弁護士の役立つ情報

経験豊富な弁護士が、法律情報や、時の法律問題、中国情報などを易しい言葉でコメントします

離婚理由の書き方その1

2007-05-21 00:34:12 | 離婚
人気blogランキングへ

① 離婚調停申立や離婚訴訟の訴状を作成するときには、離婚原因を具体的に書か なくてはなりません。
  文句なく離婚できる事情があればとても弁護士としては楽ですが、なかなか理 由が見つからず、苦労するケースもあります。

② 離婚申立をするのが男性の場合と、女性の場合でも、離婚理由の内容が違いま す。そもそも、女性が離婚請求する場合の方が、男性が離婚しようとする場合に 比べて、裁判所は離婚を簡単に認める傾向があります。それだけ、裁判所は女性 に甘いのではないかと思うことが多々あります。

③ 又、裁判官によっても、離婚を比較的簡単に認める人と、あまり認めない人が あり、どの裁判官が担当するかで、結論が変わることもあり、当たり外れがある と思います。ある程度、裁判官の考え方・結婚観に影響されると考えられます。

④ ところで、離婚理由として、代表的なものを以下で挙げてみたいと思います。

  第1は、不貞行為です。これは男女を問わず、まずこれが認められれば、ほぼ 確実に、裁判所は離婚を認めるでしょう。但し、不貞の立証は簡単ではありませ ん。相手方が自白していれば簡単ですが、否定した場合は、不貞の事実を立証し なければなりません。最近、テレビで法律相談シリーズの番組が放送されて、そ のあたりの情報が、流されているため、訴えられる方も、色々研究しています。 従って、よほど確たる証拠を用意していないと、逃げ切られる場合があります。
 裁判所はかなりしっかりした証拠がないと、不貞の事実を認定してくれません。

  第2は、暴力・暴言です。これも、暴力についてはもし男性が暴力を振るった 場合は、比較的簡単に裁判所は離婚を認めてくれます。最近、DV法ができて、保 護命令が出されるケースが多く、このような場合は、裁判所も女性の保護という 観点から、男性に厳しい判断が示されます。
  
  女性が暴力を振るうケースは、必ずしも裁判所は離婚を認めてくれません。女 性による一方的な暴力という事例が少ないこともありますが、大抵は、女性が暴 力を振るった場合、男性も手を出すことが多く、女性がその点を指摘すれば、力 の違いもあるため、男性の暴力を重大視しがちです。もっとも女性が包丁などの 凶器を持ちだし傷つけたような場合は別です。
  
  暴言は、男性が言う場合が多いのですが、最近は女性も強くなったのか、ある いは、口が達者なのか、女性から暴言を吐くというケースも少なくありません。

  しかし、暴力の場合は、言った言わないの世界の話が多く、なかなか立証困難 です。具体的な暴言の内容、言った時期、前後の状況をできるだけ特定すること で真実性を裏付ける努力が必要です。

  女性から男性に対する暴言としては、「収入が少ない」、「馬鹿だ」、「出世でき ない」とか、人格・仕事に対する中傷・誹謗、「離婚してやる」、「顔も見たくな 
 い」とか結婚生活を継続するのに大きな支障となる内容のものが見られます。