今日、DoCoMoの記者会見に行ってきた。4月28日から、クレジットサービス「DCMX」(ディーシーエムエックス)を提供するという内容だった。
将来性は未知数“X”NTTドコモが新クレジットサービス「DCMX」を4月28日スタート
(デジタルARENA)
ドコモのクレジット「DCMX」開始――12歳を対象にしたメニューも
(ITmedia)
以前、DoCoMoのiDを取材したときに、いろいろ伏線は聞いていたのだが、それが早々に実現したという感じ。たとえば、学生のおサイフケータイ利用。そして、DoCoMoらしい特典(端末の割引・ドコモポイント等)。DCMXminiはクレジットカードとはいえ、かなり気軽に試せる仕組みになっているし、私も申し込んでおこうと思っている。
このDCMXminiというのは、年会費無料で利用限度額が月1万円まで。学生のお小遣いにちょうどいい。ふと、息子にあげるお小遣いを、すべてDCMXminiにするのもいいなぁと考えた。
明細も明瞭なので、お小遣い帳をつけなくても、何を買ったのか一目瞭然。限度額が1万円なので、そのなかでやりくりしなくてはならない。プラスチックカードはないため、ケータイさえ大事にしていれば、安全。使える場所もどんどん増えているし、子どもがお小遣いを使う場所を網羅するのに、そう時間はかからないだろう。
そして、また考えた。今、私たち大人は、使う使わないに関わらず、お得情報につられて、たくさんのクレジットカードを保有せずにはいられない環境になってしまっていて、そのプラスチックカードを持ち歩くためにも、普通のサイフを手放すということは考えにくい。
だが、まだ一枚もクレジットカードを持っていない、息子の年代が大人になったらどうだろう。すべてがケータイにセットされている可能性が高い。本当におサイフを持たずに、ケータイだけで過ごすのが普通になっているかもしれない。
もちろん、現金がなくなることはないだろう。しかし、おサイフケータイのみでほとんど網羅できている可能性は高い。
私は、
JCBさんにおじゃましたとき聞いた「高額購入はプラスチックカードで」という話に違和感があった。今日夏野さんが言った「誰もケータイだけでクレジット機能を完結すると本気で考えていなかったので、自分達で立ち上げた」という話が、妙に納得がいった。
まぁ、JCBさんはクレジットカード会社だから、プラスチックカードがメインなわけで、そう考えるのも仕方がないのだが、そうなるとどこのクレジット会社も同じ考え方をするだろう。DoCoMoが独自に出さねばならなかったのは、実はその空気の差を感じたからなのかもしれない(もちろん、通信インフラ以外の収入という美味しさも大きな理由だろうけど)。
「なんで、全部入りのケータイにしちゃうんだ?いらないものはいらないって」
「ケータイなくしたら、今よりも大変になるじゃないか」
その感覚が、どんどん麻痺していく可能性はないかな?
私たちが普段、預金通帳を持ち歩かないのと同様に、クレジットのプラスチックカードを持ち歩かない日も、近いのではないか?
12歳から使える、DCMXmini。その12歳たちが10年後、まだおサイフを持ち歩くだろうか。ケータイ、もしくはウェアラブルなケータイ機能を持つ何かに、おサイフはとってかわり、文字通りおサイフといえば、ケータイになるのではないだろうか。
「おサイフケータイなんて必要ないんだよ」そんな風に言ってるのは、今の世代の大人だけかもしれない。
熱く語る夏野さんの姿を見ながら、ふと偉そうに夢想してしまった昼下がりだった(一瞬ほんとに寝たけど(爆))。