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世界はやがてジャパネスクの時代を迎える(非公式)

上海で今、何が動いているのか(2)

2015-05-27 | 民間外交・論調・出張報告

原田武夫@上海復旦、です。
間も無く出発!
その前に…またまた公式ブログにてコラムをアップしました(^^)
どうぞご覧下さいませ!
http://haradatakeo.com/?p=58527

さ~てと!
帰るぞ~


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2015年05月25日

上海で今、何が動いているのか(2) (連載「パックス・ジャポニカへの道」)

 

当地で25日まで中国・上海にある復旦大学で開催されている「上海フォーラム」において24日、「日中関係とアジア金融協力」と題し、我が国財務省の山崎達雄財務官が特別講演を行った。私自身、22日から上海入りしており、これに出席してきた。

元来が「オフレコ」という扱いでの講演であったので、そこで同財務官が語った内容の全てを明らかにするわけにはいかないが、(真に国益を深刻な形で損ねないという意味で)差しさわりが無い範囲内であり、かつ興味深いと思われた点を挙げるならば以下のとおりであった:

 

―一般には「寝耳に水」と思われているかもしれないアジアインフラ投資銀行(AIIB)について、中国の財務当局から我が方に対して働きかけがあったのは昨年(2014年)の早い段階からであった。その後も事務レヴェルでの協議は続けてきている

―そうした中国側からの再三再四の働きかけを踏まえた上でも大きな疑問として残るのが、「なぜアジア開発銀行(ADB)ではダメなのか」という点である。アジアにおいて今、巨大なインフラ投資需要があることは確かだが、既存の枠組みの中で対処しようとすれば出来ないことはないのである。これに対して中国側からは「米州開発銀行や欧州復興開発銀行といった”老舗”以外にもそれぞれの地域に開発銀行は存在しており、日本側の主張は肯んずることが出来ない」との反応が繰り返されるばかりである

―そもそも常設理事会すら予定されていないアジアインフラ投資銀行(AIIB)が、様々な課題を抱えることになる投資案件に適切な対処が出来るのかが疑問である。とりわけ投資案件を見つけるというそもそもの作業、さらには見つけたとしても民間資金をそこに呼び込むようにした後に万が一にも不測の事態が生じないよう、対象国政府に保証をさせるといった作業がこの新しい銀行に出来るのかが疑わしい。そもそも全世界に事務所も未だないわけであり、とりわけ前者の作業(「適当な投資案件の発掘」)について、アジア開発銀行(ADB)がこれまでの知見を踏まえ、きっちりとサポートしていく体制を創るのが涵養である

―ちなみに我が国マスメディアではしばしば、「米国の顔色を見ながら、我が国政府はアジアインフラ投資銀行(AIIB)入りの可否を考えている」と報じられているが、そんなことは決してない。以上述べたとおり、アジアインフラ投資銀行(AIIB)には専門家の観点からすると余りにも詰まっていない点が数多くあるのであって、これらを見極めながら我が国としては判断すべきだ

 

この様に山崎達雄財務官が述べる中、席上では我が国の外務省・財務省・経済産業省・国土交通省の連名によるペーパー「質の高いインフラパートナーシップ ~アジアの未来への投資~」が配布された。英訳はされているものの、図やグラフの一つも入っていない、霞が関エリートたちの手によることが明らかなテキストである。

孤軍奮闘されている山崎達雄財務官の姿を拝見しながら、「財務官」という職責が実に大変なものであるのかをあらためて痛感した次第である。無論、財務省の国際畑の者たちが総出でとりかかっている問題とはいえ、結局のところ、恒常的にこのことについて”喧伝“してまわらなければならないのは「財務官」だからだ。しかし何せ相手は中国なのである。物量は遥かに我が国を上回っており、しかも国家をあげてのメディア・インターネット戦略を巧みに駆使している。そうした事情も考えながら、単に霞が関の「誰が責任を負うべきなのか」などという内向きな議論に例によって入り込むのではなく、この苦境から最適解を如何にして導き出すのか。―――このことに我が国に生きる私たち日本人全員が専心すべきだと物事が音を立てて動いている現場・上海にて改めて感じた次第だ。

今回の「上海フォーラム」における論調では、現在、世界都市ランキングで上海は11位。ちなみにニューヨーク、ロンドン、パリに次いで4位を占めるのが東京なのだという。しかし10年前には100位以下であったことを考えるならば、この「魔都」上海の復活ぶりは目覚ましいものがあるのだ。しかも香港やシンガポールとした先達とでもいうべき地域からは「上海フォーラム」に都市開発という観点から多数の専門家たちが参加し、この地の知的エリートたちに対して「都市国家建設の要諦」をインプットしていたことも印象深い。要するに「新しい龍はここにいる」というわけなのである。

