シャハム兄妹のアルバムを聴いているうちに、プロコフィエフの交響曲も聴きたくなってきて、毎日2曲ずつ聴いていったのだった。
プロコフィエフの交響曲は、第1番がその標題にある古典的相貌の下に近代管弦楽の語法を仕込ませた機知に富んだチャーミングな作品、第2番は所謂「現代音楽」寄りの尖鋭的な作品で、第3番もやはり尖鋭的ながら、その来歴からも想像される表現主義的なアプローチも感じられる作品。第4番はロシア的な風合いとモダニズムとが軋みながらも同居する実験的な作品。第5番は親しみやすい歌謡性を構成美と面白い楽器構成で聴かせる様々な仕掛けに満ちた作品。第6番はどこかほの暗さを湛えつつ、意趣を尽くした管弦楽法で多彩な表情を見せる作品。そして、どこか憂いを含みながらも達観したかのような、あるいはどこかノスタルジックで、しかも叙情的な味わいをもちつつ、最後までプロコフィエフらしい遊び心も忘れない第7番と7曲がそれぞれ多彩な個性をもつ。それらをジャン・マルティノンとフランス国立放送管弦楽団の演奏で聴く。
たしかにこれら7曲を個別に聴くのなら、他の選択肢も考えられるのだけれど、まとめて聴くとなるとこのマルティノンの全集しか持っていないし、しかもこの演奏には十分に満足している。マルティノンの演奏は個々の楽曲のフォルムをくっきりと描き出しながら、そこに込められた近代的な語法の創意を鮮やかに聴かせるし、ときに尖鋭的な楽想もざっくりとした迫力で押し切る剛毅さも併せもつ。考えてみれば最初にさらっとまとめた7曲の印象も、このマルティノンの演奏で刷り込まれていたのだった。
確かに過剰な残響とやや高域寄りのマスタリングのせいかひどい音質で、実際に木管などの音色はどうだったのだろうとつい思ってしまうのだが、そうした音質面のマイナスを差し引いても好きな演奏だ。ただし第4番については原典版のみ。改訂版と両方収めたもので、よい録音のものもあれば手に入れたいと思うのだけれど...。
プロコフィエフ:交響曲全集
ジャン・マルティノン指揮フランス国立放送管弦楽団(VOX)
プロコフィエフの交響曲は、第1番がその標題にある古典的相貌の下に近代管弦楽の語法を仕込ませた機知に富んだチャーミングな作品、第2番は所謂「現代音楽」寄りの尖鋭的な作品で、第3番もやはり尖鋭的ながら、その来歴からも想像される表現主義的なアプローチも感じられる作品。第4番はロシア的な風合いとモダニズムとが軋みながらも同居する実験的な作品。第5番は親しみやすい歌謡性を構成美と面白い楽器構成で聴かせる様々な仕掛けに満ちた作品。第6番はどこかほの暗さを湛えつつ、意趣を尽くした管弦楽法で多彩な表情を見せる作品。そして、どこか憂いを含みながらも達観したかのような、あるいはどこかノスタルジックで、しかも叙情的な味わいをもちつつ、最後までプロコフィエフらしい遊び心も忘れない第7番と7曲がそれぞれ多彩な個性をもつ。それらをジャン・マルティノンとフランス国立放送管弦楽団の演奏で聴く。
たしかにこれら7曲を個別に聴くのなら、他の選択肢も考えられるのだけれど、まとめて聴くとなるとこのマルティノンの全集しか持っていないし、しかもこの演奏には十分に満足している。マルティノンの演奏は個々の楽曲のフォルムをくっきりと描き出しながら、そこに込められた近代的な語法の創意を鮮やかに聴かせるし、ときに尖鋭的な楽想もざっくりとした迫力で押し切る剛毅さも併せもつ。考えてみれば最初にさらっとまとめた7曲の印象も、このマルティノンの演奏で刷り込まれていたのだった。
確かに過剰な残響とやや高域寄りのマスタリングのせいかひどい音質で、実際に木管などの音色はどうだったのだろうとつい思ってしまうのだが、そうした音質面のマイナスを差し引いても好きな演奏だ。ただし第4番については原典版のみ。改訂版と両方収めたもので、よい録音のものもあれば手に入れたいと思うのだけれど...。
プロコフィエフ:交響曲全集
ジャン・マルティノン指揮フランス国立放送管弦楽団(VOX)
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