東日本大震災被災地支援~岩手県山田町から~ NPO法人大雪りばぁねっと

支援活動、物資購入のために募金を募ります。北洋銀行 旭川支店 0712536 被災地支援募金NPO法人大雪りばぁねっと

大雪りばぁねっと活動報告part.2物資センター運営~現在

2012年01月25日 | 支援活動

 

《物資センターの指揮・運営》

山田町では4月初めから町役場に運ばれてきた救援物資を町内の避難所などへ配給するために役場隣の中央公民館で物資センターを立ち上げました。誰しもが未経験のため毛布・米・水・食品・衣類など何でもたくさん運ばれてくる中、自衛隊が物資センターを運営することになり、自衛隊の給水車と共に「うぐいす嬢作戦」としてトラックで走りながら呼びかけ配布に回り避難所以外にも対応していました。他にも5台の自衛隊トラックに物資を積み込み、避難所へ配布していました。4月後半になると、山田町への自衛隊派遣数が減ることになり自衛隊は捜索を優先にするため物資センターへの人員派遣は減ることになりました。そこで災害対策本部・自衛隊から依頼され、大雪りばぁねっとへ自衛隊から指揮・運営の移管を受けました。


それまで物資の運搬を行っていた自衛隊は6月に物資センターを引き上げることになったため、大雪りばぁねっとが県へ民間輸送会社の手配をお願いし、ヤマト運輸が運搬に携わることになりました。9月に中央公民館の物資センターを閉鎖するまで役場・ヤマト運輸・緊急雇用で一緒に活動を始めた山田町民25人・物資センター設立当初から協力をいただいた北海道町村会、山形県庁、秋田県仙北市からの支援派遣で物資センターの運営にあたりました。


山田町中央公民館を物資センターとして利用



震災から時が経つにつれ中央公民館としての機能を元に戻し地域の方に再び活用してもらうためにも、公民館の物資センターとしての役割は終了する必要がありました。そのため次期物資センターとして旧山田高校の屋内グラウンドを提案し、中央公民館での物資センターの指揮をとりながら、旧山田高校の工事を8月半ばから開始。地面は土だったためコンクリートを敷設し、物資が行き来できるよう入口を大きくし、物資を置く整理棚も整備しフォークリフトも導入しました。公民館での物資センターを閉鎖した後、9月から旧山田高校を「災害備蓄センター」とし、山田町への救援物資の仕分け作業を行い、現在も運営管理を行っています。


現在は旧山田高校を災害備蓄センターとして利用
 




また、自衛隊が旧山田高校で入浴施設支援を行っていたのですがその支援も終了することになりこのままでは山田町にお風呂がなくなるため、7月半ばから急遽入浴支援も大雪りばぁねっとで行っていました。簡易お風呂の調達をするため県がメーカーに問い合わせたのですが当時は需要が高まっていたため在庫切れとのこと。なんとかならないか・・と下した決断は、「我々で作る」ことでした。給湯機と混合栓は「アイシン精機」に企業協力を受け、8月末までお風呂の支援を行いました。


《ボランティアセンターの設立》
3月28日、災害対策本部・社会福祉協議会と協議をし、船越半島のB&G海洋センターにボランティアセンターの設置を決定しました。

震災当時のB&G海洋センター
 


4月9日に山田町災害ボランティアセンター開設
 





ボランティアからの寄せ書きは日に日に増えていきました


震災後、仮遺体安置所として使用されていた当センターは臭気や汚れなど、凄惨な状態で、血液や体液の掃除、通路などの片づけから始まりました。ライフラインの復旧においては、東北電力と調整して通電し、水は自衛隊の給水トレーラーを配備してもらえるよう調整。電話回線がなかったため衛星電話も準備しました。活動するための車は岩手では手に入らなかったため新たに旭川から調達。海洋センター内の格技場をボランティアの宿泊場として設け、山田町災害ボランティアセンターは4月9日に開設しボランティア受け入れ、ボランティア支援にあたりました。大雪りばぁねっと代表、岡田栄悟が当ボランティアセンターの副センター長に任命されました。 



