読書初心者

最近、本を読み始めました

読書12冊目「北の狩人」

2007年10月30日 21時34分28秒 | Weblog
文庫本を買う方が安く済み、Book offへ行くと、さらに安く買えます。

ただし、文庫サイズでも一冊で終わらないのも多く、

上下巻に分かれているのもあります。

上巻のみや、下巻のみが置いてあるのが多く、

一緒に上下巻を買うタイミングがあまりありません。

今回の大沢在昌氏の「北の狩人」も、

上下巻に分かれています。

いつ行っても上巻しかなく、上下巻を一緒に買うタイミングがなかった為、

一足先に、上巻だけを買って下巻が見つかれば読み始める事にしました。

ついに上下巻が揃ったので読書開始。

秋田県に住む警察官の主人公が、12年前の事件について単独で捜査する。

12年前に東京で起きた事件を、たった一人で追いかけ新宿へ。

当時、事件に関わったとされる暴力団の事務所を探すために、

新宿のヤクザにわざと絡み、12年前の事を教えてもらおうとする。

ド田舎から出てきた為、女子高生に騙されて、ボッタクリの店に。

そこからストーリーが始まり、展開されていく。

12年前の事件を捜査するド田舎の刑事の出現により、

当時の組員や関係者の怒りを買うことになる。

新宿署の刑事と知り合い、情報交換をしながら、事件の解決へと向かう。

何故今頃?という理由などが書かれていくにつれ、

展開も面白くなり、読み応えのある作品になっています。

このストーリーを考える大沢氏の凄さに驚かされます。

タイトル通り、北の刑事が過去の犯人を狩にきた作品です。

解き明かされる12年前の展開に、興奮してみてはいかがでしょうか?

読書11冊目「チェーンレター」

2007年10月30日 00時57分21秒 | Weblog
私は、ホラー系の物が嫌いです。

単純に「怖いから」という理由で、ホラー映画は見ません。

しかし、何故か、Book offへ行った時に、折原一氏の書籍を見ていたら、

一冊の本が目に留まってしまった。

チェーンレター

そのタイトルのヒラヒラの広告に

深夜12時。あなたはその「手紙」をだしますか?

