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インテリアコーディネーターのブログ。
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9月20日 塗料のあれこれ Vol.1

2005-09-20 | インテリア/建築
9月16日、エスケー化研さんの「建築塗料の基礎知識」というテーマで行われたセミナーに参加してきました。

18:00~20:00という業務に比較的差し障りのない時間帯を配慮して下さっていたのですが、個人的にはすっかり疲れ果てた時間からのスタートということもあり、まず集中力の維持が大変でした。

日頃ビジュアル的、感覚的に訴えかけるセミナーを中心に参加しています。何かを学ぶというよりかは、感じる。その中で次の現場と照らし合わせながらイメージを膨らませています。

今回は、学術的というか久しぶりに高校生に戻って授業を受けているような感じでした。決してセミナーの内容を批判しているわけではないので、誤解のないようにして頂きたいのですが、私の知識の乏しさからか、そこから直接的な物件に当てはめる作業ができず、とにかく「?」が積み重なった2時間でした。

と、いう訳で今日は塗料についてセミナーの内容も交えながら、もう一度勉強し直してみました。

塗料は、塗膜形成材(着色材・樹脂・添加剤)と溶剤とから構成されています。塗膜形成材とは塗膜として残るものであり、それを塗りやすくするのが溶剤で、塗膜にならない揮発分です。
噛み砕いていくと、ますます訳がわからなくなるので、成分の細かい構成はこの程度で留めておきましょう。
塗料と塗装の選定には使用分野、使用目的、必要な性能、仕上り等に合わせて、適正な選択をしなければなりません。代表的な塗料と塗装の性質は次の通りです。

①油性ペイント(OP)
 一般的にオイルペイントと呼ばれている塗料です。安価で塗りやすく、肉付きが良い。密着性もよく耐衝撃性、対候性に優れています。欠点としては、乾燥が遅い、粘着性がある、臭いが残る、耐薬品性が悪い等ですが、特に外部用で多く使われます。
ハチセのリ・ストック住宅でも欠かせない工程の一つです。外部では、バルコニーや鉄骨柱等の鉄部塗装として。内部では、廻り縁・巾木などの枠廻りの他フラッシュドアなどの建具類の塗装に利用しています。

②合成樹脂調合ペイント塗り(SOP)
 合成樹脂のフタル酸を用いてオイルペイントの欠点である乾燥時間の長さや表面の劣化・光沢などを改善したものをいいます。

③オイルステイン塗り(OS)
 もともと調合されているもので主に染料を使ったものが多いが、現場でボイル油に顔料であるオイルペイントを混ぜ合わせてつくり出すやり方もあります。ちなみに、パークテラス御池では、後者の方法がとられました。
木部の着色と木目を生かす仕上げによく用いられます。ペンキ屋さんに伺ったところ、「塗るというより、しみ込ませるという感覚」なのだそうです。
主に内部の木部の塗装として使われます。ハチセの住宅に特化して言うと、梁やカウンターの塗装が中心ではないでしょうか。
ちなみに、ボイル油を使用した方が持ちがよく、自然の艶も出やすい。仕上げにもよりますが、拭き取り仕上げが木目を出すのに適しています。

④ウレタンワニス塗り(UC)
 あらかじめ調合された一液形と、ポリウレタン樹脂を主体とした塗料液と硬化剤との二液形とがあります。一液形はフロアータイプで床などが多く、二液形はカウンターなどに使われます。いずれも硬化後の塗膜は硬く、耐水・耐摩耗性に優れますが、チリやホコリを嫌うので現場施工は細心の注意が必要になります。光沢・半光沢などが表現できる高級な塗装です。

⑤クリヤーラッカー(LC又はCL)
 消化繊維を主体とする顔料が入らない塗料です。乾燥が早く、透明な仕上げが得られ、つやが出ます。木工家具や木部の塗装に適しています。

⑥合成樹脂エマルションペイント1種(AEP)
 一般的にアクリル系エマルションペイントといっているもので、合成樹脂のアクリルと顔料(色粉)を主原料とした水溶性塗料です。対候性、耐摩耗性、保色性に優れています。従って、水滴を生ずるような場所、浴室、キッチンなどに適しています。

⑦合成樹脂エマルションペイント2種(EP)
 一般的に水性エマルションペイントといっているもので、水に顔料(色粉)を乳化状にして混ぜ込んだ塗料です。有機溶剤を含まないので安全かつ無公害です。匂いが少なく引火の危険もありません。壁・天井塗料として広く使われています。安価で多くのタイプがあります。

⑧塩化ビニールエナメルペイント(VE又はVP)
 塩化ビニール樹脂または、これに酢酸ビニール樹脂を組み合わせたものです。難燃性で、耐薬品性、対候性、耐水性、耐アルカリ性に優れ「塩素」を含んでいるので防カビ性が良いのが特徴です。厨房や浴室の壁・天井面や、外壁モルタル・コンクリート面の塗装の他プラスターボードの仕上げなどに使われます。

⑨木材保護塗料(WPステイン)
 キシラデコールなどの商品名で知られる木材の保護に優れた塗料です。一般名称はWPステインで、防虫・防カビ・防腐などに効果があります。OSなどに代わる塗料として注目されています。ハチセでは外部の木部塗装として利用しています。
 


⑩シーラー
 壁面塗装の際の下塗り塗料です。下地への塗料の吸い込みを押さえ、下地との付着性を高め、同時に中塗りや上塗り塗料の付着性を高める役割を担います。

⑪プライマー
 金属塗装の下塗り塗料をいいます。錆止めの性能をもち、下地との付着性を高め、同時に中塗り塗料や上塗り塗料の付着性高める役割を担います。

⑫サーフェーサー
 金属塗装の中塗り塗料をいいます。下塗り塗料に強く付着し、上塗り塗料の付着性を高める役割を担います。また、塗装膜全体の厚みを増すと同時に耐久性を向上させ、素材の保護を高めます。


次回は、外壁仕上塗材についてまとめたいと思います。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
参考になりました (joe)
2005-10-08 15:39:56
はじめまして。

私は来年からエスケー化研で働く者です。



塗料について、とてもわかりやすい説明がなされていて、大変参考になりました。



このようなブログがあったのをはじめてしったのですが、自分にはありがたい限りです。



ちょくちょくのぞかせていただきたいと思います。

よろしくお願いします。
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joeさんへ (おがわ)
2005-10-08 16:06:17
はじめまして。そしてコメントありがとうございます。

おそらく、入社されましたら、もっと具体的なことをたくさん教えて頂けると思います。



その時はぜひ、私にも教えて下さいね。



今後、塗材に関してどの程度の情報を提供できるかわかりませんが、お時間の許すときに覗いてみてください。
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