ボランティアの受け入れが一旦中断となる11月には、最後のボランティアバスを支援隊全員でお見送り






《山田町災害復興支援隊》 
また厚生労働省が実施した緊急雇用創出事業により、山田町から大雪りばぁねっとへ事業が委託され、東日本大震災により被災された方々を雇用し新たに「山田町災害復興支援隊」を編成し復旧・復興支援を活動しています(24年1月24日現在135名)。 

 ◎被災者支援 
仮設住宅において入居者のひきこもりや孤独死を防ぐため炊き出しビアガーデンやおかず提供、餅つき、アンケート回収などの活動を行っています。


週末はビアガーデン・餅つきなど炊き出しイベントを開催





◎観光復興・振興 

山田町の観光業の復活を図るため、「復興かき小屋」設置支援、大島の再生事業、無料仮共同浴場の設置支援、また山田町の特産品の開発などを行っています。 


津波で壊れた岸の浸食を止める補修をし、復興かき小屋オープン



大島(オランダ島)の再生



無料共同浴場「御蔵の湯」2011年12月27日オープン




◎物資救援
旧山田高校の屋内グラウンドを整備して山田町の災害備蓄センターとして運営し、仮設住宅・みなし仮設へ日用品・暖房器具・食品などを配布しています。

雪かきスコップの配布


全国から旬の食材も届きました


町内のみなさんへ配達




◎町内パトロール
明かりの少ない山田町沿岸や仮設住宅に青色回転灯をつけた車や徒歩で巡回してまわり、町内の防犯を徹底しています。震災により発生した危険場所(道路の亀裂や歩道の側溝など)の点検も行っています。 


防犯パトロール小隊の朝礼の様子
 


ゼトロスを使い海底のがれきの引き上げにも協力


夜間0時まで仮設住宅を回りパトロール


◎災害緊急対応・行方不明者捜索
山田町沿岸海域での行方不明者捜索、津波に流され海底に沈んだ瓦礫の引き揚げ協力、また瓦礫置き場での煙発生時の消火支援、一般住宅火災にも出動し支援を行っています。 

山田漁協に依頼を受けゼトロスで海底の瓦礫(船・車・漁具など)を引き上げる作業


海上パトロール


船越湾の瓦礫仮置き場にて発生した火災では内部温度の測定など協力 


24時間体制で消火活動にあたりました


大島の海岸に建つ傾いた小屋を直す作業



このように今日まで活動できるのは募金してくださった皆さんのおかげです。ご支援いただいた方々の代表と思いながら、私たちは被災地岩手県山田町で活動を続けています。 

大雪りばぁねっとは山田町災害復興支援隊と共に今後も継続して行政支援活動を行い、一日も早い復興支援への力添えをしていきます。活動状況については山田町災害復興支援隊ブログへ移行しましたので今後はこちらをご覧ください→http://blog.livedoor.jp/npodrn/ 

 


大雪りばぁねっと活動報告part.1震災発生~山田町での活動

2012年01月24日 | 支援活動

東日本大震災により大雪りばぁねっとで募りました募金額は 

総額  1,812,752  でした。 

たくさんのご支援ありがとうございました。
この支援金は、大雪りばぁねっとの山田町での活動資金に充てさせていただきました。 


東日本大震災発生当時、テレビで被災地の壊滅的な映像を見て、NPO法人として活動していた「大雪りばぁねっと」の代表・岡田栄悟が「なにかしなければならない」と総務省消防庁・岩手県への出動を打診したところ、被害の大きい山田町か釜石市への協力を要請されました。燃料の蓄えや移動時間を考えると少しでも早く現地に着き活動を開始できるよう、北海道から近い山田町に決定したのでした。その後3月26日夜に函館港をフェリーで出発し27日朝に岩手県山田町に降り立ちました。

