービスにより親しんでいただくことも夢ではありません。
④安定した移動体向けサービス
電車、バス、携帯情報端末等の移動体において、クリアな放送の受信が可能です。
◆地上デジタルテレビ放送は、いつから見られる?
京都は、一部の地域をのぞきほぼ工事が終了しているそうです。私を接客してくれた店員さんの話によると、伏見区は少し遅れているのだとか。詳しいことは総務省受信相談センター(TEL:0570-070101)か、社団法人地上デジタル放送推進協会(http://www.d-pa.org/)でご確認ください。
◆地上デジタルテレビ放送を受信するには何が必要?
①地上デジタル放送対応テレビ又は地上デジタルテレビ放送用チューナー
②UHFアンテナ
(但し、地上デジタル放送の周波数(チャンネル)に対応していない場合は、アンテナの交換が必要になります)
これが、前述した「厄介」な点です。アナログ放送が終了するからといって、今のテレビを買い替える必要は全くありません。ただ、何もしなければ映像を受信できなくなるのは事実です。そこで、単品の「地上デジタルチューナー」を購入する。という方法もあります。しかし、私のような素人には接続や操作が複雑なようです。また、現時点では7~8万円程度もする高価なものである上、テレビ1台につき1台のチューナーが必要になります。
つまり私の家を例に挙げると、私の部屋の他に3台のテレビがあるのでそれぞれに対してチューナーを接続することになります。金額にして7万円×4台=28万円。
すごいお金です。
心の中で様々な葛藤をした結果、最悪は、テレビを5年で処分するつもりで購入しました。と、いうのもデジタルチューナー内蔵型のものになりますと「19型」が一番小さなものになるそうです。私は、ベッドサイドに置きたいだけでしたのでそれほど大きなものが必要ありませんでした。また、DVDをW録画可能なものを選んだので、5年後は、DVDのチューナーを利用すれば、TVはモニターの機能を果たしてくれます。
どちらにしても、この時期の買い替えは非常に難しいようです。特に急がないのであればあと2~3年様子を見ても良いのではないでしょうか。
しかし、次世代DVDとして「Blu-ray Disc」と「HD DVD」が出現したことにより、価格の高騰は免れないかも知れません。
◆薄型テレビを買い換えるなら?
「+7インチ」
デジタルに移行し、テレビの縦横の比率が変更するのは前述の通りです。つまり、同じインチ数のワイドテレビに買い換えると、画面の高さが減少し、小さくなったように感じます。買い換え後も、同じ画面の高さを維持するには「+3インチ」が必要で「大画面化」を実感するためには、「+7インチ~」が目安になります。
現在ワイド(ブラウン管)テレビをご利用のご家庭の場合は、「+2インチ」を目安にします。液晶やプラズマテレビでは、「OOV型」というように、サイズの後に「V」がついています。これは、ブラウン管テレビの大きさを表す「OO型」が、ブラウン管自体の外寸を指しているのに対し、液晶やプラズマテレビの「OOV型」は、実際に映像が映る大きさ(Visual Size)を指しているため、その違いを表しています。
言い換えると、32型ワイド(ブラウン管)から、32V型の液晶やプラズマに買い換えると、同じ「32」でも画面に映る映像のサイズは一回り大きく感じることになります。
買い換え後も、同じ大きさの画面を維持するには「-2インチ」。「大画面化」を実感したいのであれば「+2インチ~」のものを選ぶと良いでしょう。
◆買い換えるならプラズマ?それとも液晶?