というサブタイトルに興味を惹かれ、購入してしまった。

しっかりと角川ホラー文庫と書かれているので、

ホラー系の内容だとは理解できたが、読んでみたかった。

早速、本を読み出すと、折原氏の世界が広がっていました。

昔、小学生時代などに流行った、「不幸の手紙

これが、いつからか「不」の字と「幸」の字がくっついて

棒の手紙

となった事で物語が始まる。

2日以内に、同じ文章の手紙を5人に送らなければ

「棒」が襲ってくるという話です。

主人公の女性がその手紙を受け取り、5人に出した事から

次々と、出された人が棒に襲われてしまう。

受け取った日から、携帯や自宅の電話に「棒」から電話が掛かって来て

「手紙出したか?」と、確認の電話が掛かってくる。

また、「出さなければ、棒が襲ってくる」とも伝え、

ある意味、律儀な「棒」である。

届いた人間は、迷信や子供騙しだと思い、手紙を捨てたりするが、

実際に、期限を過ぎても手紙を出さなかった人間は

「棒」に襲われて命を落としてしまう。

初めの方は、勝手に棒が空中を浮いてくるのだと思っていたのですが、

それが人間の仕業という事になっていき、

とある事が発端で、「棒の手紙」というのが作られてしまった。

また後半には、「手紙」からパソコンの「メール」に変わり、

展開が大きく変わってくる。

「棒」も、人間だとわかり、その犯人が、だんだんと描かれてくる。

まさに、折原ワールドに引きずり込まれる感覚でした。

ホラーと言っても、そこまで怖い系じゃなかったので読みやすかったです。

まぁ、こんなホラーなら読んでも良いかと思います。







読書10冊目「ザ・ジョーカー」

2007年10月28日 21時17分34秒 | Weblog
仕事で遅くなった日や、疲れてブログを更新できない日も

毎日、本は欠かさず読み続けています。

今回は、大沢在昌氏の「ザ・ジョーカー

これは、短編集になっており、数話が一冊の本になってました。

殺人以外の仕事を受ける仕事人が、バーで営業している。

営業と言っても、看板を揚げていたり、募集しているのではなく、

知る人だけが知っている存在。

バーのカウンターに座り、客として酒を飲んでいる。

バーのマスターが、そのジョーカーとの間を持つ人間でもある。

手付金が100万円になり、その一部をマスターが貰うシステム。

バーで仕事を頼む合言葉があり、マスターに

「ジョーカーはいるか?」と、ジョーカーの名前を出して

ジョーカーとの接触をしてもらうというのが依頼の始まり。

今回も、裏社会の事が色々と書かれていたりする。

知らない部分が多いので、知る度に奥深くへ導かれる気がする。

それぞれのストーリーもしっかりしており、その内容を

深く濃く描いていけば、普通に一冊の本ができそうな気がします。

先日、知人と話をしていると、その人も本を読むようですが、

聞く名前の作者を、私は全く知らなかった。

読んでいる小説も、私とは正反対で、恋愛や友情系が多いそうです。

私は、推理やサスペンス系しか、まだ読んでいないので、

話が噛み合いませんでしたが、ジャンルや作者の事を聞く事ができ、

良い勉強になりました。

今度、Book offへ行った時、違うジャンルにも手を伸ばしてみようと思います。

手元には、一冊しかなくなってしまいました。

しかも、上下巻に分かれている内の、上巻を読破してしまったので、

下巻のみになりました。

明日ぐらには、本を仕入れに行かねばなりません。

読書9冊目「滅びのモノクローム」

2007年10月25日 21時48分42秒 | Weblog
今、嵌っている作者は大沢在昌氏です。

大沢氏の本の多くは、ヤクザ系のサスペンス。

かなり濃く描かれており、もの凄い研究したのだと思います。

また、Book offで仕入れてきたので、読むのが楽しみです。

今回は、三浦明博氏の「滅びのモノクロームという小説です。

サブタイトルに、満場一致で選出!本年度、江戸川乱歩賞受賞作

※2002年8月5日発行

と、書かれていれば、読みたくなるのが人の心理です。

「選評より」という記載の部分で、

赤川次郎氏・逢坂剛氏・北方謙三氏・北村薫氏・宮部みゆき氏が

この本についての評価を記載していた。

大御所と言われる方々?がコメントを出しているので、読んでみようと思いました。

「釣り」を主旨としたストーリーでした・・・

嫌な予感が漂いました。

また「釣り」で妥協してしまうのか?と。

読んでいくうちに、自然と入り込み、今回は最後まで読めました。

昔に使用されていた16ミリフィルムが原因で、事件が起きてしまう。

今では使用されていない16ミリフィルムに、過去の殺人事件の映像が映っていた。

それが、現在の政治家の進退に影響するフィルムだった為、

事実を知る関係者は、口を封じようと必死になる。

過去を掘り返すのは良くないというのを描いている作品でもありました。

また、そこに登場する人間関係も深く関わり、

それぞれが、場面に応じてマッチしていました。

ただ、個人的には、そこまで面白い作品ではなかったと思いました。

読んでいてハラハラさせる場面が多数あるのですが、

その場面のハラハラ感が、少ししか伝わってこず、

この本には、深く入り込めませんでした。

ただ、読み切った最後、ストーリーの結末の切なさが伝わってきました。

嵌っている「大沢氏」の描き方が濃すぎるのも影響しているのかも知れません。

まだ、「小説の深さ」を浅くしか知らない私です。

これからも、多くの本を読んで行きたいです。


読書8冊目「操縦不能」

2007年10月23日 22時35分19秒 | Weblog
ここまで、8冊読んで解った事がある。

作者の人は、もの凄く研究していると言う事です。

読者玄人の方に言わせれば、「何を今更」と言われそうですが、

読書初心者の私にとっては、感動する一つの要素になります。

場所・法律・様々なシステムなど、上辺だけでは書けない事が書かれています。

今、大沢在昌氏に嵌ってますが、警察やヤクザのシステムなどを

細かく書いおり、読者の心を惹きつけています。

ちょっと知っている事や、中途半端な構造だけで書いてしまうと、

読者の心までは響かず、すぐに飽きられてしまうでしょう。

深く濃く描く事で、読者を深海まで導き洗脳していくのだと思いました。

こんかい読んだ、内田幹樹氏の「操縦不能」は、

飛行機でのストーリーになっています。

表紙のサブタイトルに「このシュミレーターからあなとの機を操縦する」と、書かれており、

直感で、ハイジャック系のストーリーかと思い、興味を惹かれました。

作者の内田氏は、元航空会社のパイロットだけあって、

作品中の専門用語や、システムの説明などが詳しく書かれている。

これは、実際に体験した人でなければ書けない部分でもあり、

その深い部分が、読者を深みに嵌めて行くのだと思った。

キャビンアテンダントの仕事振りも、実際に、内田氏の体験に基づいて

言動や行動が書かれていた。

亡命者を乗せた飛行機が、飛行機特有の事故に遭遇し、

それを必死で乗り越える機長と、管制塔のやり取りが書かれている。

車の免許を取る際に、シュミレーターという機械を使用し、

実際に運転しているような講義があったのを思い出した。

今回の事件を救ったのは、地上にあったシュミレーターに乗り込んだ人間が、

上空を実際に飛んでいる飛行機を誘導した事で、事故無く生還した。

その濃い部分が、素人でも分かる様に、細かく描かれていました。

一つの事故を繊細に描き、読者に余韻を残す書き方が良かったです。

実際に、その飛行機に乗り、体験してしまったら震え上がりますが、

そういう現象も起きるというのを、この本を読んで知ったし、

もし、実際に起こってしまったら、管制塔とこの様なやり取りを

しているのだと思いました。

生還と墜落の狭間で戦うパイロットが、鮮明に描かれていて良かった作品です。