函館港からフェリーで山田町へ


山田町に入り現状を目の当たりに・・・


船越B&G海洋センター(後のボランティアセンター)下にあった老人ホーム

到着してすぐに、山田町災害対策本部、社会福祉協議会と協議したところ、山田町沿岸海域における海の行方不明者捜索とボランティアセンターの設立支援を依頼され受け持つことになりました。 


災害対策本部での活動報告
 

町長と打ち合わせ
 
                       



写真左から大雪りばぁねっと代表・岡田、陸上自衛隊第9特科連隊副連隊長、航空自衛隊山田分屯地司令、災害対策本部総務課長

当初は活動資金が無く、旭川から持ってきた車は一台。自転車を貸してもらい活動をすることもありました。ライフラインが復旧しないため電気・ガス・水道も使えず、活動にも支障がでました。当時、海上での捜索はほぼ手つかずの状態で山田湾の海上には無数の瓦礫の山が漂流し日々移動していき、ご遺体も日に日に浮いてきます。終わりのない捜索が続きました。 

瓦礫の下に潜り捜索
 


海上保安庁と代表


また捜索・救助など、救難を専門としている大雪りばぁねっとは効率の良い捜索手段として航空機を使った方法を提案しました。日本財団の助成や企業支援による3ヶ月間のヘリコプターでの捜索では5体のご遺体を発見しました。

船越B&G海洋センターグラウンドをヘリコプターの離発着場として使用


山田湾上空から行方不明者捜索や山田町沿岸・大島の被害状況を確認

代表自ら体をのりだし上空からの捜索にあたりました

 



山田町災害対策本部では自衛隊・警察・海上保安庁・消防に加わり、3月27日から大雪りばぁねっとも毎日の活動報告をし(ご遺体発見人数やボランティアセンターの状況など)、大雪りばぁねっとの山田町での活動が認知され信頼を得られるようになりました。溜め池や沼などの危険度・難易度の高い特殊な捜索事案において海上・陸上自衛隊・警察から依頼される捜索作戦の立案や、合同捜索、町内を流れる西川でのボックスカルバートの捜索、また水産加工場の水産物が腐敗し、ガスが発生した中での自衛隊による捜索活動時の安全管理支援なども行ってきました。 

入田沼捜索


西川のボックスカルバート捜索
 


山田町長から災害対策本部員としての辞令交付をいただきました

大雪りばぁねっとでは1月24日現在まで40人のご遺体を収容(多い日には一日3体のご遺体を発見)し、現在も山田町沿岸海域で行方不明者捜索、災害救助支援活動などを行っています。

大雪りばぁねっと2011年活動報告②へ続く










 


メッセージ

2011年07月27日 | 支援活動
山田町災害ボランティアセンターにはたくさんのメッセージボードが掲示されています。
 

ボランティアに来られた方が記入したものや全国各地の小中学生、保育園児、幼稚園児が書いたもの
    

ボランティアバスで来られる方たちが書いて持ってきたものなど、多くの方が山田町の方へ励ましのメッセージを寄せています。
      
最近では、ボランティアの方への作業をしていただいた感謝の手紙やボランティアセンターのスタッフに宛てたメッセージが掲示されています。
  

私たち大雪りばぁねっとは、山田町の早期復興を目指し、日々努めていきます。

7月14日

2011年07月22日 | 支援活動
午前、岩手県沿岸域振興局宮古地振興センターの菊池副局長が来町し、ヘリコプターに乗られました。
上空から山田町の被害状況を視察されていきました。

搭乗した菊池副局長


また、午後からは、ヘリによる捜索についてのテレビ取材を受けました。
 
ヘリに乗り込む隊員


湾の様子

2011年07月06日 | 支援活動
去る6月6日、山田町災害対策本部の方が湾内視察をするため監視船に同乗されました。当日は晴天で風もほどんどなく穏やかな湾内を巡視し、最近の湾内の様子や行方不明者の揚収の状況などについて説明を行いました。
    

また視察終了後、捜索活動についての方向性や課題について海上保安庁と協議を行いました。巡視船内の見学もさせていただきました。
    

今後も、関係官庁と連携を取りながら活動してまいします。