「普通のお宅」で「普通のテレビ」としてご利用されるなら「液晶テレビ」が良いようです。理由は、明るい部屋でもくっきりした映像で、照明の映り込みも少なく、見やすいからです。プラズマテレビを明るい部屋で使うと、映像がぼんやりとした感じに見え、また表面がガラスでできている為、暗い映像のシーンでは自分の顔がはっきりと映り込んでしまうなど、使いこなしが難しくなります。
プラズマテレビは、部屋を暗くして、じっくり映画を鑑賞するような使い方、また45型以上の大きなサイズになると、液晶テレビに比べ低価格で購入することができます。
例えば60型の場合、液晶テレビの場合150万円程度しますが、プラズマテレビだと95万円程度で購入することができます。
アナログな上、説明書を読まない私にとって、設備機器の進歩についていくのは大変でもありますが、本当に便利です。ボタン一つで番組表を表示させ、選択するだけで簡単予約。「午前と午後を間違えた~!!!」なんていう初歩的なミスがなくなるばかりか、番組ごとに整理されて記憶してくれるので、見たい番組をすぐに選択することができます。
入浴だってテレビの時間を気にすることなくできます。入浴後、録画が終了していなくても、録画しながら、冒頭から再生することだって可能です。
(できたらいいな)(あったらいいな)の夢のような話が夢でなくなる時代になったということでしょう。
参考
・地上デジタル放送パーフェクトガイド
・Asahi.com
・オールアバウトジャパン
ところが、去年12月の夜、いつものようにテレビを見ながら裏番組を録画していた時のこと・・・。突然、“♪キューキュー”と鳴ったかと思うと、録画が停止されました。
(ビデオテープを巻き戻すのを忘れたかな?)と、取り出しボタンを押すと、“びよ~ん”と中のテープが伸びていました。
そんな姿を目にしながらも、悪いのはデッキではなく、テープの劣化だと決め付け、新しいものを投入・・・。そしてまたまた見るも無残な姿になって出てきました。
良く考えるとこのテレビデオ。学生時代に購入したものですから、約10年間。毎日良く働いてくれました。
と、いうわけでせっかくだから、「液晶テレビ+DVD」の時代の波に乗ってしまおうと近所のJoshinへ。
そこで目にした「2011年7月24日地上アナログ放送は終了します」という文字。
これがなかなか厄介なのです。
そういえば、「デジタル放送」が始まったとか、音がどうだ。映像がどうだ。という話は耳にしていました。このデジタル放送。単純に電波が変わるだけではありません。私たちが今見ている普通のテレビでは、5年後には受信できなくなります。
電化製品も安くなり、「テレビデオ」なら3万円も出せば購入できる時代が来たというのに、地上波デジタルに対応したテレビは、最低でも10万円はします。文句を言おうにも、「総務省が決めたことですから。」と言われてしまえば、返すことばもありません。
アナログ放送終了まで、後5年。とても微妙なこの時期に、買い換えるハメになった私。いろいろな説明を聞き、悩むこと約1時間。「デジタルチューナーを内蔵していないアクオス(13型)」と「デジタルチューナーを内蔵しているDVD HITACHI WOOO」を購入して帰りました。
今日は、これらを購入することにした経緯や店員さんから聞いた話しを交えながら、「地上波デジタル」についてまとめたいと思います。
◆地上波デジタルテレビ放送によって何が変わるのか?
①高画質な映像と高音質な音声のサービス
「走査線」(=走査の結果、描かれた画素一行分の軌跡のことをいいます。もう少し詳しく説明すると、テレビの画面は、小さく分割された画面の集まりで構成されています。この小さな画面を画素と言います。そして、テレビの映像は、この画素を左上から右下へと順々に光らせていくことで映し出されています。この左上から右下へと順々に光らせていくことを走査と言います。この画素が細かく、走査線が多いほど、高精細な映像を映し出すことができます。)の数が現在の525本から、1125本になります。画面の形もこれまでの縦横の比率が4対3から16対9になり、30%以上ワイドになります。サーカー中継では選手やボールの動きが一目でわかるようになり、見ごたえがありそうです。
音質はCD並みで、「5.1チャンネルサラウンド放送」という、臨場感たっぷりの放送を聴くことができます(但しスピーカーとアンプが必要)。
②データ放送
予め、お住まいの地域の郵便番号を登録しておくことで、地域情報や天気予報といった生活に密着した情報を、見たいときにいつでも入手できます。
また、当日から1週間先までの番組表を画面上に表示するEPG(Electronic Program Guide=電子番組ガイド)が利用できます。これにより、予約録画も簡単。放送時間の変更や、緊急特別番組など編成の変更にも対応できます。「野球中継の延長で録画しようとした番組が半分しか取れなかった」。ということはなくなります。
さらに、ドラマのあらすじや出演者の情報などもわかります。
③高度な双方向サービス
テレビに電話回線をつないで、テレビ放送事業者(放送局)等と双方向に情報のやりとりができるようになります。これを利用して家に居ながらにしてクイズ番組に参加できるほか、テレビショッピングを気軽に楽しむことができます。
そういえば、NHKは去年の紅白歌合戦でこの仕組みを利用した視聴者投票を企画していました。たまたま、録画予約をしようとデジタルに切り替えたところ、「視聴者投票に参加する?」という文字が画面左端に現れ・・・。問いかけに答えていくうちに電話回線をつないでいないことに気付き、あきらめましたが、アナログ人間の私は時代の流れを少し離れたところから、ただただ感心するばかりです。
③バリアフリーに字幕放送や解説放送がより充実します。音声が聞き取りにくいときに音声の速度を遅くしたり、点字操作が可能な受信機の開発により、目の不自由な方でも放送サービスにより親しんでいただくことも夢ではありません。
④安定した移動体向けサービス
電車、バス、携帯情報端末等の移動体において、クリアな放送の受信が可能です。
◆地上デジタルテレビ放送は、いつから見られる?
