長篠落武者日記

長篠の落武者となった城オタクによるブログです。

長篠落武者行

2013年01月16日 | 日本史
息子が昼寝に失敗。昼の3時頃眠さのあまりぐずぐずになってしまった成人の日。
昼寝をさせようと車に乗せました。

あてもなく車を走らせていたのですが、いつの間にやら設楽原決戦場に!
何故?!

何故も何も、歴史ヲタが本能の赴くままにハンドル握ればそうなりますわな、と。。。

いつもと同じコースを走っても面白くないので、柳田前激戦地跡から設楽原歴史資料館を目の前にして左折すると、馬防柵を対岸から眺めることができます。


いつもは馬防柵側に行くので新鮮です。
「結構走って行くには距離あるなぁ。」
などと思いながら、武田勝頼観戦地下辺りを通過しているときに、
「武田軍はこの辺りから突撃したのか。」としみじみ思う。
いつもは織田側の視点ですが武田視点でじっくりと見たことが無い訳です。

そのまま連吾川に沿って北上を続けて何気に道を東にとる。地形的に大宮前激戦地を通過し、丸山砦跡から東西に走る道です。この道の左右は高台ですがここだけ平坦。そんな地形を眺めていると。

「あれ?これって武田軍の兵士が敗走するときも同じようなルートを辿るのではないか?」
と、思う。なんとなく、必死に斜面に逃げようとする兵士達の映像が頭によぎるのです。
現在の道なので当時とは違うでしょうけど、高低差はそんなに変わるもんじゃないでしょう。
そのまま走っていくと東郷東小を右手に五反田川が現れます。

この川が渡れずに北上した者もいるだろう、と、思って左折し北上。五反田川沿いに北上すると、真田兄弟の墓があるではないですか。


これにはびっくり。

※真田墓から五反田川を南に望む。

そりゃ、墓も正確な戦死地ではないでないでしょうし、区画整理もされているので当時の地形とは違うでしょうが、ひょっとして、と、思ったルートがやっぱり敗走ルートと考えて良かった訳かな、と。

ちなみに、『口語文全訳 三州長篠合戦記』(長篠城址保存館発行)には、
「・・・鳳来寺の方を指して退いていきました。その道の橋辺(場)と言う所に来ると、大河で前を阻まれてみなぎる水を渡ることはできません。小さな橋はあるが道は狭く、押し合いへし合い渡りかねるところへ、味方(うらにわ注:織田・徳川連合軍)が追い迫ったので防ぎようもなく、滝川へ落ちて溺死する者は夥しい数であり、このあたりで武田家の名の有る武士もかなり討死しました。・・・真田源太左衛門は渡辺半十郎政綱が討取り、かくて武田勢の多くの将が討死しました。・・・」
と、ありますが、この辺りのことでしょう。

そして、そこから鳳来寺方面へ向かうと、名将馬場美濃守信房最期の地が現れます。

※川沿いにある看板

今まで、馬場美濃守の墓はこの上、と、看板があるものの柵もありどうやって登るのか?と、不思議に思っていたのですが、山道を整備されたためか、そこから数メートル北上した場所に山へ上がる道を最近発見。ひょっとしてここから登れるのではないかと思っていたので、そのまま猛ダッシュで駆け上がる。
すると、ありました。

名将馬場美濃守信房最期の場所が。

おいたわしや・・・。

そんな彼が武田勝頼が逃げ行くのを確認し、最期力尽きて敵に頸を渡した場所。
どうしてもひと目見ておきたかったのです。

なぜそんなに馬場美濃守信房が好きなのか。

昔、太閤立志伝、というゲームがありました。
秀吉としてロールプレイングゲームをやるんですが、あまりにも早く出世してしまうと歴史が狂います。そのため、よく武田の家臣団を引っこ抜いて自分の部下にしていました。さらにこのままでは本能寺の変のイベントが起きないので、突然信長に対して謀叛を起こして遊んでいました。謀叛を起こす際、結構部下が離反するのですが、馬場美濃は常に離反せず、その高い能力で織田軍を撃破してくれるため重宝していたのです。
そんな経緯から馬場美濃に対して私は少なからず好意を抱いておりました。
信長の野望でも軍師として使い倒しましたし。
(どんな経緯だ。)

まぁ、ゲームのキャラの顔や声が武将の人気を決める時代ですから、こういう武将に対する好意の寄せ方、というのは、ある程度の方には理解していただけるのではないかと。。。

馬場信春がどうやら最期の頃に名乗っていた名前のようですが、私の中では信房でインプットされている以上、信房なのです。だから頑固に信房を使い続けているのです。訳知り顔に「信春でしょう?」と言う人もいますが、私の中で彼は信房なのです。それでいいのです。
これが私の拘りなのです。

そんな私の拘りはどうでもいい訳でして。

期せずして武田の敗走ルートを辿る旅をしたようです。
でもなんか終始、リアルに逃げる兵士達の映像が頭に浮かんだのは、気のせいなのでしょうかね?

今まではこんなにリアルに想像できなかったんですが・・・。

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