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インテリアコーディネーターのブログ。
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9月25日 中京区のリ・ストック京町家 Vol.3

2008-09-25 | インテリア/建築
本日、ついに完成しました。
今日は、その全貌をご紹介したいと思います。

玄関扉を開けた正面に下駄箱を据えました。下駄箱って絶対に必要なアイテムで、住宅の中でも特にたくさんのひとの目に触れるものなのに、計画から省かれることも少なくありません。私は住宅の中で最も好きな場所が玄関なので、ここは絶対手を抜きたくないところ。何と言われようとも譲らなかったこの下駄箱が今のお気に入りです。
  
正面の壁には菊柄の風呂敷を額装しました。あんまり素敵だったので、実は個人的にも購入。私は部屋に飾るスペースもなく、ましてやそれを購入する金銭的余裕もないので、(苦笑)通常の風呂敷として活用しています。
玄関から、障子戸を開けると2帖の畳敷きのホールです。ちょっとした来客にも便利ですよね。収納の充実が重視された当建物では、わずかなスペースにも一間分の押入れが計画されています。
さらに注目してもらいたいのが、プリーツスクリーン。
ここの窓、本来は改装前にこの住宅で用いられていた建具の中に私にとっては(素敵だなぁ)と思ったものがあったので、そちらをセットする予定でした。
まぁ・・・紆余曲折がありまして、通常のアルミサッシになりました。そうすると透明ガラスでは外からの視線がとっても気になってしまうのです。そこで、設置したのがこちら。

押入れの襖の柄に合わせて、スモーキーピンクでコーディネートしました。

続いてダイニングスペースに移動。
ここでのポイントは、空間をやわらかに間仕切ってくれるタテ格子の建具。
圧迫感がなく、個々の空間に適度な独立性をもたらしてくれるのが嬉しいアイテムです。最近の新築マンションや一戸建て住宅でもこの様にパーテーション感覚で使える建具が人気で、建材メーカーからも様々な商品の展開があります。
こちらは、この建物に合わせて建具屋さんにつくって頂いています。イメージ通りに仕上がったので、着色するか素地のままにするかを悩みましたが、全体の色バランスを考えて、着色してもらうことにしました。

更に奥へと歩みを進めると、庭が見えてきます。

ここにもしっかりとコストをかけました。細かいプランは、プロにおまかせ。私はイメージとなる写真を渡すとともに、つくばいを置いて欲しいことと紅葉を植樹して欲しい旨を伝えました。特に和の庭は、素人がヘタに口を出すよりプロに任せた方が絶対素敵に仕上がります。石の配置の仕方一つをとっても、ただなんとなく・・・ではなく、セオリーがあるのだそうです。


階段を上ります。私自身が物にぶつかったり、取っ手に引っかかったりということが珍しくないので、手すり選びは慎重に。途中で切れていない連続手すりであることと、エンド部が壁側におさめられていることがポイント!

階段を上りきると穴が3つ・・・。

乳白色の強化ガラスがセットされています。これは、頭上の天窓から降りそそぐ太陽の光をリビングへ落とすために計画されたもの。着工前の戦略会議で決定しました。
大丈夫だとわかっていても、ついついソコを踏むことに躊躇してしまいます(笑)。
心持ち、足にかかる体重を減らしながら、一歩、二歩・・・。

廊下を挟んで右手が洋室。左手が和室です。


この住宅は水まわりを除く1F部分はワラを混ぜ込んだ白聚楽、階段と2F洋室は、白聚楽という、外も中も白を基調として計画しています。しかし、2Fの和室に限っては、聚楽土の起源である太閣秀吉が京都に建てた聚楽第あたりで採られた土の色味を再現した黄土色を採用しました。こちらにもワラを混ぜ込んでもらいました。

最後に、外観はこんな感じになりました。

心配していた虫籠窓のバランスも私としてはカンペキに仕上がったと思います。木部の色は「わびすけ」の「V」色を使いました。色見本の中で一番黒に近い品番です。ハチセでは比較的「茶」から「赤茶」系の色味が人気ですが、今回は私の単独で監理する現場でしたので、ちょっと冒険(?)。イメージ通りの出来栄えと、予想を上回る高評価でした。
今後の現場にも活かせそうです。

さて、約3ヶ月をかけて完成したこの住宅。
ついに、9月27日(土)・28日(日)に初のオープンハウスを行います。
町家を住まいとしたい方、町家をリフォームしたい方、町家に興味のある方もない方も、みなさんお誘いあわせの上、ぜひ、遊びにきてくださいね。
詳細は、京町家専門サイトをご確認ください。
http://www.kyomachiya-hachise.jp/realestate/open.html

■ ハチセ工務部のホームページ 「現場で働く職人さんたち」更新しました。第2回は、ハチセが提案する最大規模の京町家「下京区のリ・ストック京町家」を施工してくださった藤井工務店さんです。こちらもぜひ、チェックしてみてください。
現場で働く職人さんたち 第2回 「藤井工務店さん」


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