京都は、一部の地域をのぞきほぼ工事が終了しているそうです。私を接客してくれた店員さんの話によると、伏見区は少し遅れているのだとか。詳しいことは総務省受信相談センター(TEL:0570-070101)か、社団法人地上デジタル放送推進協会(http://www.d-pa.org/)でご確認ください。
◆地上デジタルテレビ放送を受信するには何が必要?
①地上デジタル放送対応テレビ又は地上デジタルテレビ放送用チューナー
②UHFアンテナ
(但し、地上デジタル放送の周波数(チャンネル)に対応していない場合は、アンテナの交換が必要になります)
これが、前述した「厄介」な点です。アナログ放送が終了するからといって、今のテレビを買い替える必要は全くありません。ただ、何もしなければ映像を受信できなくなるのは事実です。そこで、単品の「地上デジタルチューナー」を購入する。という方法もあります。しかし、私のような素人には接続や操作が複雑なようです。また、現時点では7~8万円程度もする高価なものである上、テレビ1台につき1台のチューナーが必要になります。
つまり私の家を例に挙げると、私の部屋の他に3台のテレビがあるのでそれぞれに対してチューナーを接続することになります。金額にして7万円×4台=28万円。
すごいお金です。
心の中で様々な葛藤をした結果、最悪は、テレビを5年で処分するつもりで購入しました。と、いうのもデジタルチューナー内蔵型のものになりますと「19型」が一番小さなものになるそうです。私は、ベッドサイドに置きたいだけでしたのでそれほど大きなものが必要ありませんでした。また、DVDをW録画可能なものを選んだので、5年後は、DVDのチューナーを利用すれば、TVはモニターの機能を果たしてくれます。
どちらにしても、この時期の買い替えは非常に難しいようです。特に急がないのであればあと2~3年様子を見ても良いのではないでしょうか。
しかし、次世代DVDとして「Blu-ray Disc」と「HD DVD」が出現したことにより、価格の高騰は免れないかも知れません。
◆薄型テレビを買い換えるなら?
「+7インチ」
デジタルに移行し、テレビの縦横の比率が変更するのは前述の通りです。つまり、同じインチ数のワイドテレビに買い換えると、画面の高さが減少し、小さくなったように感じます。買い換え後も、同じ画面の高さを維持するには「+3インチ」が必要で「大画面化」を実感するためには、「+7インチ~」が目安になります。
現在ワイド(ブラウン管)テレビをご利用のご家庭の場合は、「+2インチ」を目安にします。液晶やプラズマテレビでは、「OOV型」というように、サイズの後に「V」がついています。これは、ブラウン管テレビの大きさを表す「OO型」が、ブラウン管自体の外寸を指しているのに対し、液晶やプラズマテレビの「OOV型」は、実際に映像が映る大きさ(Visual Size)を指しているため、その違いを表しています。
言い換えると、32型ワイド(ブラウン管)から、32V型の液晶やプラズマに買い換えると、同じ「32」でも画面に映る映像のサイズは一回り大きく感じることになります。
買い換え後も、同じ大きさの画面を維持するには「-2インチ」。「大画面化」を実感したいのであれば「+2インチ~」のものを選ぶと良いでしょう。
◆買い換えるならプラズマ?それとも液晶?
「普通のお宅」で「普通のテレビ」としてご利用されるなら「液晶テレビ」が良いようです。理由は、明るい部屋でもくっきりした映像で、照明の映り込みも少なく、見やすいからです。プラズマテレビを明るい部屋で使うと、映像がぼんやりとした感じに見え、また表面がガラスでできている為、暗い映像のシーンでは自分の顔がはっきりと映り込んでしまうなど、使いこなしが難しくなります。
プラズマテレビは、部屋を暗くして、じっくり映画を鑑賞するような使い方、また45型以上の大きなサイズになると、液晶テレビに比べ低価格で購入することができます。
例えば60型の場合、液晶テレビの場合150万円程度しますが、プラズマテレビだと95万円程度で購入することができます。
アナログな上、説明書を読まない私にとって、設備機器の進歩についていくのは大変でもありますが、本当に便利です。ボタン一つで番組表を表示させ、選択するだけで簡単予約。「午前と午後を間違えた~!!!」なんていう初歩的なミスがなくなるばかりか、番組ごとに整理されて記憶してくれるので、見たい番組をすぐに選択することができます。
入浴だってテレビの時間を気にすることなくできます。入浴後、録画が終了していなくても、録画しながら、冒頭から再生することだって可能です。
(できたらいいな)(あったらいいな)の夢のような話が夢でなくなる時代になったということでしょう。
参考
・地上デジタル放送パーフェクトガイド
・Asahi.com
・オールアバウトジャパン