おフランスの子育て事情・少子化対策

先進諸国の中でもトップクラスの出生率を維持しているフランスの子育ての様子、少子化対策をご紹介します。

おフランスの幼保一元制度 1

2006-11-01 | 幼保一元
教育と保育・しつけは二つの異なる分野ではありませんよね。教育という場合に学校の勉強だけではなくて、生活のしつけだって広い意味での教育に入ります。ちなみに、日本語では「しつけ」と「教育」と二つの違う言葉で表現されますが、フランス語ではエデュカション(Education)という一つの言葉です。強いて分けようとするなら、「生活の基本の教育」(Education de base)と「学校教育」(Education scholaire)とわざわざ違う形容詞をつけることになります。

おフランスでも日本のように、保育部門と教育部門は別々の省庁が担当している、といいましたが、省庁の担当は別でも担当する場所は一緒です。教育と保育が上手に併設されているので、「教育機関はこっち。保育施設はあっち。」というのではなくて、同じ場所の中で「ここまではだいたい教育、ここからはほとんど保育。この人は教員、この人は保育士。」と併存しているのです。日本のように施設を保育園と幼稚園を完全に分けるということはしませんが、逆に働いている職員が自分たちの職種でする内容を分けているのです。

もう少し具体的に説明すると、教育施設内(幼稚園と学校)には通常、二種類の職員が存在します。もともと、フランスは分業化が進んでいて、どこの職場でも自分の職務内容というのをきっちり守ります。よく言えば、自分の専門の職業意識が高いのでしょうが、悪く言えば融通がきかず自分の仕事じゃないことは一切しません。大したことのない用事を頼んで「私の仕事じゃありません。」とにべもなく断られて頭にくることは多々あります。

学校といえどもこの分業は同じ。先生は教員の資格を持ち、教えることが仕事です。それ以外のちょっとした雑用や子供の世話は保育アシスタントが行います。


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