さらに巨視的観点から見るならば、そもそも「中華人民共和国」とは一体何だったのであろうか。現在の米欧勢が中心である世界秩序の根本において金融資本主義のシステムを創り上げたのはユダヤ勢=セファラディ勢+アシュケナージ勢である、だが、そうした彼・彼女らにも唯一の対抗勢力がいた。それが華僑・華人ネットワークだったのである。

「敵は中国にあり」

そう理解するや否や、ユダヤ勢が一斉に華僑・華人ネットワークの切り崩しにかかったとしても全く不思議ではないのである。いや、そう考えることによってこそ、「なぜ大英帝国は清朝をアヘン漬けにしようとしたのか」「米欧帝国主義列強はなぜ我が国の明治維新を許し、日清戦争、そして日中戦争を行わせたのか」さらに言えば「蒋介石や毛沢東の傍らには常に米欧人が付き従い、アドヴァイスをしていたのか」など全てが理解出来るのである。そして極め付けがマルクスの「資本論」という原典からは全く該当しない状況に置かれていた中国において赤い星(毛沢東)による「共産主義革命」が起きるように仕向け、かつこれをあえて放置したことだったのではないだろうか。ようやく経済的に立ち直りかけたところで、ここ上海において(そう「上海」から(!))破滅的な「文化大革命」が始まり、全てを破壊しつくしたのである。

しかし全てが無くなったはずの中国は「華僑・華人ネットワークの全て」では無いのである。ほんのわずかばかり残った種が再び芽吹くよう、どこからともなく同法の手が差し伸べられ、やがてはバブルへと至るまで「龍」は生き返ったのである。無論、そのことを一番知っているのはユダヤ勢のはずである。それではなぜあえて、この「新しい龍」を許しているのか。慈悲なのか?それとも徹底した無慈悲さが故に、遂には破滅にまで華僑・華人ネットワークを導こうという巨大な戦略によるものなのか??

焦点は来年(2016年)にもはや主戦場としての地位をほしいままにしつつあるG20の議長国を他ならぬ中華人民共和国がつとめるところから始まる。「アジアインフラ投資銀行(AIIB)」を巡るストーリーはそれに向けた大流のほんの一端に過ぎない。

そうした今正に始まった世界史の激流の中で、あらためて激突し始めた牛(ユダヤ勢)と龍(華僑・華人ネットワーク)の狭間をかいくぐり、最後は全てが破裂した後に残るのが他ならぬ我が国であるということを確保するために、私たち日本人自身が一体何を考え、どのようにして前に進めば良いのか。時代精神(Zeitgeist)は私たちにそのことを問いかけ始めている。


2015年5月25日 上海・復旦にて

原田 武夫記す


上海で今、何が動いているのか(2) (連載「パックス・ジャポニカへの道」)

http://haradatakeo.com/?p=58527


 

上海で今、何が動いているのか(1)

http://blog.goo.ne.jp/nobody-loves-you/e/a30dcfe1f2caf5c2c0ce248e89eaeb17

 

今日は復旦大学における上海フォーラムの初日。

http://blog.goo.ne.jp/nobody-loves-you/e/8abca5d37a4ce0609da218dc5d3dd4d3

 


 

Especially in Shanghai, I felt a breeze of “Zeitgeist”, since infrastructure in many fields are obviously standards which manage to satisfy the westerners. It was 1999 when I stepped in this city for the first time, which was once called “city of enigma (魔都)” before WWII. There was indeed only few infrastructure, for example, only one subway line, which you could make use of at that time. The famous landscape of “BUND” was being reconstructed, and you could find only an oddly shaped television tower beyond the Hangpu River. Nevertheless, “Time flies like an arrow”, and the new economic zone “Pudong” is full of skyscrapers. There, nobody believes in the end of China’s prosperity. Having fully forgot shadow of the Cultural Revolution in 1960s and 70s, which was originally started in Shanghai, everybody simply keeps “China dream”. “At least for four or five years, China’s economic development will continue and its strength will be shown to all over the world”, says one of young and talented Chinese lawyers I met this time.

 

Warning! Bloody Christmas Eve Is Approaching.

http://takeoharada.com/2014/12/13/warning-bloody-christmas-eve-is-approaching/



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